事業内容
富士製薬工業は1954年創業、東京証券取引所プライム市場上場の医薬品専業企業。産婦人科領域のホルモン剤や造影剤等の注射剤を軸に、全国5拠点で事業を展開する。
現在は女性医療・バイオシミラー・グローバルCMOの3領域を中期成長の柱と位置付け、連結子会社OLIC(Thailand)Limitedを通じたタイ・日本の二拠点生産体制を有する。2025年9月期の売上高は51,677百万円で、女性医療が43.3%(22,372百万円)、CMOが16.1%(8,342百万円)、バイオシミラーが3.8%(1,973百万円)、その他が36.7%(18,989百万円)を占める。
主要顧客は医療用医薬品卸(メディセオ30.2%、アルフレッサ15.2%、スズケン9.9%)。
ビジネスモデル
自社開発・導入新薬(女性医療領域)の高付加価値販売、Alvotech社との独占パートナーシップによるバイオシミラーの製造販売、タイ子会社OLICを活用したグローバルCMO受託の3軸で収益を構築。新薬は専任MR90名による情報提供活動で市場浸透を図り、CMOは受注高14,242百万円(前年同期比110.4%増)・受注残高2,540百万円(同149.7%増)と拡大基調にある。
内部資金と金融機関借入を組み合わせた財務政策で設備投資・研究開発を継続的に賄う。
企業の強み
1982年から産婦人科向け製品を展開し、創業以来50年超にわたり女性医療に特化。2024年12月発売の月経困難症治療薬アリッサ配合錠を含む女性医療領域の販売実績は22,372百万円(2025年9月期)。
国内最大規模の女性医療専任MR90名体制と、エムスリー社の情報提供プラットフォームを活用した医師へのアクセス力を有する。
2018年11月にAlvotech S.A社と複数品目のバイオシミラー日本商業化に関する独占的パートナーシップを締結し出資も実施。2025年9月期末時点で既上市3製剤に加え同月に新たに3製剤の製造販売承認を取得し計6製剤体制を確立。
さらに2剤について2025年9月に承認申請済みであり、パイプラインの継続的拡充が進んでいる。
2012年にタイ最大の医薬品製造受託企業OLIC(Thailand)Limitedを子会社化し、タイ・富山の二拠点体制を構築。多剤型対応が可能で、2025年9月期のCMO受注高は14,242百万円(前年同期比110.4%増)、受注残高は2,540百万円(同149.7%増)と拡大。
欧米大企業を含む新規受託案件の検討が進んでいる。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2021期33,990百万円から2025期51,677百万円へ5期連続増収を達成し、2026年9月期中間期は29,716百万円(前年同期比23.3%増)と加速。営業利益は中間期4,398百万円(同90.8%増)と急拡大し、営業利益率は14.8%(前年同期9.6%)へ大幅改善。
女性医療新薬の市場浸透、バイオシミラー新製品の販売開始、グローバルCMOの計画進捗が複合的に寄与。外部要因として円安傾向が原材料・エネルギーコストに上昇圧力をかける一方、薬価改定率はマイナス0.75%に留まり影響は限定的。
純利益は投資有価証券評価損3,519百万円(一過性)により中間期713百万円と前年同期比44.6%減となった。
成長戦略
長期ビジョン2035のもと女性医療・バイオシミラー・グローバルCMOで2029年売上高80,000百万円を目指す
アリッサ配合錠・エフメノカプセル100mg・ウトロゲスタン腟用カプセル200mgを中心に専任MR体制で市場浸透を加速。当中間期も順調に推移しており、女性医療領域の売上拡大が全社増収の主要ドライバーとなっている。
2025年9月に3製品の製造販売承認を新たに取得し計6製剤体制を確立。アフリベルセプトは2026年1月に販売提携先の日東メディックより販売開始済み。他2製剤も2026年中の販売開始に向けて準備中。ウステキヌマブBS皮下注45mg「F」にも注力し事業拡大を推進。
タイ子会社OLIC社を中心に計画通り進捗。国内外二拠点体制で新規受託案件の獲得を継続し、薬価改定の影響を受けにくい受託収益の拡大により全社収益の安定性向上を図る。
血液内科・消化器内科製品の売上伸長など既存領域の底上げを図りつつ、長期ビジョン2035の実現に向けた新たな成長領域の探索・投資を継続。人財の強化・組織機能の高度化・デジタルの推進の3施策が経営基盤を支える。
最終更新: 2026年7月17日

