事業内容
ペプチドリームは2006年設立の東京大学発バイオベンチャーで、独自の創薬プラットフォームシステムPDPS®(Peptide Discovery Platform System)を基盤に、グローバル製薬企業との共同研究・ライセンス契約を通じて革新的医薬品の創出を行う創薬開発事業と、100%子会社PDRファーマが担う日本国内一気通貫の放射性医薬品事業の2セグメントで構成される。主要顧客はNovartis、BMS/RayzeBio、Genentech、MSD、J&J等のグローバル大手製薬企業および国内医療機関。
2022年3月のPDRファーマ子会社化により、創薬研究から製造・販売まで垂直統合した事業体制を構築している。
ビジネスモデル
創薬開発事業では、PDPS®技術ライセンス先11社からの継続的なライセンスフィー・ロイヤルティ、提携プログラムの臨床進捗に伴うマイルストーンフィー、および自社プログラムの導出一時金が主な収益源となる。放射性医薬品事業では、PDRファーマが診断用・治療用放射性医薬品を製造・販売し、2025年12月期に15,728百万円の売上収益を計上。
デジタルソリューション(Bridgea DISPENSER、onti等)も展開し、医療機関への付加価値提供を図っている。
企業の強み
東京大学との独占ライセンス契約に基づくPDPS®は、特殊アミノ酸を含む環状ペプチドライブラリーの翻訳合成・スクリーニングを可能にする独自技術。技術ライセンス先は11社に達し、Novartis・BMS・Genentech・MSD・J&J等グローバル大手製薬企業との提携実績が技術の優位性を裏付けている。
PDRファーマは創薬研究・開発から製造・販売まで全機能を国内で保有。2025年12月期の放射性医薬品事業売上収益は15,728百万円で前年比102.4%と安定成長。
ライアットMIBG-I131静注の神経芽腫適応追加(2025年9月)、アミヴィッド静注の保険適用拡大(2024年11月)等、継続的な適応拡大を実現している。
臨床開発段階のパイプラインは2023年末5件→2024年末7件→2025年末13件と急拡大。177Lu/64Cu-PSMA-I&T(前立腺がん)、225Ac/68Ga-GPC3(肝細胞がん)、225Ac/64Cu-CA9(腎細胞がん)等、RI領域・Non-RI領域双方で複数プログラムが進行中。
2026年末には19〜25件への拡大を見込む。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2024年12月期に大型マイルストーン計上(売上収益46,677百万円・営業利益21,114百万円)で過去最高を記録した後、2025年12月期はマイルストーン収益の期ずれにより売上収益18,521百万円・営業損失5,013百万円と急反落した。2026年12月期第1四半期は売上収益4,765百万円(前年同期比+12.6%)、Core営業損失1,067百万円(前年同期比288百万円改善)、親会社帰属四半期損失855百万円(前年同期比178百万円改善)と改善基調に転じた。
放射性医薬品事業の着実な売上成長(前年同期比+7.0%)と創薬開発事業の損失縮小が寄与。通期予想は売上収益32,000百万円・Core営業利益4,600百万円・親会社帰属当期利益3,000百万円と大幅な黒字転換を見込み、予想修正はなし。
成長戦略
臨床パイプライン急拡大と放射性医薬品製造体制整備によるグローバル創薬企業化
CA9プログラム(ccRCC)はFDA IND承認済で2026年中頃に第1相臨床試験開始予定。CLDN18.2プログラムは第0相試験を2026年に開始予定(jRCTs031250563)。CDH3プログラムはIND申請準備中。3本の自社品が順次臨床入りすることで将来的な導出・上市機会が拡大する。
177Lu・225Ac・64Cu等を活用した標的型放射性医薬品の臨床開発用途および商用生産のための新工場を千葉県かずさアカデミアパーク(57,000㎡)に建設予定。建設費約100〜120億円、手元資金および長期借入金で充当。
羽田・成田空港中間の立地を活かしアジア・パシフィック地域への輸出も視野に入れる。
177Lu-PSMA-I&T(転移性去勢抵抗性前立腺がん)は2026年2月に国内第1相臨床試験の最初の患者投与を開始。64Cu-PSMA-I&T(前立腺がん診断)も2025年10月に国内臨床試験開始。
グローバルECLIPSE試験では主要評価項目達成済。タウヴィッド(フロルタウシピル18F)は2024年12月に国内製造販売承認取得済。
経口マイオスタチン阻害薬はGLP-1受容体アゴニストとの併用で除脂肪体重維持効果を前臨床で確認し、提携交渉を継続中。経口IL-17A/F二重阻害薬は2025年12月に臨床開発ポートフォリオへの追加を発表し、IND申請に向けた試験を進行中。
いずれも通期業績予想に含まれない導出一時金の獲得が期待される。
本社隣地(2021年取得済)に新研究棟を建設し、オフィス空間拡張に加えて非臨床POC取得に必要なin vivo試験やCMC・製剤開発機能を拡充する計画。建設費約120〜150億円を見込む。
研究開発費は2026年12月期通期予想で6,445百万円と前期比28.4%増を計画しており、パイプライン拡充に向けた先行投資が続く。
最終更新: 2026年7月17日

