事業内容
株式会社カイオム・バイオサイエンスは、2005年に理化学研究所発の抗体作製技術ADLib®システムの実用化を目的として設立された研究開発型バイオ医薬品企業。「医療のアンメットニーズに創薬の光を」をミッションに掲げ、膵臓がん・肝臓がん・ALSなど既存治療では満たされていない疾患領域の抗体医薬品候補を創製・導出する「創薬事業」と、小野薬品・中外製薬グループ等の国内大手製薬企業やアカデミアに抗体作製・タンパク質調製サービスを提供する「創薬支援事業」を展開。
東京証券取引所グロース市場に上場し、CBA-1205・CBA-1535の2品目が臨床第1相試験を進行中。2024年11月には旭化成ファーマへのPFKRライセンス契約(契約一時金200百万円、最大マイルストーン24,800百万円)を締結した。
ビジネスモデル
創薬支援事業(2025期売上高593百万円、セグメント利益率59.9%)が研究開発投資の原資を供給する安定収益基盤を担い、創薬事業では前臨床〜初期臨床開発後に製薬企業へライセンスアウトし、契約一時金・マイルストーン・ロイヤルティを獲得する。2025年からはIDDビジネス(バイオシミラー開発支援・創薬コンサルティング)を創薬支援事業に組み込み、収益多様化を図っている。
企業の強み
ADLib®システム(10日程度でヒトIgG抗体取得・免疫寛容の制約なし)、Tribody®(3つの抗原結合部位を持つ多重特異性抗体)、DoppeLib™(二重特異性抗体ハイスループットスクリーニング)の3技術を保有。日本・米国・欧州・中国を含む複数国で特許成立済みの強固な知財ポートフォリオを構築している。
2025期の創薬支援事業はセグメント売上高593百万円、セグメント利益率59.9%と目標50%を大幅に上回る高収益を達成。小野薬品(319百万円)・中外製薬グループ(69百万円)等の大手製薬企業との長期委受託契約を複数保有し、研究開発投資の原資を安定的に確保している。
CBA-1205(肝細胞がん・メラノーマ・小児がん対象の第1相後半パート進行中)とCBA-1535(固形がん対象の第1相前半パート進行中)の2品目が臨床段階にある。2024年11月には旭化成ファーマとのPFKRライセンス契約を締結し、契約一時金200百万円を受領、最大マイルストーン24,800百万円の権利を確保した。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年12月期1Q累計の売上高は147百万円(前年同期比+6.1%)、営業損失は232百万円(前年同期264百万円から縮小)。過去5期の年間売上高は593〜781百万円の範囲で不安定に推移し、2025期は593百万円と直近では低水準。
赤字幅は2021期の1,334百万円から2025期の980百万円へ緩やかに縮小しているが、これは主に研究開発費の削減によるもの。創薬支援事業のセグメント利益率54.7%は目標50%を上回り安定しているが、創薬事業からの収益計上がない限り、構造的な黒字転換は困難な状況が続く。
2026年12月期の業績予想は創薬支援事業の売上高600百万円のみ公表されており、全社予想は非開示。
成長戦略
臨床パイプライン導出・IDDビジネス拡大・新規リード抗体創出の三本柱で収益多様化
肝細胞がん・メラノーマ患者の後半パート登録完了・データ解析中。小児がんコホートで高用量安全性評価を実施中。DLK1発現確認患者での部分奏効確認により製品価値の最大化を図り、製薬企業へのライセンスアウトを目指す。
固形がん対象の第1相試験で段階的投与量漸増中。開発上の懸念を示す副作用は観察されていない。単剤パートのデータを優先的に活用した導出活動を推進し、チェックポイント阻害剤との併用パートは導出後に委ねる方針。
アルフレッサ ホールディングス・キッズウェル・バイオとのバイオシミラー細胞株構築共同開発を順調に推進。開発中バイオシミラーの上市および追加製品創出に向けた製薬会社との提携探索・協業検討を継続。収益は創薬支援事業に計上。
PCDCはADC用途を中心にADC技術保有製薬企業への導出活動を推進。PTRYは前臨床段階でのライセンスアウトを優先。PXLRは大阪公立大学との共同研究成果として新たな導出候補品として活動開始。世界的なADCへの注目の高まりが外部環境として追い風となりうる。
Tribody®技術を活用したmRNAエンコード抗体の創出に向けた共同研究を推進し、新たなパイプライン拡充を図る。既存技術基盤の応用による新規モダリティへの展開で将来的な導出機会の多様化を目指す。
最終更新: 2026年7月17日

