事業内容
フリー株式会社は「スモールビジネスを、世界の主役に。」をミッションに掲げ、個人事業主および従業員1,000名以下の法人向けに統合型クラウドERPを提供する。主力プロダクトは2013年リリースのfreee会計と2014年リリースのfreee人事労務であり、会計・人事労務を起点にfreeeサイン(電子契約)、freee販売(販売管理)、freeeカード Unlimited(金融サービス)等へとプロダクトラインを拡充している。
2025年6月期末時点で有料課金ユーザー企業数606,533件、ARR34,393百万円を達成し、クラウド会計・人事労務ソフト市場においてマーケットリーダーの地位を確立している。
ビジネスモデル
売上高の90%超をサブスクリプション(継続課金)が占めるストック型収益モデルを採用。有料課金ユーザー企業数の拡大とARPU(1ユーザー当たり平均単価)の上昇という二軸でARRを成長させる構造を持つ。
2025年6月期の月次平均解約率は約1.1%と低水準を維持しており、会計事務所経由の新規顧客獲得チャネルと既存顧客へのクロスセルが収益拡大を牽引している。
企業の強み
2025年6月期末のARRは34,393百万円(前期比31.8%増)、有料課金ユーザー企業数は606,533件(同13.9%増)、ARPUは56,704円(同15.8%増)と、ユーザー数拡大と単価上昇が同時進行。2021年6月期末比ではARRが約3.1倍に拡大しており、複利的な成長が継続している。
freee会計は請求書発行・ワークフロー・経費精算等の上流工程を一体化した統合型設計を採用。単機能型ソフトと異なりデータが一元集約されるため乗り換えコストが高く、2025年6月期の月次平均解約率は約1.1%と低水準を維持。サブスクリプション売上比率も90%超を確保している。
2024年6月期まで継続していた営業損失から、2025年6月期に営業利益610百万円・調整後営業利益1,885百万円へと黒字転換。売上総利益率は82.2%(売上総利益27,361百万円÷売上高33,270百万円)に達し、調整後販売費及び一般管理費は前期の28,554百万円から25,475百万円へ削減された。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2021年6月期10,258百万円から2025年6月期33,271百万円へ5年で3.2倍に拡大し、2026年6月期第3四半期累計も30,843百万円(前年同期比29.3%増)と高成長を継続。一方、2025年6月期に達成した営業黒字(611百万円)は、2026年6月期第3四半期累計では622百万円(前年同期比47.4%減)と大幅に減少。
ソフトウェア投資拡大に伴う減価償却費の急増(前年同期比約4.3倍の727百万円)、金融サービス拡大に伴う販管費増加、貸倒引当金の急増(流動資産分1,059百万円)が主因。通期では調整後営業利益2,520百万円(前期比33.7%増)を予想しており、第4四半期の確定申告繁忙期での利益回収が前提となっている。
成長戦略
ユーザー基盤拡大・ARPU向上・金融サービス・AI活用の四軸で持続成長
会計事務所経由の新規顧客獲得チャネルを強化し、確定申告期の個人事業主獲得施策(入力おまかせプラン等)も展開。2026年6月期第3四半期末時点で712,265件(前年同期末比13.6%増)と拡大継続中。
既存顧客基盤へのfreeeカード Unlimited・ファクタリング・freee人事労務等のクロスセルを推進。ARPUは59,647円(前年同期末比8.5%増)と上昇トレンドを維持しており、プラットフォームARR成長(23.2%増)を牽引。
クレジットカード事業(立替金6,375百万円)およびファクタリング事業(買取債権1,534百万円)を拡大中。金融サービスはトランザクションARRの拡大にも寄与するが、貸倒引当金の急増(1,059百万円)など信用リスク管理が課題。
AIとオペレーターによる入力・仕訳代行「入力おまかせプラン」や、税理士1万件以上の相談例を活用したChatGPT向けアプリ「freee確定申告」をリリース。AI機能の導入により顧客の業務効率化と製品差別化を図る。
医療法人向け「freee for 医療」の提供開始、小売・流通向けクラウド物流プラットフォーム「ロジクラ」のM&Aによる取得決議など、業種特化型ソリューションの拡充により顧客層の多様化と単価向上を追求。
最終更新: 2026年7月17日

