事業内容
日本ケミファ株式会社は、連結子会社4社・関連会社1社で構成される医薬品グループ。医療用医薬品の製造・販売を主軸とする医薬品事業(売上高31,868百万円)と、安全性試験受託・ヘルスケア・不動産賃貸を担う「その他」事業(売上高1,222百万円)の2セグメントで構成される。
医薬品事業はジェネリック医薬品、アレルギースクリーニング機器・試薬「ドロップスクリーン」を中心とした臨床検査薬、およびアルカリ化療法を軸とした新薬開発の3事業ドメインを有し、ベトナム・中国を含む海外展開も進める。主要顧客は医療機関・調剤薬局であり、卸売業者(メディセオ・アルフレッサ)を通じた流通が中心。
ビジネスモデル
ジェネリック医薬品は自社グループ(日本薬品工業つくば工場・ベトナム工場)での製造と国内MR・卸経由の販売で収益を得る。臨床検査薬「ドロップスクリーン」は機器設置と試薬の継続販売による反復収益モデル。
新薬はAMED支援・住友ファーマとの共同開発やDelta-Fly Pharmaからのライセンス導入で開発コストを分散しつつ、承認後の販売権収益を目指す。海外はベトナム工場を製造拠点として活用し、現地パートナーと協力して販路を拡大する。
企業の強み
わずか1滴の血液で41項目のアレルゲンを30分で測定できるアレルギースクリーニング機器・試薬「ドロップスクリーン」は、2026年3月期末時点で国内累計設置台数1,800台を超えた。当期の臨床検査薬売上高は5,436百万円(前年同期比11.3%増)と堅調に拡大しており、院内検査の内製化ニーズを捉えた製品力が継続的な普及を支えている。
日本薬品工業つくば工場(2024年8月に3号棟2階新設備の実装工事完了、2026年5月より出荷開始)とベトナム工場(Nippon Chemiphar Vietnam Co., Ltd.)を擁し、開発・製造・販売を自社グループで一貫して手掛ける体制を構築。ベトナム工場では他社製品の受託製造も開始しており、グループ横断の品質保証統括部が日本と同水準の品質管理を担保している。
δオピオイド受容体作動薬「NC-2800」は2026年1月より国内27施設でフェーズⅡa臨床試験の症例登録を開始。抗がん剤候補「DFP-14323」は国内約30施設でフェーズⅢ試験が進行中。
「DFP-17729」は膵臓がんを対象としたフェーズⅡ/Ⅲ試験で2026年5月にフェーズⅡ部分の症例登録が完了。研究開発費は2,134百万円を投じている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2024年3月期の30,748百万円を底に2期連続増収となり、2026年3月期は33,090百万円と5年間で最高水準を更新した。しかし営業利益は2025年3月期の606百万円から179百万円へと急減し、営業利益率は0.5%まで低下。
外部要因として中間年を含む毎年の薬価改定が収益を継続的に圧迫するなか、売上原価の増加(棚卸資産積み上がりを含む)と販管費の高止まりが重なった。臨床検査薬「ドロップスクリーン」(前期比11.3%増)はプラス要因だが、主力品・新薬の薬価改定影響(前期比25.7%減)が大きく、ジェネリック医薬品の数量増(前期比1.8%増)では補いきれなかった。
2027年3月期は売上高35,000百万円・営業利益250百万円を予想するが、経常利益は100百万円と更なる悪化を見込む。
成長戦略
ジェネリック・臨床検査薬・新薬の3ドメイン強化と海外展開による持続的成長
日本薬品工業㈱つくば工場3号棟2階の新設備が2026年5月より順次出荷開始。複数のジェネリック医薬品企業が参画するコンソーシアム構想への参画など企業間連携を強化し、AGの薬価位置付け変更に伴う需要増加にも対応できる供給体制を構築する。
2026年3月期末時点で国内累計設置台数が1,800台を超え、臨床検査薬売上高は5,436百万円(前期比11.3%増)と堅調。引き続き販売体制を拡充するとともに、製品改良・製造コスト低減を推進。海外展開に向けた製品開発・各国法規制対応・パートナー選定も進行中。
δオピオイド受容体作動薬「NC-2800」は2026年1月より国内27施設でフェーズⅡa臨床試験の症例登録を開始。住友ファーマ㈱との共同研究開発・オプション契約のもとAMED「CiCLE事業」の支援を受けて開発を推進。うつ病患者を対象とした二重盲検比較試験で有効性・安全性を検討する。
ベトナムでは「レバミピド錠100mg」「フェブキソスタット錠80mg」の販売が拡大し、2026年3月に「アロプリノール錠100mg」の承認を取得。中国では「エピナスチン塩酸塩錠20mg」等を輸出。
中東・アフリカ向けにはIFCとのアドバイザリー契約のもと進出対象国・パートナーの絞り込みと品目交渉を進行中。2026年3月末時点で4ヵ国8品目を販売。
Delta-Fly Pharma社とのライセンス契約に基づく「DFP-17729」は2025年3月開始の膵臓がん患者対象フェーズⅡ/Ⅲ試験で国内16施設での症例登録が進行中。2026年7月頃にフェーズⅡ部分の症例登録完了を見込む。慢性腎臓病領域では名古屋大学での医師主導臨床研究も進行中。
最終更新: 2026年7月19日

