事業内容
テルモ株式会社は1921年創業の医療機器メーカーで、連結子会社101社を含むグループで事業を展開する。心臓血管カンパニー(血管内治療・神経血管・心臓外科)、メディカルケアソリューションズカンパニー(院内・在宅・製薬向けソリューション)、血液・細胞テクノロジーカンパニー(血液・細胞処理)、オーガンテクノロジーズ事業(臓器保存デバイス)の4セグメントで構成される。
売上収益の約80%を海外が占め、米州・欧州・アジアを中心にグローバルな医療需要を取り込む。主要顧客は病院・血液センター・製薬会社等の医療機関・医療関連企業であり、高齢化・慢性疾患増加・低侵襲治療普及という構造的な医療需要拡大を事業基盤とする。
ビジネスモデル
主力収益源は心臓血管・血液・細胞領域の高付加価値医療機器の製造販売であり、コスタリカ・日本・ベトナムの三極生産体制でグローバル供給を行う。これに加え、製薬会社向けCDMO事業(甲府工場・ドイツレバークーゼン工場)や、デジタルエコシステム・ソフトウェアを組み合わせたソリューション提供で収益多様化を図る。
研究開発費は売上収益比6.8%(769億円)を継続投入し、新製品パイプラインと技術優位性を維持する構造となっている。
企業の強み
心臓血管カンパニーの売上収益は676,421百万円、調整後営業利益率24.2%と高収益を維持。インターベンショナルシステムズ(443,505百万円)、ニューロ(106,902百万円)、カーディオバスキュラー、アオルティックと幅広いサブセグメントを保有し、単一領域依存リスクを分散しながら全サブセグメントで増収を達成している。
グローバル最適地生産を推進し、コスタリカ・日本・ベトナムの三極体制を構築。当期の生産実績は全セグメント合計1,163,848百万円(前期比13.7%増)に達し、需要拡大に対応した増産体制を実現。設備投資971億円を実施し、愛鷹工場・甲府工場・テルモBCT等で生産能力を継続的に増強している。
2006年マイクロベンション買収(神経血管)、2011年カリディアンBCT買収(血液・細胞)、2017年ボルトンメディカル買収(大動脈)等、戦略的M&Aを継続実施。直近では2025年9月にドイツレバークーゼン工場(150百万ユーロ)、2025年10月にオーガノックス(約15億米ドル)を取得し、CDMO・臓器保存という新領域へ事業を拡張した。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上収益は2022年3月期703,303百万円から2026年3月期1,131,877百万円へ5期で60.9%拡大。2026年3月期は前期比9.2%増(為替影響除く8.6%増)。
営業利益は176,320百万円(前期比11.8%増)、親会社帰属当期利益は135,914百万円(同16.2%増)と全利益段階で増益。外部要因として市場環境における医療需要の継続的拡大と円安が追い風。
2027年3月期は売上収益1,239,000百万円(同9.5%増)、営業利益224,500百万円(同27.3%増)、親会社帰属当期利益165,300百万円(同21.6%増)を予想。米国関税政策・地政学リスクを一定程度織り込んだ上での増収増益見通し。
成長戦略
GS26最終年度に向け「デバイスからソリューションへ」を推進、M&Aと設備投資で成長加速
アクセス製品を中心とした心臓血管カンパニーの主力事業。2026年3月期に海外前期比8.6%増を達成。コスタリカ・日本・ベトナム三極体制による増産と生産性向上を継続推進し、高成長市場での販売拡大を図る。
北米における原料血漿採取システムを軸としたグローバルブラッドソリューションが2026年3月期に海外前期比15.5%増の高成長を実現。生産能力拡充投資(当期21,700百万円)を継続し、成長地域への展開を加速する。
2025年9月30日にWuXi Biologics社のドイツレバークーゼン薬剤製品工場を取得対価27,104百万円で取得。海外初のCDMO生産拠点として活用し、プレフィルドシリンジ等コンビネーションプロダクトのグローバル受託製造能力を強化する。
2025年10月29日にOrganOx Limited(臓器保存デバイス)を取得対価230,632百万円で完全子会社化。常温機械灌流(NMP)技術を活用した臓器保存デバイスを新セグメント「オーガンテクノロジーズ事業」として展開。2026年3月期売上収益7,985百万円(北米中心)を計上。
2026年4月28日払込の500百万米ドル建5年債(利率年4.488%、金利通貨スワップ後年2.371%)を発行。OrganOx社買収のために借り入れた短期資金を長期資金へリファイナンスし、財務安定性を確保する。
最終更新: 2026年7月19日

