事業内容
サイバートラスト株式会社は、「安心・安全なデジタル社会の実現」をパーパスに掲げ、公開鍵基盤(PKI)技術とLinux/OSSを核とした「デジタルトラスト事業」を単一セグメントで展開する。主要サービスは、電子認証・本人確認・デバイス認証等の「トラストサービス」と、エンタープライズ向けLinuxOS・IoT組込みOS・セキュアIoTプラットフォーム等の「プラットフォームサービス」の2区分で構成される。
主要顧客は金融機関・重要インフラ事業者・製造業(自動車・産業機器)等の法人であり、DX推進・サイバーセキュリティ法規制強化を追い風に需要が拡大している。2021年4月に東京証券取引所マザーズ市場(現グロース市場)に上場。
SBテクノロジー株式会社を親会社に持つ。
ビジネスモデル
収益はライセンス・プロフェッショナルサービス・リカーリングサービスの3形態で構成される。2025年3月期のリカーリング売上は4,926百万円(売上比率66%超)と全体の3分の2超を占め、電子認証サービスや自社製品サポートの契約更新により安定的な収益基盤を形成している。
リカーリング売上の伸長が営業利益率の改善(19.1%)に直結しており、設備投資を要する事業特性からEBITDA(1,993百万円)も重要指標として管理されている。
企業の強み
Netcraft Ltd.のSSL Survey(2024年8月発表)に基づく算出で、国内EV SSL/TLS証明書市場における枚数シェアは50.0%でNo.1。またデバイス証明書管理サービス「サイバートラスト デバイスID」においても、主要市場の再販売業者との提携実績等から現在の市場シェアはほぼ独占状態と自社評価している。
2025年3月期のリカーリング売上は4,926百万円(前期比16.5%増)で、売上全体に占める比率は66%超。営業利益率は19.1%(前期比1.9ポイント改善)を達成。2021期から2025期にかけて営業利益は574百万円から1,421百万円へ約2.5倍に拡大し、収益構造の質的改善が継続している。
電子認証(PKI)とLinux/OSSの両技術を保有する国内唯一クラスの事業者として、IoT機器のライフサイクル全体をカバーするセキュアIoTプラットフォームを提供。カーネルレベルの技術に精通したエンジニアを擁し、CIPなどのグローバルOSSコミュニティにも参画。
国内電子認証局を自社保有し、WebTrust監査合格・主務大臣認定取得等の公的信頼性も確立している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期(訂正後)の連結業績は売上高8,360百万円(前期比+12.3%)、営業利益1,649百万円(同+16.0%)、経常利益1,657百万円(同+14.4%)、親会社株主帰属当期純利益989百万円(同+2.1%)。純利益の伸びが小幅にとどまったのは、本社移転費用112百万円を含む特別損失166百万円の計上と税効果会計の影響による。
営業利益率は19.7%と前期19.1%から改善し、過去5期で最高水準。トラストサービス(+15.3%)・プラットフォームサービス(+8.6%)ともに増収。
外部要因としてDX推進・法規制整備・経済安全保障の動向が需要を下支えしている。総資産は10,702百万円(訂正後)、自己資本比率69.5%と財務健全性を維持。
成長戦略
iTrust拡大・AlmaLinux/EMLinux法規制対応需要取込み・パートナー協業強化による持続成長
犯罪収益移転防止法改正を背景に、口座開設時に加え送金・継続的顧客管理等の多様な金融シーンへ本人確認サービスを拡大。2026年3月期に本人確認サービスが倍増。2027年3月期はeシール認定制度対応も加え、トラストサービス全体で5,280百万円(前期比+10.6%)を計画。
国際安全基準(IEC62443・欧州CRA等)対応需要を捉え、SBOM対応OSとしてAlmaLinux(汎用サーバー向け)とEMLinux(エッジ・IoT向け)の採用拡大に注力。2026年3月期はEMLinux採用拡大・リネオソリューションズ受託開発が堅調。
2027年3月期はプラットフォームサービス全体で3,970百万円(前期比+10.7%)を計画。
ゼロトラスト・多要素認証ニーズの高まりを受け、クラウド認証サービスパートナーおよび教育分野パートナー経由の顧客獲得を強化。2026年3月期はパートナー向けサービスが伸長。引き続きパートナーエコシステムの拡充により市場浸透を加速する方針。
第2認証センター整備・本社移転等のサービス提供インフラへの投資(2026年3月期有形固定資産取得413百万円)および人員増強を継続。カナダベンチャー企業Insignary Inc.への出資(投資有価証券147百万円増)など外部連携も活用し、技術・事業領域の拡張を図る。
最終更新: 2026年7月17日

