フリー株式会社 logo

フリー株式会社

4478東証グロース情報通信業

フリー株式会社 logo
フリー株式会社4478

事業内容

フリー株式会社は「スモールビジネスを、世界の主役に。」をミッションに掲げ、個人事業主および従業員1,000名以下の法人向けに統合型クラウドERPを提供する。主力プロダクトは2013年リリースのfreee会計と2014年リリースのfreee人事労務であり、会計・人事労務を起点にfreeeサイン(電子契約)、freee販売(販売管理)、freeeカード Unlimited(金融サービス)等へとプロダクトラインを拡充している。

2025年6月期末時点で有料課金ユーザー企業数606,533件、ARR34,393百万円を達成し、クラウド会計・人事労務ソフト市場においてマーケットリーダーの地位を確立している。

ビジネスモデル

売上高の90%超をサブスクリプション(継続課金)が占めるストック型収益モデルを採用。有料課金ユーザー企業数の拡大とARPU(1ユーザー当たり平均単価)の上昇という二軸でARRを成長させる構造を持つ。

2025年6月期の月次平均解約率は約1.1%と低水準を維持しており、会計事務所経由の新規顧客獲得チャネルと既存顧客へのクロスセルが収益拡大を牽引している。

企業の強み

2025年6月期末のARRは34,393百万円(前期比31.8%増)、有料課金ユーザー企業数は606,533件(同13.9%増)、ARPUは56,704円(同15.8%増)と、ユーザー数拡大と単価上昇が同時進行。2021年6月期末比ではARRが約3.1倍に拡大しており、複利的な成長が継続している。

freee会計は請求書発行・ワークフロー・経費精算等の上流工程を一体化した統合型設計を採用。単機能型ソフトと異なりデータが一元集約されるため乗り換えコストが高く、2025年6月期の月次平均解約率は約1.1%と低水準を維持。サブスクリプション売上比率も90%超を確保している。

2024年6月期まで継続していた営業損失から、2025年6月期に営業利益610百万円・調整後営業利益1,885百万円へと黒字転換。売上総利益率は82.2%(売上総利益27,361百万円÷売上高33,270百万円)に達し、調整後販売費及び一般管理費は前期の28,554百万円から25,475百万円へ削減された。

エンヴァリスの着眼点

2026年6月期第3四半期累計の売上高は30,843百万円(前年同期比29.3%増)と高成長を維持する一方、営業利益は622百万円(同47.4%減)、経常利益は357百万円(同65.5%減)、親会社株主帰属四半期純利益は328百万円(同67.5%減)と大幅に減益。調整後営業利益も1,797百万円(同15.0%減)と前年を下回っており、成長投資(ソフトウェア投資拡大・減価償却費の急増:前年同期169百万円→当期727百万円)や金融サービス拡大に伴うコスト増が利益を圧迫している点は注視が必要。

通期売上高予想41,930百万円(前期比26.0%増)、調整後営業利益2,520百万円(同33.7%増)は2026年2月12日の上方修正後から変更なし。第3四半期累計売上高の通期予想に対する進捗率は約73.6%と概ね順調。

ただし調整後営業利益の進捗率は約71.3%にとどまり、第4四半期(確定申告繁忙期)での利益集中が前提となっている。確定申告期の個人事業主獲得施策(入力おまかせプラン・freee確定申告アプリ等)の成否が通期達成の重要変数となる。

クレジットカード事業(立替金6,375百万円、前期末比2,392百万円増)およびファクタリング事業(買取債権1,534百万円、前期末ゼロから新規計上)の拡大により、短期借入金が12,950百万円(前期末比3,350百万円増)に膨らんでいる。また貸倒引当金が流動資産で1,059百万円(前期末34百万円)と急増しており、金融サービス拡大に伴う信用リスクの顕在化が懸念される。

後発事象として資本金の無償減資(27,890百万円→12,890百万円)が予定されており、資本政策の柔軟性確保を目的とするが、財務構造の変化として引き続き注視が必要。

成長戦略

ユーザー基盤拡大・ARPU向上・金融サービス・AI活用の四軸で持続成長

会計事務所経由の新規顧客獲得チャネルを強化し、確定申告期の個人事業主獲得施策(入力おまかせプラン等)も展開。2026年6月期第3四半期末時点で712,265件(前年同期末比13.6%増)と拡大継続中。

既存顧客基盤へのfreeeカード Unlimited・ファクタリング・freee人事労務等のクロスセルを推進。ARPUは59,647円(前年同期末比8.5%増)と上昇トレンドを維持しており、プラットフォームARR成長(23.2%増)を牽引。

クレジットカード事業(立替金6,375百万円)およびファクタリング事業(買取債権1,534百万円)を拡大中。金融サービスはトランザクションARRの拡大にも寄与するが、貸倒引当金の急増(1,059百万円)など信用リスク管理が課題。

AIとオペレーターによる入力・仕訳代行「入力おまかせプラン」や、税理士1万件以上の相談例を活用したChatGPT向けアプリ「freee確定申告」をリリース。AI機能の導入により顧客の業務効率化と製品差別化を図る。

医療法人向け「freee for 医療」の提供開始、小売・流通向けクラウド物流プラットフォーム「ロジクラ」のM&Aによる取得決議など、業種特化型ソリューションの拡充により顧客層の多様化と単価向上を追求。

最終更新: 2026年7月17日