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Sansan株式会社

4443東証プライム情報通信業

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事業内容

Sansan株式会社は「出会いからイノベーションを生み出す」をミッションに掲げ、法人向け営業DXサービス「Sansan」・経理DXサービス「Bill One」を中核とするSansan/Bill One事業と、個人向け名刺アプリ「Eight」を軸とするEight事業を展開する。主要顧客は業種・業態を問わない国内法人であり、名刺・請求書・契約書といったアナログ情報をデータ化し、企業の売上拡大・コスト削減・業務効率化を支援する。

2025年5月期の連結売上高は43,202百万円に達し、2019年の東証マザーズ上場以来、一貫して高成長を維持している。

ビジネスモデル

主要サービスはいずれも月額サブスクリプション課金を基本とし、解約率は直近12か月平均で「Sansan」0.49%・「Bill One」0.33%と1%未満の低水準を維持する。「Sansan」は全社員利用を前提としたライセンス費用+スキャナレンタル料、「Bill One」は初期費用+請求書データ化枚数連動の月額費用で構成される。

契約件数の拡大と契約当たり単価の向上(ARPU改善)を組み合わせることで、顧客LTVの最大化を図る構造となっている。

企業の強み

「Sansan」は法人向け名刺管理サービス市場においてNo.1の売上高シェア84.1%(2025年1月シード・プランニング調査)を有する。2025年5月期末の契約件数は10,701件、契約当たり月次ストック売上高は210千円と前年比6.6%増加しており、既存顧客の深耕も着実に進んでいる。

機械学習等のテクノロジーと人力を組み合わせた独自の仕組みにより、名刺・請求書等アナログ情報のデータ化精度99.9%を実現している。創業以来蓄積した膨大なデータと、独自開発の生成AIを活用したオペレーション効率化が競争力の源泉となっており、他社が容易に模倣できない参入障壁を形成している。

2025年5月期の営業キャッシュ・フローは9,651百万円(前年比76.0%増)、期末現金及び現金同等物は31,172百万円に達する。前受金モデルにより顧客から契約期間分の料金を先行受領する構造が資金効率を高めており、売上総利益率は86.6%と高水準を維持している。

エンヴァリスの着眼点

2026年5月期の調整後営業利益は8,427百万円(前年同期比137.0%増)、調整後営業利益率は15.7%と前期の8.2%から大幅改善。Bill OneのMRRが前年同期比34.9%増、有料契約件数が同31.9%増と高成長を継続する中、売上高広告宣伝費率・人件費率の低下が利益拡大を加速させた。

外部要因として市場環境ではインボイス制度・電子帳簿保存法対応需要一巡後もクラウド請求書受領市場が前年比52.4%増と拡大しており、Bill Oneの成長余地は依然大きい。2027年5月期の調整後営業利益率は20.0%〜22.5%を見込んでおり、利益成長の加速フェーズが続く。

2027〜2029年5月期の中期財務方針として売上高年平均成長率16〜20%、2029年5月期調整後営業利益率25〜30%を掲げる。2027年5月期予想は売上高63,706〜65,319百万円(前年同期比18.5〜21.5%増)、調整後営業利益12,741〜14,696百万円(同51.2〜74.4%増)とレンジ幅が広く、下期偏重の収益構造から上期の進捗確認が重要。

Sansanの契約当たり月次ストック売上高が前年同期比1.0%減と微減傾向にある点は、ARPU改善の観点から注視が必要。

2026年5月期末に初配当(1株当たり2.50円、配当性向4.7%)を実施し、2,000百万円上限の自己株取得(累計取得1,331,600株、取得対価総額約2,000百万円)も完了。株主還元の開始は構造的利益成長への自信を示す。

一方、前期に計上した株式売却契約損失引当金2,301百万円(ログミー株式会社関連)は当期に解消されたが、投資有価証券評価損50百万円・減損損失231百万円が発生しており、M&A・投資有価証券リスクは引き続き監視が必要。ナインアウト株式会社の完全子会社化(取得原価1,412百万円)の収益貢献も今後の注目点。

成長戦略

Sansan・Bill Oneの市場深耕とAI機能強化、Eight事業の収益化加速、中期利益率25〜30%達成

AIを活用した機能開発強化と営業体制の拡充により、2027年5月期の「Sansan」売上高は前年同期比10.0〜12.0%増(34,198〜34,820百万円)を見込む。契約件数は12,199件(前年同期比14.0%増)と順調に拡大しているが、契約当たり月次ストック売上高は208千円と微減傾向にあり、ARPU改善が課題。

クラウド請求書受領サービス市場でNo.1売上高シェアを維持しながら、営業体制強化とAI活用新機能開発により2027年5月期の「Bill One」売上高は前年同期比28.0〜32.0%増(17,510〜18,057百万円)を見込む。MRR1,231百万円・有料契約件数5,188件(前年同期比31.9%増)と高成長が継続中。

ビジネスイベントのオンライン・オフライン双方での開催件数増加と採用関連サービス(Eightキャリア)の好調推移により、2027年5月期のEight事業売上高は前年同期比23.0〜27.0%増(8,266〜8,534百万円)を見込む。2026年5月期通期の調整後営業利益は237百万円と黒字化を達成したが、第4四半期は先行投資により赤字に転じており、収益安定化が課題。

2027〜2029年5月期の中期財務方針として売上高年平均成長率16〜20%、2029年5月期調整後営業利益率25〜30%を策定。2026年5月期の調整後営業利益率15.7%から2027年5月期予想20.0〜22.5%へ段階的に改善させる計画。

人件費は前年同期比約12%前後、広告宣伝費は同約8%前後の増加を見込みながら利益成長を継続させる方針。

2026年5月期末に初配当(1株当たり2.50円)を実施し、2027年5月期は年間5.00円(中間2.50円・期末2.50円)を予想。2,000百万円上限の自己株取得も完了(累計取得対価総額約2,000百万円)。

構造的利益成長を背景に株主還元を開始し、自己資本当期純利益率38.8%と資本効率が大幅に改善した。

最終更新: 2026年7月17日