事業内容
株式会社キャンバスは2000年1月設立の創薬ベンチャーで、独自の細胞表現型スクリーニング技術(創薬エンジン)を基盤に抗がん剤候補化合物の探索から臨床開発までを自社で手掛ける「創薬企業」です。主力パイプラインはCBP501(免疫着火剤、膵臓がん対象の臨床第2相試験を成功裏に終了し次相準備中)、CBS9106(Stemline社からの権利返還済)、前臨床移行を決定したCBT005、探索段階のCBP-A08・IDO/TDO阻害剤等で構成されます。
東京証券取引所グロース市場に上場しており、現時点では製品売上は計上されておらず、先行投資段階にあります。
ビジネスモデル
当社は製品販売収益を持たない先行投資段階にあり、収益源は将来の製薬企業との戦略提携による契約一時金・マイルストーン・受取研究開発費、および最終的な新薬上市後の製品売上を想定しています。開発資金は主に新株予約権行使による株式発行(2025期財務CF:1,748,929千円)で賄い、CROや外部研究機関との連携により固定費を抑制しながら研究開発を推進するファブレス型創薬モデルを採用しています。
企業の強み
設立以来構築した独自の細胞表現型スクリーニング法により、CBP501・CBS9106・CBT005・CBP-A08等の候補化合物を全て自社で創出。外部からの化合物導入に依存しない創薬企業として、技術と知的財産権(米国・欧州・日本の物質特許・用途特許)を自社保有しています。
CBP501はシスプラチン・ニボルマブとの3剤併用による膵臓がん対象の臨床第2相試験を成功裏に終了。2024年2月には米国FDAから臨床第2b相試験開始承認を取得しており、欧州での臨床第3相試験開始承認取得も含め次相臨床試験の準備が進行中です。
全米がん学会会長・米国がん治療学会会長を歴任し200種類以上の抗がん剤臨床試験に関与したダニエル・D・ヴァンホフ教授をチェアマンとするSABを2002年3月発足以来年2回定期開催。抗がん剤専門の大手グローバルCROとの緊密な提携により、11名の少人数体制を補完しています。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年6月期第3四半期累計(2025年7月〜2026年3月)の事業収益はゼロ。研究開発費686百万円(前年同期比+104百万円)、販売費及び一般管理費230百万円(同+12百万円)の合計916百万円が事業費用となり、営業損失916百万円(同+117百万円)、経常損失873百万円(同+42百万円)、四半期純損失874百万円(同+42百万円)を計上した。
営業外では受取利息4百万円・為替差益38百万円を計上し損失を一部圧縮。過去5期の営業損失推移(2021期548百万円→2022期846百万円→2023期966百万円→2024期1,262百万円→2025期1,110百万円)と比較すると、第3四半期時点で既に2025期通期の82.5%に達しており、通期では損失が再拡大する見通しである。
総資産は2,206百万円(前年度末比844百万円減)、現金及び預金は1,765百万円(同1,062百万円減)と資産の目減りが続いている。
成長戦略
CBP501欧州第3相試験推進・提携獲得・後続パイプライン拡充の三本柱
膵臓がんを対象とした欧州での臨床第3相試験開始に向け、規制当局への申請と準備活動を進めている。前渡金229百万円の増加が示すとおり準備は具体的に進捗しており、承認取得後の試験開始が次の主要マイルストーンとなる。
CBP501・CBT005・CBP-A08等について製薬企業等とのアライアンス獲得活動を実施中。提携成立時には契約一時金・マイルストーン収入の獲得および研究開発費の相手方負担が期待されるが、現時点でいずれの化合物についても提携関係は未締結である。
免疫スイッチ作動薬CBT005について前臨床試験(臨床試験開始申請に必要な非臨床試験パッケージ)への移行を決定し、大量合成の準備を進めている。CBP501とは異なる作用経路を持つ後続パイプラインとして、将来的な提携交渉における価値向上に寄与することが期待される。
2025年6月にStemline Therapeutics社とのライセンス契約を解消し権利を返還受領。追加基礎研究の成果や財務状況を勘案して今後の開発方針を検討する段階にあり、具体的な次のアクションは未定である。
現金残高1,765百万円を確保しているものの、欧州第3相試験の本格化に伴う費用増加が見込まれる中、新株予約権行使等による継続的な資金調達の実施可能性を維持している。継続企業前提の疑義解消に向けた財務基盤の確保が不可欠である。
最終更新: 2026年7月17日

