第一三共株式会社 logo

第一三共株式会社

4568東証プライム医薬品

第一三共株式会社 logo
第一三共株式会社4568

事業内容

第一三共株式会社は、当社と子会社43社・関連会社1社の計45社で構成されるグローバル創薬企業であり、医薬品の研究開発・製造・販売を主事業とする。独自のDXd ADC(抗体薬物複合体)技術を基盤に、エンハーツ(抗HER2 ADC)・ダトロウェイ(抗TROP2 ADC)を中心とするがん領域製品を世界展開する。

日本・米国・欧州・アジア・中南米に事業拠点を持ち、アストラゼネカ・米国メルクとの戦略的提携を通じてグローバル開発・販売を推進。2026年3月期の売上収益は2,123,045百万円に達し、がん領域への事業集中を加速している。

ビジネスモデル

エンハーツ・ダトロウェイについてはアストラゼネカと、HER3-DXd等3品目については米国メルクと、それぞれ日本を除く全世界での利益・費用折半型の共同開発・販売提携を締結。自社が製品を創製・製造し、パートナーの販売網を活用してグローバル展開することで、研究開発リスクを分散しつつ大規模な収益を獲得する構造。

国内では直販、海外では現地法人・提携先を通じた販売を組み合わせ、売上収益の約38%をオンコロジービジネスユニット(欧米がん製品)が占める。

企業の強み

エンハーツは2026年3月期に売上収益8,195億円(前期比25.8%増)を達成し、グローバル主力品として確固たる地位を確立。独自のリンカー・ペイロード技術(DXd)により高い抗腫瘍効果と選択性を実現し、HER2低発現・超低発現乳がん等の新適応を次々と取得。

5DXd ADCsが開発パイプラインを形成し、技術的模倣困難性が高い。

エンハーツ・ダトロウェイについてアストラゼネカと、HER3-DXd・I-DXd・R-DXdについて米国メルクと利益折半型の全世界提携を締結。パートナーの販売インフラ・資金力を活用しながら、自社は製品創製・製造に集中できる構造。提携による契約一時金・マイルストーン・実施料収入も収益基盤を補完する。

2026年3月期末の資産合計は4兆54億円、資本合計は1兆6,642億円。R&IよりAA(安定的)、Moody'sよりA2(安定的)の長期格付けを取得。

国内社債発行登録枠4,000億円・CP発行枠1,500億円を保有し、2025年に最短3年・最長10年の無担保社債2,000億円を発行。高格付けが低コストの資金調達を可能にし、大規模な研究開発・設備投資を支える。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の営業利益は229,089百万円と前期比31.0%減。コア営業利益は359,962百万円と15.1%増益を確保したものの、製造委託先への損失補償等を一過性費用(152,974百万円)として計上したことが主因。

コア営業利益と営業利益の乖離が130,873百万円に拡大しており、一過性費用の内容・再発可能性の精査が投資判断上の重要論点となる。

エンハーツ・ダトロウェイの売上拡大に伴い、アストラゼネカへのプロフィット・シェア支払いが増加し、販売費及び一般管理費は前期比18.6%増の859,603百万円に膨らんだ。売上収益の増収効果をコスト増が一部相殺する構造は2027年3月期予想でも継続見込みであり、売上総利益率の改善ペースと費用増のバランスが収益性改善の鍵を握る。

第一三共ヘルスケアのサントリーHDへの譲渡(予定価額246,500百万円)は、がん事業への資源集中という戦略的方向性と整合する。一方、2027年3月期予想では非支配株主に帰属する当期利益の発生により、親会社帰属当期利益(260,000百万円)が当期利益(263,000百万円)を下回る見込み。

支配喪失時の株式譲渡益計上タイミングと規模が業績予想の不確実性要因となる。

成長戦略

5DXd ADCsの製品価値最大化と次世代BGTs特定による2030年売上収益3兆円以上の達成

HER2低発現・超低発現乳がん、HER2陽性固形がん、胃がん2次治療等で日米欧中に複数承認を取得済み。2026年3月期だけで10件超の新規承認・申請を達成。2030年度にがん領域売上収益2兆3,000億円以上を目指し、5年間で20以上の適応症上市を計画。

2025年6月に欧州(HR+/HER2-乳がん)・米国(EGFR変異NSCLC)で承認取得・発売開始。2026年2月には米国でTNBC1次治療の承認申請・優先審査指定を取得。オンコロジービジネスユニットの売上収益は前期比31.3%増の608,800百万円に貢献。

HER3-DXdはHERTHENA-Lung02試験データを発表しNSCLC2次治療での開発継続。I-DXdは進展型小細胞肺がんでFDA画期的治療薬指定を取得しフェーズ3試験を複数開始。

R-DXdは卵巣がんでFDA画期的治療薬指定を取得しREJOICE-Ovarian01フェーズ2パートのデータを発表。

AI活用による生産性向上、グローバル共通ERPプラットフォーム導入による調達プロセス最適化、新薬事業全領域の商業化活動を一元的に担う新組織設置(2027年4月稼働予定)により、計2,000億円以上のコスト最適化を実現し収益性を向上させる。

第一三共ヘルスケア株式会社の全株式をサントリーHDへ246,500百万円(予定)で段階的に譲渡(2026年6月~2029年6月)。OTC事業から撤退しがん事業に経営資源を集中。譲渡資産・負債は2026年3月期末時点で売却目的保有資産に分類済み。

第6期中計期間において累進配当を導入し、調整後DOE10.0%以上を配当水準の指標として設定。2026年3月期年間配当78円(前期比18円増)、2027年3月期予想100円(同22円増)。

2026年3月期に自己株式3,145万株を918億円で取得し、2026年6月10日に31,457,200株を消却予定。

最終更新: 2026年7月19日