塩野義製薬株式会社4507
塩野義製薬株式会社(単一セグメント:医薬品事業)
感染症領域を中核とするグローバル創薬型製薬企業の単一事業セグメント
| 期間 | 今期 | 前期 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 499,677百万円 | 438,268百万円 | ↑ |
| 営業利益 | 166,725百万円 | 156,603百万円 | ↑ |
| コア営業利益 | 160,752百万円 | 158,362百万円 | ↑ |
| EBITDA | 187,720百万円 | 179,296百万円 | ↑ |
| 税引前利益 | 238,916百万円 | 200,750百万円 | ↑ |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 205,159百万円 | 170,435百万円 | ↑ |
| 基本的1株当たり当期利益 | 241.11円 | 200.36円 | ↑ |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 65.4% | 88.7% | ↓ |
| 資産合計 | 2,576,870百万円 | 1,535,349百万円 | ↑ |
| 現金及び現金同等物期末残高 | 711,397百万円 | 374,795百万円 | ↑ |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 213,572百万円 | 195,460百万円 | ↑ |
| 年間配当金(1株当たり) | 71.00円 | -(株式分割影響あり) | ↑ |
| 配当性向 | 29.4% | 30.6% | ↓ |
| 持分法で会計処理されている投資(ViiV社持分) | 710,751百万円 | 10,429百万円 | ↑ |
| 流動負債(社債及び借入金) | 660,000百万円 | 0百万円 | ↑ |
事業詳細
医療用医薬品の研究開発・仕入・製造・販売を事業内容とする単一セグメント。国内医療用医薬品(感染症薬・QOL疾患薬等)、海外子会社・輸出(セフィデロコル等)、ロイヤリティー収入(ViiV Healthcare Ltd.向けHIVフランチャイズ)の3つの収益柱で構成される。2025年9月に鳥居薬品を連結子会社化、2025年12月にJT医薬事業を吸収分割承継し、国内事業基盤を大幅に拡充した。
直近の概況
JTグループ医薬事業M&AとViiV社追加出資により事業規模が大幅拡大、4期連続過去最高業績を達成
2026年3月期は売上収益499,677百万円(前期比14.0%増)、営業利益166,725百万円(同6.5%増)と4期連続過去最高を更新。鳥居薬品の連結子会社化(2025年9月)とJT医薬事業の吸収分割承継(2025年12月)により国内事業が大幅拡大。ViiV社への追加出資(416,446百万円)により持分法適用関連会社化し、資産合計は前期比1,041,521百万円増の2,576,870百万円に拡大。短期借入金660,000百万円を調達し、親会社所有者帰属持分比率は88.7%から65.4%に低下。後発事象として2026年4月にエダラボン(Radicava)グローバル全権利の承継を完了し、SASS社の連結子会社化(持分取得100百万ドル)も実施。2027年3月期は売上収益700,000百万円(前期比40.1%増)、営業利益220,000百万円(同32.0%増)を予想。
主要プロダクト
成長ドライバー
- ViiV Healthcare Ltd.のHIVフランチャイズ成長:長時間作用型注射剤(LAI製剤)・経口2剤合剤(Dovato、Cabenuva、Apretude等)の販売拡大により、2026年3月期のロイヤリティー収入は前期比8.7%増と堅調成長。追加出資による持分法適用関連会社化で配当収入も前期比30.0%増の524億円に拡大
- セフィデロコルの欧米市場浸透:米国事業は前期比22.9%増、欧州事業は同23.4%増と高成長継続。2026年1月の中国承認取得により新興国市場への展開も進展
- 鳥居薬品・JT医薬事業の統合効果:鳥居薬品の連結子会社化(2025年9月)により国内医療用医薬品売上収益が前期比25.0%増に拡大。JT医薬事業承継(2025年12月)により低分子創薬基盤・AI/量子コンピューター技術プラットフォームと有望パイプラインを獲得。2027年4月に鳥居薬品を吸収合併予定
- エダラボン(Radicava)事業の米国希少疾患領域への展開:2026年4月にグローバル全権利の承継を完了し、Radicava事業会社(RADIANCE NEWCO, LLC)が事業開始。田辺ファーマによる米国売上収益は2025年3月期94,491百万円と成長中であり、2027年3月期以降の業績貢献が見込まれる
- エンシトレルビル(ゾコーバ)のグローバル展開:米国FDAへの予防適応承認申請受理、欧州での承認申請実施、国内での曝露後予防承認取得により、グローバルでの適応拡大が進展
- QOL疾患領域の新製品成長:クービビック(不眠症)の投薬期間制限解除による処方拡大(前期比224.1%増)、ザズベイ(うつ病)の2026年3月販売開始により、感染症以外の収益柱を構築
- JT医薬事業関連ロイヤリティーの通年計上:2027年3月期は旧JT医薬事業が受領していたロイヤリティー収入が年間を通じて計上され、その他ロイヤリティー収入の大幅増収に寄与
リスク
- ViiV Healthcare Ltd.への収益集中リスク:ロイヤリティー収入・配当収入がViiV社の事業動向・HIV治療薬市場の変化に直接影響を受ける。追加出資により持分法適用関連会社化したことで関与は深まったが、依存度も一層高まっている
- 感染症薬の流行依存リスク:ゾフルーザ・ゾコーバ等の感染症薬は流行規模に業績が左右され、2026年3月期はCOVID-19流行低調により急性呼吸器感染症薬売上が前期比34.8%減となった
- M&A統合リスク(PPA未完了):鳥居薬品・JT医薬事業・Akrosの取得原価配分が未完了(暫定処理)であり、のれん・無形資産の最終評価額が変動する可能性がある。鳥居薬品ののれんは暫定値から3,947百万円減少するなど修正が生じている
- 財務レバレッジ上昇リスク:ViiV社追加出資・エダラボン権利取得等の大型投資に伴い短期借入金660,000百万円を調達。親会社所有者帰属持分比率が88.7%から65.4%に低下し、キャッシュ・フロー対有利子負債比率が0.1から3.2に上昇
- 為替変動リスク:ロイヤリティー収入・海外事業売上の大部分が外貨建てであり、円高進行時には円換算収益が減少するリスクがある
- 薬価改定リスク:日本では毎年薬価改定が実施されており、国内医療用医薬品の収益性が継続的に圧迫される。鳥居薬品統合後は国内事業の比重が高まり、薬価改定の影響が拡大する可能性がある
- Radicava事業の競合・市場リスク:ALS治療薬市場における競合品の参入や保険償還環境の変化により、米国でのRadicava売上が想定を下回るリスクがある
- エンシトレルビルの承認取得リスク:米国・欧州での承認申請が受理されているものの、規制当局の審査結果によっては承認が遅延・否決される可能性がある
最終更新: 2026年6月19日

