事業内容
ダイト株式会社は1942年創業、富山県に本社を置く医薬品事業専業の上場企業(東証プライム)。原薬の製造・販売から医療用・一般用医薬品製剤の製造・販売・受託まで一貫して手掛ける。
国内ジェネリックメーカーへの原薬供給を主軸としつつ、大手新薬メーカーからの製剤受託製造も展開。MRを持たず研究開発・製造に経営資源を集中するファブ型モデルを採用。
連結子会社として中国に大桐製薬(中国)有限責任公司を持ち、日中連携による日本品質・中国コストの生産体制を構築。2025年5月期の売上高は50,643百万円。
ビジネスモデル
売上高の構成は原薬22,872百万円(45.2%)・製剤27,592百万円(54.5%)・健康食品他178百万円(0.4%)。自社開発ジェネリック品の製造販売に加え、大手新薬メーカーからの製剤受託製造を組み合わせることで稼働率を維持する。
MRを持たず販売は提携先メーカーに委託し、研究開発・製造に特化することでコスト構造を最適化している。
企業の強み
国内ジェネリックメーカーの多くが原薬を外部調達する中、ダイトは原薬製造から製剤化まで自社グループ内で完結できる体制を保有。2025年5月期の原薬生産実績20,871百万円・製剤生産実績23,931百万円(いずれも販売価格ベース)。この一貫体制が品質管理の一元化とコスト競争力の源泉となっている。
日本国内GMP基準に加え、米国FDA及び欧州EMAの要求基準を充足。この品質管理能力が大手新薬メーカーからの製造受託獲得の根拠となっており、2025年5月期の製剤受注高は24,355百万円(前期比4.6%増)、受注残高5,840百万円(前期比7.8%増)と堅調に推移している。
2010年から約15年かけて中国企業への出資を積み重ね、千輝薬業(安徽)・安徽鼎旺医薬(原薬)・大桐製薬(中国)(製剤)の3社体制を構築。2025年5月に大桐製薬(中国)が自社ジェネリック製剤プレガバリンカプセルを中国市場向けに初出荷し、中国市場での収益化が始動した。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年5月期43,464百万円→2026年5月期50,650百万円と緩やかな拡大基調を維持。一方、営業利益は2022年5月期6,553百万円をピークに2025年5月期2,619百万円まで4期連続で低下したが、2026年5月期は3,637百万円と明確に反転した。
売上原価の削減(棚卸資産評価減の改善・スマートスペンディング)が主因であり、外部要因として円安による原材料費増やエネルギー価格高騰の逆風が続く中での改善は評価できる。営業CFは9,377百万円(前期5,897百万円)と大幅改善し、EBITDAも8,024百万円(前期6,952百万円)に拡大。
自己資本比率は72.2%(前期66.7%)に上昇し財務健全性も向上した。
成長戦略
DTP2027最終年度に向け5本柱を推進、2027年5月期売上高54,000百万円を目標
スマートスペンディングによるコスト管理徹底と棚卸資産評価減の改善を推進。2026年5月期に売上原価を前期比1,252百万円削減し、営業利益率を5.2%から7.2%へ改善。減価償却方法の見直しも実施し、設備使用実態に即した費用認識に変更。
日中連携による生産基盤を活用し、日本品質・コスト競争力を両立した製品供給体制を強化。DTP2027の重点施策として位置付けており、2027年5月期の売上高6.6%増達成に向けた主要ドライバーの一つ。
既存の医薬品事業(原薬・製剤)に加え、新規事業領域への参入を模索。健康食品他セグメントは2026年5月期184百万円(前期比3.0%増)と小規模ながら成長継続。DTP2027最終年度に向けた具体的な新規事業の立ち上げが課題。
自己株式取得(2026年5月期1,631百万円支出)・消却(1,242,000株・1,626百万円)を実施し、1株当たり純資産を1,840.13円(前期1,734.26円)に向上。配当は年間40円(配当性向37.2%)とし、2027年5月期は45円に増配予定。
人財確保の競争激化に対応するため人的資本への投資を継続。賞与引当金が前期56百万円から678百万円へ大幅増加しており、処遇改善への取り組みが財務数値にも反映されている。
最終更新: 2026年7月17日

