継続企業前提の重要疑義
当社グループは継続的に営業損失及びマイナスの営業キャッシュ・フローが発生しており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在している。当連結会計期間末時点の現金及び預金は2,089百万円であり、当面の事業継続性に懸念はないと判断しているものの、医薬品開発期間が基礎研究から上市まで通常10年以上を要するため、収益に先行して研究開発費が発生し続ける構造が続く。対応策として、製薬企業との提携契約締結、第三者割当新株予約権による資金調達、コスト削減等を推進している。
第三者割当新株予約権による株式希薄化
2025年12月8日に行使価額修正条項付の第38回新株予約権計796,000個(潜在株式数79,600,000株)を第三者割当により発行しており、行使期間は2027年12月8日までの2年間である。当該新株予約権が行使された場合、発行済株式総数383,643,700株に対して大幅な株式価値の希薄化が生じ、株価に影響を及ぼす可能性がある。また、株式市場の動向によっては計画どおりに資金調達ができない可能性もある。
臨床開発の遅延・失敗リスク
当社グループは提携先製薬企業と共同または独自に複数の臨床開発を実施しているが、計画通りに進捗する保証はなく、期待通りの成果が得られない可能性がある。共同開発においてはマイルストーン達成の遅延・未達により将来収益の受領が遅れる、または得られないリスクがある。独自臨床開発が失敗した場合は多額の研究開発費(当連結会計年度534百万円計上)を回収できず、業績に悪影響を及ぼす可能性がある。
製薬企業提携への収益依存
当社グループの主な収益源は製薬企業等との技術導出契約に基づく契約一時金、マイルストーン、ロイヤリティであり、その多くは提携先の研究開発進捗や医薬品発売・販売状況に依存する。収益計上には長期間を要するか、計上されない可能性もあり、契約締結時期や収益発生時期によって業績が大きく変動する傾向がある。特定販売先への依存度が高く、取引先の契約解消や経営方針の著しい変更が生じた場合、業績への影響が大きい。
競合激化による優位性低下
ゲノム研究・がんプレシジョン医療分野は急激な市場拡大が見込まれる一方、国内外のベンチャー企業を含む多くの企業が参入しており、製薬企業以外にもIT関連企業等異業種からの参入も増加している。がん関連遺伝子の単離・同定や大規模解析検査はスピード競争的要素が強く、競合他社が先行した場合、当社グループの事業優位性が低下する可能性がある。競争激化により当社グループの想定以上の資金が必要となる可能性もある。
知的財産権の侵害・紛争リスク
当社グループは2026年3月末現在494件の特許を出願しているが、全ての特許が成立する保証はなく、遺伝子関連特許については各国の法規制・審査実務上の複雑な問題が存在する。第三者との知的財産権侵害問題が発生した場合、解決に多大な時間と費用を要し、事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性がある。また、職務発明に係る対価の相当性について将来的に紛争が生じ、追加対価の支払いが必要となる可能性もある。
法的規制強化の影響
当社グループの事業活動は、国内では医薬品医療機器等法、再生医療等安全性確保法、臨床研究法等、海外ではFDA規制等の適用を受けており、法令改正や規制強化が事業戦略や経営成績に悪影響を及ぼす可能性がある。臨床検査事業については衛生検査所の許可が必要であり、法令違反による営業停止・取消や法改正対応コストの増加リスクがある。当社グループは関連法令を遵守して事業を遂行しているが、予期せぬ法令抵触の可能性を完全には排除できない。
技術革新への対応遅れ
当社グループが属するバイオ・テクノロジー分野は技術革新・進歩の速度が著しく、新たな研究手法等が確立された場合、当社グループが有するがん関連遺伝子の網羅的解析スキームの優位性が継続する保証はない。急激な研究進歩により有効と思われる研究成果への対応が困難となった場合、事業展開に重大な悪影響を及ぼす可能性がある。最先端の研究成果を速やかに導入できる体制構築を目指しているが、必要な研究成果の追求には多額の費用と時間を要する。
情報漏洩・システム障害リスク
当社グループは臨床試験情報、がん遺伝子の大規模解析検査情報、個人情報・個人遺伝情報等の機密情報をコンピュータ管理しており、通信インフラの破壊・故障やシステム障害が発生した場合、事業活動に支障をきたす可能性がある。情報漏洩が発生した場合は社会的信用の失墜、業績・財務状況への影響が生じる可能性がある。規程整備・従業員への周知徹底・システムセキュリティの高度化により対応しているが、リスクを完全に排除することはできない。
創業者・主要研究者への依存
当社は元東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター長・中村祐輔氏の研究成果を事業化する目的で設立された研究開発型企業であり、同氏の成果が研究開発活動の基盤となっている。何らかの理由により同氏の協力が得られなくなった場合、研究開発活動に影響を与える可能性がある。また、大学・研究機関の複数の研究者が顧問等として兼業しており、利益相反行為が発生した場合にはグループの利益を損ね、社会的指弾を受ける等の不利益が生じる可能性がある。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年7月19日

