事業内容
株式会社メドレックスは、イオン液体を活用した独自経皮吸収型製剤技術ILTS®およびNCTS®を基盤に、従来技術では経皮吸収が困難な薬物を貼付剤化することで新たな付加価値を持つ医薬品を開発する創薬企業グループである。2002年に香川県東かがわ市で設立、2013年に東証マザーズ(現グロース市場)に上場。
当社・MEDRX USA INC.・MEDRX AUSTRALIA PTY LTDの3社で構成され、疼痛・痙性麻痺・中枢神経疾患等を対象とした複数の貼付剤パイプラインを米国・豪州で臨床開発中。2025年9月には帯状疱疹後神経疼痛治療薬Bondlido(MRX-5LBT)が米国FDAから販売承認を取得し、米国第1号製品として2026年下半期の上市を計画している。
研究開発人員16名、従業員21名の小規模組織で事業を推進している。
ビジネスモデル
当社は自社製剤技術により医薬品候補製剤を創出し、非臨床・臨床試験を通じて開発アセットの価値を高めた上で、製薬会社等との提携契約を締結する。収益は「契約一時金・開発進捗に応じたマイルストンフィー」および「上市後の製品売上に連動するロイヤルティ」の形で得る。
製造は全て外部委託(ファブレス)とし、研究開発に経営資源を集中させる構造。2025年12月期の売上高128百万円の内訳は、DWTIからのマイルストン収入100百万円(78.1%)、Altoからの研究開発等収入24百万円(18.8%)等であり、収益はパイプラインの開発進捗に依存する。
企業の強み
薬物をイオン液体化・溶解することで経皮浸透性を飛躍的に向上させるILTS®技術を世界に先駆けて開発。安全性の高いイオン液体ライブラリー、最適イオン液体選択ノウハウ、製剤化ノウハウを蓄積しており、低分子から高分子まで幅広い薬物への適用実績を有する。
Bondlido(MRX-5LBT)は2025年9月に成人の帯状疱疹後神経疼痛を適応として米国FDAから販売承認を取得。先行競合品ZTlidoのnet salesが2024年に約80億円相当(52百万USドル)であることを目安に、販売パートナーとの提携交渉を進めており、2026年下半期の上市を計画している。
2025年12月期末の自己資本比率は92.2%、現金及び現金同等物は1,754百万円。第32回新株予約権の行使により財務活動収入739百万円を確保し、当面の開発・運転資金を手当て済み。負債総額は108百万円と極めて低水準であり、財務健全性は高い。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年12月期第1四半期(2026年1月〜3月)の売上高は5百万円(前年同期2百万円、+158.9%)、営業損失は246百万円(前年同期419百万円)、経常損失は244百万円(前年同期422百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は238百万円(前年同期429百万円)。損失縮小の主因は販売費及び一般管理費が251百万円(前年同期420百万円)へ大幅削減されたことによる。
過去5期の年間業績は売上高8〜258百万円と変動が大きく、営業損失は793〜1,099百万円の範囲で推移してきた。2026年通期業績予想は売上高507百万円(前期比+296.4%)、営業損失1,472百万円と修正されており、Bondlido上市に伴う費用増加を見込んでいる。
手元現金は1,463百万円と一定の水準を維持しているが、四半期ベースで約291百万円の現金が減少しており、資金消費ペースの管理が引き続き重要である。
成長戦略
Bondlido上市・MRX-4TZT P2成功によるライセンスアウト収益化と多角的パイプライン展開
2026年5月にTerrain Pharmaceuticalsと販売提携に関する法的拘束力のある契約条件書を締結。現在、販売ライセンス契約の条件詳細を詰めながら2026年下半期の上市に向けた準備をTerrainとともに進めている。
先行競合品ZTlidoのピーク時net salesを目安に市場浸透を目指す。
多発性硬化症による痙縮患者を対象とした臨床第2相POC試験が進行中。「薬効を維持したまま安全性・忍容性が向上する」というコンセプト実証により、ブロックバスター候補としてのライセンスアウト交渉進展と企業価値向上を目指す。
FDAファスト・トラック指定済み。誤用事故防止という高付加価値化により、2025年推計約125 million USドルの米国フェンタニル貼付剤市場の置き換えと更なる市場拡大を企図。参照製品との比較臨床試験および誤用事故防止機能検証試験を計画中。
2026年4月の臨床第2相POC試験で主要評価項目の統計的有意性は未達。Altoは独自開発を行わず戦略的提携機会を模索する方針を表明。当社はAltoとともに試験結果を詳細分析し、製剤改良の可能性を含めて方針決定していく予定。
世界でまだ数ヶ所しかない医療用医薬品・ワクチン用途のマイクロニードル治験薬工場を稼働中。量産化に向けた技術開発と並行してモデル動物を用いたフィージビリティスタディを実施しながら事業提携を模索している。
最終更新: 2026年7月17日

