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株式会社カイノス

4556東証スタンダード医薬品

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株式会社カイノス4556

事業内容

株式会社カイノスは1975年創業、東京証券取引所スタンダード市場上場の体外診断用医薬品(臨床検査薬)及び医療機器の製造販売会社。生化学検査試薬・免疫血清検査試薬を中核製品とし、開発・生産(茨城県笠間工場)・販売を一貫して担う。

主要顧客は病院・検査センター等の医療機関で、東邦薬品・アルフレッサ等の医薬品卸を通じた販売が中心。旭化成ファーマ・シスメックス・日本化薬等との技術・販売提携を活用し、輸血検査・腫瘍マーカー・敗血症診断等の高付加価値領域への展開を進める。

子会社・関連会社を持たない単一事業の独立系専業メーカーである。

ビジネスモデル

自社工場(笠間工場)で生化学・免疫血清検査試薬を製造し、東邦薬品・アルフレッサ等の医薬品卸(上位2社で売上高の約24%)を通じて医療機関へ販売する。製品売上が売上高の約86%を占め、残り約14%は提携先からの商品仕入・再販。

検査試薬は医療現場で継続的に消費される消耗品であり、一度採用されると安定した反復需要が生まれる構造。シスメックス等との技術提携により自社プラットフォーム外の測定装置向け試薬も開発・供給する。

企業の強み

2021期から2025期にかけて営業利益率は14.8%→16.2%→16.7%→17.1%→15.5%と推移し、直近2025期でも15.5%を維持。国内臨床検査薬市場が成熟・飽和傾向にある中でも、自社製造比率の高さと継続的な原価低減活動により高収益体質を堅持している。

2025年3月期の免疫血清検査試薬売上高は2,753百万円(前期比11.8%増)で、売上構成比は48.7%から51.9%へ拡大。輸血検査試薬・腫瘍マーカー試薬が順調に推移し、新製品「Grifols sCD38」の上市も加わり、成長ドライバーとして機能している。

シスメックス・日本化薬・旭化成ファーマ・Grifols・積水メディカル・デンカ等10社超との技術・販売提携契約を締結。自社開発力を補完しながら幅広い検査領域をカバーし、シスメックスとは2027年3月まで化学発光酵素免疫装置専用試薬の委託開発契約を継続中。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の当期純利益は449百万円(前期比29.9%減)と大幅減益となったが、主因は特別損失に計上された公開買付関連費用154百万円(税引前ベース)。営業利益ベースでは747百万円(前期比9.2%減)にとどまり、経常利益は業務受託料42百万円・受取保険金25百万円等の営業外収益により788百万円(前期比4.8%減)を確保。

一過性費用を除けば事業の実態収益力は相応に維持されていると判断される。

2026年3月期の売上総利益は2,592百万円(前期2,674百万円)と減少し、売上総利益率は47.3%(前期50.4%)に低下。当期製品製造原価が2,426百万円(前期2,109百万円)と大幅増加したことが主因。

外部環境として円安進行による輸入原材料・運送コストの増加が影響した可能性がある。販管費は1,845百万円と前期比ほぼ横ばいに抑制されたが、原価率上昇を吸収しきれず営業利益率は13.6%(前期15.5%)に低下した。

Flowers株式会社(デンカ株式会社グループ)による公開買付けの結果、同社は当社株式の72.46%を取得。2026年6月11日に上場廃止予定(株式売買最終日:6月10日)。

2027年3月期の業績予想・配当予想はいずれも非開示。2026年3月期の年間配当は0円(前期35円)。

上場廃止後は公開情報が限定されるため、残存少数株主にとって情報入手手段が大幅に制約される点に留意が必要。

成長戦略

免疫・敗血症診断領域の拡大とデンカグループ傘下での事業基盤強化

敗血症診断に不可欠な体外診断用医薬品として、学術活動・販売活動を継続強化。免疫検査分野全体が2026年3月期に前期比8.5%増を達成しており、PCT試薬の貢献が見込まれる。

基幹分野である輸血検査試薬・機器および腫瘍マーカー試薬の拡販活動を継続。2026年3月期の免疫検査分野は前期比8.5%増の約2,987百万円を達成し、成長軌道を維持している。

2026年6月15日を効力発生日とする株式併合により、デンカ株式会社グループの完全子会社となる予定。グループシナジーを活用した研究開発・販売網の強化が期待されるが、具体的な施策は現時点で非開示。

最終更新: 2026年7月17日