事業内容
Delta-Fly Pharma株式会社は2010年12月に設立された抗がん剤開発専業の創薬ベンチャーである。独自の「モジュール創薬」手法により、既存の抗がん活性物質を構成単位(モジュール)として組み合わせ、有効性と安全性のバランスを向上させた新規抗がん剤を創製する。
対象疾患は急性骨髄性白血病(AML)、肺がん、膵がん、胆道がん等の難治性がんに特化。研究所・製造施設を保有せず、外部受託機関を活用した軽量な研究開発マネジメント体制を採用し、2018年10月に東京証券取引所(現グロース市場)に上場している。
ビジネスモデル
当社は自社で製造・販売を行わず、開発パイプラインを製薬会社にライセンスアウトすることで収益を得るビジネスモデルを採用する。収入形態は契約締結時の「契約一時金」、開発進捗に応じた「マイルストーン」、開発費用を提携先が負担する「開発協力金」、上市後の「ロイヤリティ」の4種類。
現在、日本新薬㈱(DFP-10917)・日本ケミファ㈱(DFP-14323・DFP-17729)との国内独占的ライセンス契約を締結済みであり、米欧・アジアでのグローバル提携先開拓を継続している。
企業の強み
既存の承認済み抗がん剤の活性物質を組み合わせるモジュール創薬は、基礎探索研究をほぼ不要とし、着手から1〜2年で臨床試験を開始できる実績を持つ。臨床での有効性・安全性の予測精度が高く、一般的な抗がん剤開発と比較して開発リスクが低減されている点が自社固有の競争優位である。
DFP-10917(AML・米国第3相終了・第1/2相進行中)、DFP-14323(肺がん・国内第3相進行中)、DFP-17729(膵がん・国内第2/3相進行中)等6品目が臨床段階にある。日本新薬㈱・日本ケミファ㈱との独占的ライセンス契約を締結済みであり、パイプラインの多様性と既存提携実績が自社固有の強みである。
研究所・製造施設を保有せず、外部の研究開発受託会社・製造受託会社に業務を委託する体制を採用。少人数の抗がん剤開発経験豊富な専門家集団がマネジメントに特化することで、固定費を抑制しながら複数パイプラインを並行推進できる組織構造を実現している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期の営業損失は1,605百万円(前期1,708百万円)と6.0%縮小し、損失拡大基調から改善に転じた。研究開発費は1,330百万円(前期1,438百万円)に減少した一方、その他販売費及び一般管理費は275百万円(前期270百万円)とほぼ横ばい。
事業収益は5期連続ゼロ。財政面では総資産246百万円(前期434百万円)、純資産33百万円(前期277百万円)と急速に悪化。
新株予約権行使による資本増強(1,381百万円)が損失を一部相殺したが、繰越利益剰余金の欠損は11,557百万円に拡大。外部環境として米国の関税政策や中東情勢等の不確実性が臨床試験の実施コストや為替に影響する可能性がある。
成長戦略
複数パイプラインの臨床進捗とグローバルライセンス契約締結による収益化
米国での第1/2相試験が目標全奏効率を達成しDMCが次相試験を推奨。次期においてフォローアップ継続と臨床第3相試験開始に向けた準備を進める予定。単剤第3相中止後の主力開発プログラムとして位置づけられる。
国内主要基幹病院約30施設で臨床第3相試験の症例登録を継続中。日本ケミファ㈱とのライセンス契約に基づき、試験進捗に応じたマイルストーン収入獲得を目指す。次期も継続予定。
国内における臨床第2/3相試験の第2相部分の症例登録を継続中。日本ケミファ㈱とのライセンス契約に基づく開発。次期も継続予定であり、第2相完了後の第3相移行が次のマイルストーン。
治験薬製造を完了し、日本肝胆膵オンコロジーネットワークと共同で胆道がんを対象とした医師主導治験による臨床第1/2相試験を新規開始。パイプライン拡充による企業価値向上を目指す。
前臨床試験を完了し、臨床第1相試験の開始に向けた検討・準備を進めている段階。開発ステージの進展により新規ライセンス交渉の素材となることが期待される。
2026年8月3日を効力発生日として、資本金5,772,971千円・資本準備金5,784,268千円を減少しその他資本剰余金に振り替え、11,557,239千円の繰越利益剰余金欠損をてん補する無償減資を実施予定。純資産額・発行済株式数に変更なし。
最終更新: 2026年7月19日

