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キッセイ薬品工業株式会社

4547東証プライム医薬品

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キッセイ薬品工業株式会社4547

事業内容

キッセイ薬品工業は1946年創業の長野県松本市を本拠とする創薬研究開発型製薬企業。医薬品事業を中核に、情報サービス(キッセイコムテック)、建設・施設メンテナンス(ハシバテクノス)、物品販売(キッセイ商事)の4セグメントを展開する。

医薬品事業では泌尿器科・腎透析科・希少疾病領域を重点領域とし、自社創製品と導入品を組み合わせた製品ポートフォリオを構築。国内販売に加え、創製品のライセンスアウトによる海外収益化も推進している。

2026年3月期の連結売上高は97,406百万円で、医薬品事業が全体の約80%を占める。東京証券取引所プライム市場上場。

ビジネスモデル

医薬品事業では、自社研究所(安曇野・上越)での低分子創薬と外部からの技術導入を組み合わせ、国内で製造・販売する。創製品はライセンスアウトにより欧州・アジア等のパートナーを通じて海外展開し、契約一時金・マイルストン・ロイヤルティを収受する。

非医薬品3セグメントは医薬品事業を補完しつつ、グループ内部需要(IT・建設)も取り込む内製型の収益構造を持つ。

企業の強み

タブネオス(顕微鏡的多発血管炎等)、コルスバ(透析そう痒症)、タバリス(慢性免疫性血小板減少症)の希少疾病用薬剤3品が2026年3月期に合計15,377百万円(前期比36.3%増)を達成。高薬価・競合少数の希少疾病領域への集中が収益の質を高めている。

リンザゴリクス(イセルティ)は英国セラメックス社、台湾シンモサバイオファーマ社、韓国JWファーマシューティカル社、カナダサーチライトファーマ社と計4件のライセンスアウト契約を締結。台湾・欧州では2026年3月に発売開始済みであり、自社創製品の国際展開実績を積み上げている。

2026年3月期末の自己資本比率は83.7%、純資産231,536百万円、現金及び現金同等物53,971百万円を保有。無借金に近い財務構造により、研究開発費22,521百万円(売上高比23.1%)の積極投資を継続しながら、自己株式取得・配当支払いも実施できる財務的余力を有する。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の営業損失は2,927百万円(前期営業利益5,773百万円から急転)。売上高は10.3%増収を確保したものの、販売費及び一般管理費が38,291百万円から48,745百万円へ27.3%増加し、売上総利益45,818百万円を上回った。

増加の主因はビリジアンセラピューティクス社との大型技術導入を含む研究開発費の膨張であり、2027年3月期は反動減で営業利益4,400百万円への黒字転換を見込む。ただし研究開発投資の継続的拡大は構造的な利益率圧迫要因として残存する。

2026年3月期の親会社株主帰属当期純利益は13,779百万円(前期比15.2%増)と増益を確保したが、特別利益として投資有価証券売却益17,044百万円を計上した結果であり、営業損失2,927百万円・経常損失1,162百万円との乖離が著しい。保有投資有価証券残高は104,271百万円と依然大きく、売却益計上の余地は残るが、本業の収益力改善なしには持続的な利益成長の評価は困難。

2027年3月期予想でも特別利益に投資有価証券売却益を見込んでいる点は留意が必要。

FDAは2026年4月27日に米国でのタブネオス承認撤回を提案、EMAも2026年1月30日に国際共同第Ⅲ相臨床試験データの整合性疑義によるCHMPレビュー開始を公表した。タブネオスは希少疾病用薬剤の主力品(2026年3月期希少疾病用薬剤15,377百万円の一部)であり、国内PMDAへの報告・疑義照会対応が続く。

外部要因として規制当局の審査動向が業績に直接影響するリスクがあり、今後の審査結果次第では医薬品事業の売上・利益計画に下振れリスクが生じる。

成長戦略

「Beyond 80」で創薬研究開発型企業として5年間の持続的成長と株主還元300億円を推進

タブネオス・コルスバ・タバリスの継続育成に加え、2026年3月に国内新発売したイセルティ(リンザゴリクス、子宮筋腫適応)の売上拡大を図る。2027年3月期は医薬品事業での増収を計画。ただしタブネオスのFDA・EMA審査問題が計画達成の不確実性要因。

ライジェルファーマシューティカルズ社から技術導入した急性骨髄性白血病治療薬オルタシデニブは国内承認申請準備中。2026年5月にオリエントユーロファーマ社(台湾)へのサブライセンス契約を締結し、契約一時金・マイルストン収入の獲得が見込まれる。

Matsupexole(KDT-3594、パーキンソン病)は2026年3月に後期第Ⅱ相臨床試験で主要評価項目を達成。KSP-0914(バセドウ病)、KSP-0576(過活動膀胱/間質性膀胱炎)、KSP-0930(ナルコレプシー)の国内第Ⅰ相臨床試験を2026年3月期中に開始し、3品目を臨床段階に進めた。

配当性向40%以上・累進配当方針のもと、2026年3月期年間配当160円(創立80周年記念配当40円含む)、2027年3月期予想170円(記念配当40円含む)を計画。自己株式取得は毎年60億円目安で5年間300億円を計画し、2026年5月に上限1,300,000株・60億円の取得を決議。

2025年4月に米国マサチューセッツ州ボストンエリアに「Boston Open Innovation Office」を開設。ライフサイエンス集積地での情報収集・パートナリング活動を強化し、ビリジアンセラピューティクス社との甲状腺眼症治療薬2品目契約(2025年7月)のような大型技術導入の継続を目指す。

最終更新: 2026年7月19日