事業内容
ロート製薬は1899年創業の日本を代表するヘルス&ビューティケア企業。目薬・洗眼薬等のアイケア、外皮用薬・機能性化粧品等のスキンケア、胃腸薬・サプリメント等の内服・食品、CDMO・医療用眼科薬・再生医療等のメディカルの4領域を展開する。
国内に加え、メンソレータム社を中核とした米州・欧州、東南アジア・中国を中心とするアジアに至るグローバルネットワークを構築し、2026年3月期時点で120か国以上をカバー。当社・子会社115社・関連会社18社で構成されるグループ全体の売上高は343,725百万円に達する。
ビジネスモデル
主力製品を自社工場で製造し、国内外の卸・小売チャネルを通じて消費者に販売するメーカー直販型モデルが基本。国内では㈱大木等の卸経由で販売高の15.6%を占める。
海外では現地子会社が製造・販売を担い、各地域の市場特性に応じた商品開発・マーケティングを実施。M&Aによる事業領域拡大(ユーヤンサン・インターナショナル社、モノ社等)も収益多様化に寄与している。
企業の強み
創業以来のアイケア技術を基盤に、「Vロートプレミアム」「アルガード」等の高付加価値OTC目薬を展開。スキンケアでは「肌ラボ」「メラノCC」「オバジ」等の複数ブランドが国内外で定着し、アジア・欧州でも販売を拡大。2026年3月期のスキンケア事業は売上の6割弱を占める規模に成長している。
ベトナム・インドネシア・中国・シンガポール等に製造・販売子会社を持ち、アジアセグメント売上高は125,327百万円(前期比24.9%増)と最大の海外収益源に成長。各地域の市場特性に応じた商品開発・マーケティングを現地子会社が主導する分権型経営モデルを採用し、競合が模倣困難な現地密着型の事業基盤を構築している。
1988年メンソレータム社買収を皮切りに、2020年ロートニッテン㈱、2021年天藤製薬㈱、2024年ユーヤンサン・インターナショナル社・モノ社と継続的にM&Aを実行。各買収先が増収に寄与しており、内服・食品事業の第三の柱育成や欧州・アジア市場の拡大に直結している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期199,646百万円から2026年3月期343,725百万円へ5期連続増収。2025年3月期に営業利益が一時減益(38,234百万円)となったが、2026年3月期は41,118百万円(前期比7.5%増)と過去最高水準に回帰した。
増収の主因はアジアセグメント(前期比24,990百万円増)とヨーロッパセグメント(同4,725百万円増)の大幅拡大で、ユーヤンサン・インターナショナル社・モノ社の連結効果が寄与。外部要因として円安・インバウンド需要増が国内増収を下支えした一方、原価率上昇・英国コスト増が利益率改善を抑制。
営業CF47,788百万円と前期比大幅改善し、財務体質も強化された。
成長戦略
中長期成長戦略2025〜2035のもとOTC・スキンケア強化、アジア拡大、メディカル事業化を推進
東南アジア(ベトナム・インドネシア等)の高成長市場での「肌ラボ」「アクネス」「セルサン」等主力ブランド拡販と、ユーヤンサン・インターナショナル社(シンガポール)の漢方薬・内服関連事業の統合深化により、アジアセグメントの収益基盤をさらに拡充する。2026年3月期にアジア売上高125,327百万円・セグメント利益15,048百万円を達成。
ポーランド・ダクス社の「Hadalabo Tokyo」「YOSKINE」の販売国拡大と、2024年8月連結化のモノ社(オーストリア)の業績貢献継続により欧州売上を拡大。英国での容器供給問題に起因する原価率上昇への対応(代替業者確保・コスト管理)を通じてヨーロッパセグメントの利益率回復を図る。
2026年3月期はセグメント利益が28.8%減と課題が残る。
2025年5月公表の「ロートグループ 中長期成長戦略2025〜2035」に基づき、CDMO事業・医療用眼科薬を新たな成長領域として育成。製品・サービス別区分に「メディカル」を新設し、2026年3月期のメディカル売上高は38,078百万円(前期34,191百万円から11.4%増)。
研究開発費13,727百万円を継続投入し、パイプラインの拡充を図る。
2026年3月期の年間配当金を46円(前期36円)に増配し、配当性向30.4%・純資産配当率3.7%に引き上げ。2027年3月期予想配当金は50円とさらなる増配を計画。自己資本比率62.1%・1株当たり純資産1,334円04銭と財務基盤を強化しつつ、株主還元を拡充する方針を示している。
最終更新: 2026年7月19日

