事業内容
わかもと製薬は1929年創業、東証スタンダード市場上場の健康関連企業。事業は「医薬事業」「ヘルスケア事業」「グローバル事業」「不動産賃貸業」の4セグメントで構成される。
医薬事業では眼科領域のスペシャリティファーマとして先発・後発医薬品・医療機器・健康食品のフルラインアップを展開。ヘルスケア事業では「強力わかもと」を主力にオーラルケア・フェムケア商品を販売。
グローバル事業ではアジア・欧米向け輸出・越境EC・乳酸菌事業を担う。主要顧客は眼科医療機関・調剤薬局・一般消費者・海外流通業者と多岐にわたる。
ビジネスモデル
自社工場(相模大井工場)での製造を基盤に、医療用医薬品は卸(メディセオ・スズケン等)経由で医療機関へ供給し、OTC製品はドラッグストア・ネットショップ等で販売する。グローバル事業では越境EC・現地代理店を活用し海外展開。
研究開発費は売上高比4.8%(478百万円)を投じ、眼科領域・乳酸菌応用の製品パイプラインを継続拡充する。コレド室町関連の不動産賃貸収入が安定的なベース収益を提供する。
企業の強み
先発医薬品(マキュエイド眼注用)・後発医薬品(カルテオロール塩酸塩LA点眼液等)・医療機器(多焦点眼内レンズ「アクリバトリノバ Pro」「同トーリック」)・体外診断用医薬品・健康食品を一社で提供できる眼科特化のフルラインアップ体制を構築。競合が短期間で模倣困難な製品ポートフォリオを有する。
1962年発売の「強力わかもと」は国内OTC市場で認知度の高い長寿ブランド。台湾・中国越境EC・東南アジアへの展開実績を持ち、2026年3月期のグローバル事業売上高は2,410百万円(前年同期比34.8%増)を達成。ブランド資産を活用した海外展開が収益多様化に寄与している。
相模大井工場に点眼剤製造ライン・乳酸菌培養設備を自社保有し、GMP準拠の品質管理体制を維持。乳酸菌・麹菌の培養・製剤技術は1961年の設備完成以来60年超の蓄積があり、医薬品・ヘルスケア・グローバル事業の複数セグメントに横断的に活用される独自の技術基盤となっている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高の推移は2022期8,383百万円→2023期8,660百万円→2024期7,738百万円→2025期7,789百万円→2026期9,906百万円。2024・2025期の落込みからV字回復し、2026期は過去5期で最高水準。
営業利益は2022期△13百万円→2023期141百万円→2024期△196百万円→2025期△458百万円→2026期255百万円と、2期連続赤字から黒字転換。回復の主因はマキュエイド眼注用の供給再開(外部要因:供給制約解消)と商品売上高の急増(眼内レンズ等の新製品投入)。
売上総利益率は46.7%(前期46.5%)と微改善。販管費は4,475百万円(前期比9.7%増)と増加が続いており、収益レバレッジは限定的。
成長戦略
眼科フルライン拡充・Wakamotoブランドのグローバル展開・乳酸菌事業拡大でROE8%を目指す
2025年4月に供給を再開した「マキュエイド眼注用」の国内・海外向け販売を本格化。2026年3月期の医薬事業売上高は4,762百万円(前期比37.1%増)と大幅拡大したが、2027年3月期は新薬創出加算返還等の薬価改定影響を受ける見通し。安定供給体制の維持が継続課題。
2025年6月に多焦点眼内レンズ「アクリバトリノバ Pro」、2026年1月に乱視用モデル「アクリバトリノバ Pro トーリック」を発売。医療機器事業の新たな収益柱として育成中。眼科手術補助剤(ヒアルロン酸Na眼粘弾剤)の製造販売承継も完了し、眼科フルラインアップが拡充された。
「アバンビーズ」リニューアル・「知覚過敏ケア」新商品投入、「フェミフローラ」シリーズ拡充(葉酸プラス・大豆イソフラボン マカ&ギャバ)、「わかもと整腸薬」パッケージリニューアルを実施。2026年3月期ヘルスケア事業売上高は2,542百万円(前期比8.4%増)と着実に拡大。
中国越境ECでのSNSプロモーション奏功により、2026年3月期グローバル事業売上高は2,410百万円(前期比34.8%増)と大幅拡大。国内乳酸菌事業も問題解決型営業手法で売上増加。2027年3月期も中国越境EC拡大・乳酸菌事業拡大を成長ドライバーとして計画。
相模大井工場設備の一部増設に伴い335百万円を支出(建設仮勘定505百万円に計上)。有形固定資産取得による支出は564百万円(前期450百万円)と拡大。単一生産拠点リスクを抱えつつも、需要拡大に対応した供給能力の確保を進めている。長期借入金300百万円を新規調達して資金手当て。
最終更新: 2026年7月19日

