研究開発・アライアンスリスク
新薬候補品の研究開発には多額の費用と長期間を要し、有用性未確認による開発中止や承認審査基準変更による承認不取得のリスクがある。アストラゼネカ社・米国メルク社との戦略的提携において、研究開発・承認申請・上市の遅延や期待した有効性・安全性が得られない場合、経営成績・財政状態等に悪影響を及ぼす可能性がある。対応として各種共同委員会を設置し、ビジョン策定・損益管理・マイルストーン管理・薬事リスク低減を推進している。
競争環境変化・CMO契約リスク
ADC製品等のバイオ医薬品市場において競合他社の新薬上市・次世代技術台頭による激しい競争環境にあり、薬価抑制策や治療ガイドライン更新が製品需要に大きな影響を与える可能性がある。ADC製品製造に関し複数のCMOと年別最低購入義務を含む長期製造委託契約を締結しており、需要予測の変動により最低購入義務を充足できない場合には補償金支払いが生じる可能性がある。対応として市場環境の継続的モニタリング、需要予測精度向上、CMOとの契約条件見直し協議および生産体制最適化を進めている。
医薬品品質・副作用リスク
生産・供給過程に起因する品質問題や販売後の予期せぬ副作用発現が生じる可能性があり、製品回収・販売中止・業務停止措置や訴訟・損害賠償等により経営成績・財政状態等に悪影響を及ぼす可能性がある。対応としてGMP・GDPに適合する管理体制の強化、グループ会社・ビジネスパートナーへの定期監査、国内外の安全管理情報の収集・評価・医療現場への情報提供を実施している。全従業員を対象とした安全管理情報研修を毎年実施し、患者の安全性リスク最小化に努めている。
海外事業展開・通商政策リスク
グローバル事業展開において地政学的リスク・現地法規制抵触・行政指導・労使関係リスクが存在し、米国の関税政策をはじめとした世界の通商政策の動向がサプライチェーンや製造・調達コストに影響を及ぼし収益性・競争力に悪影響を与える可能性がある。対応として海外子会社にリスク管理窓口担当者を任命し定期的な情報収集・交換を実施するとともに、業界団体を通じた政府への要望やサプライチェーン体制の柔軟な見直しを検討している。
製造・仕入れ・BCP リスク
地震・水害等の自然災害、火災、社会インフラ障害、戦争・テロ等により工場・研究所等の施設損壊や事業活動停滞が発生する可能性があり、特定取引先への原材料供給依存により品質問題発生時に医薬品・治験薬供給の遅延・停止リスクが存在する。対応としてオールハザード型BCPを整備し、生産・物流拠点の分散、主要原材料の複数購買、自家発電装置設置、主要システムの二重化等のバックアップ体制を構築している。
法規制・薬価抑制策リスク
国内外の薬事行政・薬価基準改定・医療制度施策の動向が経営成績・財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があり、特に米国における最恵国待遇薬価政策の導入やインフレ抑制法(IRA)の運用見直しがADC製品を含む米国での販売・収益性に重大な影響を与える可能性がある。対応として薬価制度改革に基づく仕切価格・割戻改定の実施、新薬創出加算品・重点品を中心とした売上拡大、業界団体を通じた政府への要望検討を行っている。
知的財産権リスク
当社グループの事業活動が第三者の特許権等に抵触するとして指摘を受けた場合の事業断念・係争リスク、および第三者による当社知的財産権侵害リスクが存在し、ADCを代表とするバイオ医薬品・新規モダリティのパイプライン増大とジェネリック市場拡大を背景に知的財産権リスクが一層増大する可能性がある。Seagen Inc.との特許係争は2026年3月に終結したが、対応として知的財産の創造・保護による価値最大化とリスク最小化、社内外関係者との連携による事業影響最小化を図っている。
金融市況・為替変動リスク
株式市況低迷による保有株式の売却損・評価損、金利動向による退職給付債務増加、および為替相場変動によるグローバル事業の経営成績・財政状態への悪影響が生じる可能性がある。対応として政策保有株式の削減、年金基金資産配分の期中見直し、為替ヘッジ取引により損失額の低減に努めるとともに、退職給付リスクのモニタリングおよび不動産市場のモニタリングを実施している。
情報セキュリティ・サイバーリスク
ITシステムの予期せぬ障害、マルウェア感染、サイバー攻撃によるシステム休止、機密情報・個人情報の漏洩が発生した場合、経営成績・財政状態・社会的信用等に悪影響を及ぼす可能性がある。対応としてCDXOがグループ全体の情報・サイバーセキュリティ対策を統括し、防御・検知・対処機能等のセキュリティシステム整備、クラウド対応、OTシステムへのセキュリティ対策導入、個人情報の適正管理モニタリングを実施している。
AI利活用・ガバナンスリスク
創薬研究・開発プロセスにおける生成AI活用が不可欠となる中、AI技術革新への対応遅延は研究開発における優位性喪失・競争力低下を招く可能性があり、EU AI規制法等の国際的なAI規制強化への対応不備により制裁金・事業制限が課されるリスクがある。AIガバナンス体制の不備により患者の健康・生命に悪影響を及ぼす事象が発生した場合、社会的信用低下や損害賠償支払等により経営成績・財政状態等に悪影響を及ぼす可能性がある。対応としてグローバルAIガバナンスポリシーの策定、リスク分類に応じたAI開発・運用グローバルガイドラインの整備を進めている。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年7月19日

