事業内容
株式会社コマースOneホールディングスは、国内中堅・中小規模のEC事業者を主要顧客とし、ECサイトのフロントエンドからバックエンドまでを一気通貫でSaaS型提供するECプラットフォーム事業を単一セグメントで展開する純粋持株会社である。傘下には、ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」を提供するフューチャーショップ、多店舗バックヤード管理システム「通販する蔵」を提供するソフテル、EC認証・分析ツールのTradeSafe、UGCマーケティングの空色、AI活用クリエイティブの既読、次世代統合ECプラットフォーム開発中のコマースコネクト、VTuberインフルエンサーマーケティングのAttendMeの計7社を擁する。
2006年の設立以来、M&Aと新設を通じてグループを拡充し、EC事業者向けビジネスインフラとしての地位確立を目指している。
ビジネスモデル
主力のフューチャーショップは最低月額24,000円からの固定月額課金(登録商品数に応じた複数プラン)と初期費用で安定的なストック収益を確保し、オプション機能やアライアンスサービスの利用拡大でARPUを向上させる。ソフテルは初期カスタマイズ料(1,500,000円~)と月次保守料(70,000円~)の組み合わせで継続収益を積み上げる。
グループ横断のクロスセルにより既存顧客からの収益拡大も図る構造である。
企業の強み
2026年3月末時点でfutureshopの利用店舗数は2,730以上に達し、月額固定課金モデルにより安定したストック収益を形成している。1契約店舗あたりGMVは2025年3月期72,368千円から2026年3月期76,910千円へ増加しており、既存顧客の成長に伴う単価向上が確認できる。
ECサイト構築(futureshop)、多店舗バックヤード管理(通販する蔵)、EC認証(TradeSafe)、UGCマーケティング(空色)、AIクリエイティブ(既読)を単一グループ内で提供できる体制を構築済み。EC事業者が必要とするサービスをワンストップで調達できる点は競合他社が短期間で模倣困難な構造的優位である。
フューチャーショップのGMVは2026年3月期に212,070,807千円(約2,121億円相当)に達しており、EC事業者の売上成長を支えるプラットフォームとしての実績を示している。2018年12月時点で流通総額1,000億円を突破してから継続的に拡大しており、長年の運用ノウハウと経験豊富なECアドバイザー体制が顧客の継続利用を支えている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022期2,940百万円から2026期3,896百万円へ5期連続増収を維持(2026期前期比+5.5%)。一方、営業利益は2022期677百万円をピークに低下傾向が続き、2026期は380百万円と過去5期で最低水準。
売上原価(1,761百万円、前期比+10.6%)および販管費(1,754百万円、同+19.9%)の双方が売上高の伸びを上回るペースで増加しており、売上高営業利益率は17.3%(2025期)から9.8%(2026期)へ大幅低下。外部環境として国内BtoC-EC市場は経済活動正常化後も着実な成長を継続しており市場環境として追い風は持続しているが、グループ内の成長投資コストが利益を圧迫している構図。
2027年3月期は売上高4,345百万円(+11.5%)・営業利益500百万円(+31.5%)への回復を会社予想として開示している。
成長戦略
EC一気通貫SaaS深化・AI活用新サービス・グループシナジー追求・環境エネルギー事業開拓の4軸
商品管理画面の全面刷新・新認証システム導入・LINE連携・多チャネル受注管理・API強化等のインフラ再構築を実施。AI活用・業務自動化を見据えた構造的基盤整備として位置づけ、顧客当たり売上増加と流通総額拡大による売上高2,943百万円(前期比3.6%増)を2027年3月期に計画。
2025年4月設立の株式会社コマースコネクトにて、ソフテルの「通販する蔵」ノウハウを活用しAIによる次世代受発注・在庫一元管理機能を持つ統合型ECプラットフォームを開発中。ソフトウェア仮勘定が前期末1百万円から108百万円へ急増しており開発投資が本格化している。
顧客ニーズに即したカスタマイズ案件提案に注力し、2026年3月期は売上高899百万円(前期比5.5%増)・営業利益90百万円(同60.6%増)と大幅増益を達成。2027年3月期は売上高990百万円(前期比10.1%増)を計画しており、受注予定案件の検収時期と開発リソース確保を勘案した予想を策定。
生成AIを活用したソリューション展開によりEC事業者のバックオフィス業務効率化を支援。ソーシャルコマース対応・オムニチャネル化・越境EC対応など多様化するEC活用ニーズへの対応を通じてオプション・アライアンスサービスの拡充と顧客単価向上を図る。
エネサイクル株式会社を通じ、東南アジア向けバイオ炭製造調査事業が経済産業省補助金に採択。エストニア企業Carbontribe Labsと共同開発した「デジタルバイオ炭方法論」を国際認証機関Earthood Services Limitedに申請。グループ独自技術を活用したグローバル展開を目指す。
最終更新: 2026年7月19日

