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持田製薬株式会社

4534東証プライム医薬品

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持田製薬株式会社4534

事業内容

持田製薬は1913年創業の東証プライム上場の医薬品メーカーで、医薬品関連事業(売上高の約93%)とヘルスケア事業(約7%)を展開する。医薬品関連事業では循環器、消化器、産婦人科、精神科を重点領域とし、トレプロスト(肺高血圧症)、ユリス(痛風・高尿酸血症)、リアルダ(潰瘍性大腸炎)、グーフィス(慢性便秘症)等の新薬を主力とする。

ヘルスケア事業では抗真菌シャンプー「コラージュフルフル」と基礎化粧品「コラージュリペア」の2大ブランドを展開。連結子会社6社・持分法適用関連会社1社で構成され、製造は子会社持田製薬工場㈱に委託する垂直統合型グループ体制をとる。

ビジネスモデル

国内外製薬企業からの技術導入を軸に新薬・バイオシミラーを開発・販売し、薬価改定リスクを分散する。製造は子会社に委託し、販売は医療機関向けMR活動と卸経由の流通網で展開。

主要卸4社(メディセオ24.1%、アルフレッサ15.5%、スズケン14.8%、東邦薬品8.8%)への依存度が高い。ヘルスケア事業は皮膚科・産婦人科医師の支持を基盤に消費者向け販売を行い、安定的な収益源を形成する。

企業の強み

2026年3月期において、トレプロスト(前期比+47%)、ユリス(+36%)、リアルダ(+11%)、グーフィス(+8%)と複数の主力新薬が同時に伸長し、特定品目への依存を抑制しながら医薬品関連事業売上高109,042百万円(前期比+11.3%)を達成した。薬価改定の影響を新薬の数量増で吸収できる製品構成が確立されている。

バイエル社(ジエノゲスト)、ユナイテッド・セラピューティクス社(トレプロスト)、武田ファーマシューティカルズ(リアルダ)、日本イーライリリー(オンボー)等、国内外の有力製薬企業との技術導入契約を複数保有。2025年度にはDuchesnay社(つわり治療剤)、LG Chem社(ディナゲスト韓国・タイ展開)等の新規契約も締結し、アライアンス基盤を継続拡充している。

2026年3月期末の純資産合計は140,326百万円、自己資本比率は76.8%と高水準を維持。設備投資1,812百万円は全額自己資金で賄い、25-27中期経営計画期間の研究開発費360億円・設備投資50〜100億円の計画を内部留保と借入の組み合わせで対応できる財務体力を有する。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期は営業利益10,147百万円(前期比+24.9%)、経常利益11,195百万円(前期比+38.8%)と大幅増益を達成し、2022期ピーク(営業利益14,392百万円)への回復軌道が鮮明になった。ただし毎年度薬価改定・長期収載品の選定療養制度という構造的な下押し圧力は継続しており、新薬の成長がこれを上回り続けられるかが利益水準の持続性を左右する。

2027年3月期予想の営業利益10,500百万円(前期比+3.5%)は増収率(+7.7%)に比べ利益成長が鈍化しており、研究開発費増加(12,157百万円→14,500百万円予想)が利益拡大の制約となる点に留意が必要。

2026年3月期の営業活動によるキャッシュ・フローは△7,350百万円と前期の+9,354百万円から大幅に悪化した。主因は仮払金の増加10,982百万円であり、税金等調整前当期純利益11,171百万円を上回る規模の資金流出が発生している。

仮払金の内容・回収時期・性質が開示されていないため、一時的な取引前払いなのか、継続的な資金拠出なのかの判断が困難。次期以降の営業CF回復の確認が投資判断上の重要チェックポイントとなる。

MD-712(肺高血圧症・吸入粉末剤)の承認申請(2026年4月)、トシリズマブBS「MA」の承認取得(2026年3月)、HLC-001(細胞医薬品)の治験届提出(2026年1月)等、パイプライン進捗は着実。バイオマテリアル事業では軟骨修復材モチジェルが2025年12月に発売開始。

一方、研究開発費は2027年3月期に14,500百万円(売上高比11.5%)へ大幅増加が予想されており、投資先行フェーズが続く。これらの投資が中期的な収益に結実するタイムラインの見極めが、バリュエーション判断の核心となる。

成長戦略

25-27中計「成長戦略加速の3年間」でコア収益強化と次世代事業投資を両輪推進。

グーフィス・ユリス・トレプロスト・オンボー・コレチメント等の新薬が業績をけん引。2027年3月期もこれら新薬の継続成長を見込む。フラッグシップ医薬品「エパデール」「ジエノゲスト」の市場浸透深化も並行推進。

トシリズマブBS「MA」(関節リウマチ等)が2026年3月に承認取得。「イコサペント酸エチル『モチダ』」が2025年12月に発売開始。後発品全体の売上高は前期比+12%(351億円相当)と拡大中。2027年3月期は+22%(427億円相当)を見込む。

ユナイテッド・セラピューティクス社から導入したトレプロスチニル吸入粉末剤。2026年4月に製造販売承認申請を実施。承認取得後は既存の「トレプロスト」と合わせた肺高血圧症領域での製品ラインアップ強化が期待される。

軟骨修復材「モチジェル」が2025年7月に承認取得・同年12月に発売開始。海綿体神経損傷治療材「dMD-002」は国内検証的治験段階、米国では2026年2月にFDAへ探索的治験申請・受理済み。癒着防止材「dMD-003」も検証的治験段階。次世代の柱として育成中。

ユリス製造販売承認承継(富士薬品との契約、2026年3月)、ディナゲスト韓国・タイ展開(LG Chem契約)、Bonjesta日本開発・販売契約(Duchesnay社)、ホリトロピンアルファBSの日本開発・販売契約(Qilu Pharmaceutical)等、複数のアライアンスを締結。アンドファーマ㈱の持分法適用関連会社化により持分法投資利益793百万円を計上。

siRNA医薬の創薬研究に集中投資。細胞医薬HLC-001(造血幹細胞移植後の非感染性肺合併症)は臨床第Ⅲ相試験の治験届を2026年1月に提出。研究開発費は2027年3月期に14,500百万円(売上高比11.5%)へ増加予定。将来の競争力強化に向けた先行投資フェーズ。

最終更新: 2026年7月19日