事業内容
石原ケミカル株式会社は1900年創業の老舗化学メーカーで、界面化学技術をコアに「表面の機能を創造する」ことを社会的使命とする。事業は電子関連分野(金属表面処理剤及び機器等・電子材料)、自動車用品分野(自動車用化学製品等)、工業薬品分野の3分野4セグメントで構成される。
主要顧客は半導体・電子部品メーカー、プリント配線板メーカー、カーディーラー、鉄鋼・化学大手企業など多岐にわたる。売上高の約41.6%を輸出が占め、台湾・韓国・中国・ASEANを主要輸出先とするグローバル展開を行っている。
連結子会社4社(中国2社・国内1社含む)を擁し、東京証券取引所プライム市場に上場している。
ビジネスモデル
売上高の約55%を占める金属表面処理剤及び機器等セグメントでは、錫系・銅めっき液や化成処理液自動管理装置を自社開発・製造し、技術支援・アフターサービスを含む一体型ソリューションを提供する。自動車用化学製品等はカーディーラー向け業務用ケミカルを自社製造・直販し、工業薬品は仕入販売で安定収益を確保する。
自社製品比率の向上と売上総利益率35%以上を経営KPIに掲げ、高付加価値製品の拡販により収益力を高める構造を志向している。
企業の強み
錫系・銅めっき液において、生成AI向け最先端半導体パッケージ向けが好調に推移し、2026年3月期の金属表面処理剤及び機器等セグメントの営業利益率は23.0%を達成。ユーザーの材質・形状に合わせためっき条件設定や皮膜評価など、顧客と深く関わる共同開発体制が競合との差別化要因となっている。
電子・自動車・工業薬品の3分野にわたる事業ポートフォリオにより、特定市場への依存リスクを分散している。2026年3月期末の自己資本比率は82.4%、純資産残高は24,726百万円に達し、全ての資金需要を自己資金で賄う無借金経営を維持。フリーキャッシュフローは3,151百万円のプラスを確保している。
自動車用化学製品等セグメントでは、カーディーラーへの取扱先拡大を継続的に推進し、2026年3月期の売上高は3,878百万円(前年比4.7%増)、営業利益率は24.1%と高水準を維持。エアコン洗浄剤・車室内消臭抗菌剤・コーティング剤等の主力製品を自社製造し、ディーラーチャネルへの深耕を続けている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期19,037百万円から2025年3月期23,630百万円まで拡大後、2026年3月期は23,450百万円と微減。一方、営業利益は2022年3月期2,355百万円から2026年3月期3,841百万円へ5期で63%増加し、営業利益率は12.4%から16.4%へ大幅改善。
当期純利益も2,969百万円と過去最高を更新した。外部要因として生成AI向け先端半導体パッケージ需要の拡大が金属表面処理剤セグメントを牽引した一方、鉄鋼業界の生産量低下・車載・スマートフォン向け電子部品の回復遅れが売上の重石となった。
自己資本比率82.4%・現金8,394百万円と財務基盤も一段と強化された。
成長戦略
先端半導体向け高付加価値製品の拡販・グローバル展開と開発投資による次期成長基盤の構築
生成AI向けを含む最先端半導体パッケージ向けめっき液が好調に推移。2027年3月期に向けてウエハ用めっき市場でのシェア拡大と半導体パッケージ市場におけるPCB用めっき液の新規顧客獲得を重点施策として推進。開発投資に伴う減価償却費増加を織り込み済みで次期予算を編成している。
エアコン洗浄剤・車室内消臭剤・ボディーコートの取扱いディーラー拡大を継続。2026年3月期は前期比4.7%増収・営業利益率24.1%を達成。安定供給体制を最優先としつつ新規ディーラー獲得と既存ディーラーの深耕を並行推進する方針を継続している。
顧客の大型設備投資案件による大口需要を2026年3月期に取り込み、装置等売上が前年を上回った。主力ユーザーの投資動向を的確に捉え、迅速かつ柔軟な営業・技術対応により受注機会の最大化を図る方針。半導体製造装置向け投資サイクルの継続が追い風となる見込み。
半導体製造装置向けセラミックス・エンプラの売上が前期比10.8%増の925百万円に拡大し、営業利益は44百万円(前期比508.5%増)と黒字化が定着。半導体市況の伸長傾向を背景に、機能材料加工品の高付加価値化と顧客基盤拡大を継続する。
最終更新: 2026年7月19日

