事業内容
ランサーズ株式会社は2008年創業のクラウドソーシング事業者から出発し、現在は「ハイブリッド型AXカンパニー」への転換を進めている。事業は「マッチングプラットフォーム」「エージェント」「コンサルティング&ソリューション」の3モデルで構成され、330万人超のフリーランス人材ネットワークを基盤に、大企業を中心とした顧客のAI戦略策定から実装・人材提供まで一気通貫で支援する。
個人向けにはリスキリング機会(ランサーズAI大学・MENTAなど)も提供し、人材の供給側も育成・拡充する双方向エコシステムを構築している。
ビジネスモデル
マッチングプラットフォームは依頼金額に連動するシステム手数料とオプション利用料、エージェントは業務委託料とシステム手数料の総額、コンサルティング&ソリューションは受注金額をそれぞれ売上計上する。2026期売上高5,437百万円のうち売上総利益は2,129百万円(粗利率約39%)。
流通総額と売上総利益の最大化を経営指標の軸に据えている。
企業の強み
2026期末時点で登録ユーザー数330万人(前期末比7.6%増)を擁し、うち1万人のAIエキスパートを事業の核に位置付ける。AIによるスキル可視化・タグ付け精度向上とマッチング自動化により検索性が大幅改善しており、競合が短期間で模倣困難な規模の人材ネットワークが競争優位の根幹をなす。
2025年5月設立のランサーズ・ストラテジック・コンサルティングによる上流コンサル機能と、2025年8月グループ化のランサーズ・ワンズソリューションによる実装・ソリューション機能を統合。正社員コンサルタントとフリーランスのハイブリッドチームにより、大企業の経営課題に対して規模・期間に応じた柔軟な提案が可能な体制を構築済みである。
2022期に営業損失367百万円を計上していたが、2024期に営業利益75百万円で黒字転換し、2026期は201百万円(前期比84.4%増)まで拡大。営業キャッシュフローも2026期に371百万円の収入(前期は37百万円の支出)へ大幅改善しており、収益構造の転換が数値として確認できる。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022期4,073百万円→2023期4,808百万円→2024期4,573百万円→2025期4,589百万円と横ばい圏で推移していたが、2026期は5,437百万円と18.5%増に加速した。これはランサーズ・ストラテジック・コンサルティングの新設(2025年5月)とランサーズ・ワンズソリューションのグループ化(2025年8月)による連結範囲拡大が主因。
営業利益は201百万円(前期比84.4%増)と3期連続増益で改善が加速。ただし減損損失115百万円の計上により最終利益は91百万円(前期177百万円)と後退した。
外部要因として、生成AI普及に伴う企業のAX投資需要の高まりが売上成長を後押しする一方、米国関税政策等の地政学リスクが企業の投資判断に影響する可能性がある。
成長戦略
AX人材基盤・AIプロダクト・AXコンサルの三位一体でAXカンパニーへ転換
登録ユーザー330万人超のプラットフォームにAIを活用したスキル可視化・タグ付け・マッチング自動化を実装し、企業が求めるAI・DXスキル人材の検索性と利便性を向上。AI人材基盤を事業の核として位置づけ、プラットフォームの競争優位を維持・拡大する。
営業活動自動化に特化した営業AIエージェント「ラクアポAI」の開発・提供を通じてAIエージェントの実業務実装ノウハウを蓄積。個別プロダクト提供にとどまらず、顧客企業の業務課題に応じたAIソリューションの設計・実装支援へと展開を拡大する。
2025年5月設立のAXコンサル子会社でコンサルタント採用が順調に進捗し組織基盤の構築が完了。正社員コンサルタントとフリーランス・コンサルタントのチーム体制により案件受注が拡大し、戦略策定から実装までの一気通貫支援体制が確立された。
2025年8月グループ化の旧ワンズパワーは商号変更を伴う組織統合が完了し、PMIが順調に進捗。主要クライアントへの深耕営業強化によりグループ化後の売上高が安定拡大し、グループ全体の収益基盤強化に寄与している。
最終更新: 2026年7月19日

