事業内容
バルテス・ホールディングス株式会社は「品質向上のトータルサポート企業」を標榜し、ソフトウェアテスト事業(売上の約85%)、開発事業(同約12%)、セキュリティ事業(同約2%)の3セグメントを展開する。主力のソフトウェアテスト事業では、製造業・金融機関・ソフトウェアベンダー等を主要顧客とし、テスト計画立案からテスト実行・レポート作成まで第三者の中立的立場でワンストップ提供する。
エンタープライズ系(基幹システム・金融・マイグレーション)領域を最重点市場と位置付け、PMO・QMOとして上流工程にも関与する。国内7社・フィリピン法人を含むグループ体制で、2023年10月に持株会社体制へ移行した。
ビジネスモデル
収益の中核は、テストエンジニアを顧客先に派遣する「オンサイトテスト」と自社テストセンターで成果物を納品する「テストセンターテスト」の2形態。契約形態は派遣・準委任・請負の3種類。
これに加え、テスト自動化ツール「T-DASH」、テスト管理ツール「QualityTracker」、生成AIテスト設計ツール「TestScape」等のSaaS型ツール提供や、教育サービス「バルカレ」「バルデミー」による人に依存しないビジネスモデルの拡充を進めている。
企業の強み
2004年創業以来20年超にわたりソフトウェアテスト専業で実績を積み上げ、ISO/IEC/IEEE 29119に準拠した成果物を提供できる体制を整備。ISTQBのGlobal Partnerに認定されており、グローバル要件にも対応可能な専門性は競合が短期間で模倣困難な参入障壁を形成している。
金融・基幹システム・マイグレーション案件を中心にエンタープライズ系受注が拡大し、PMO・QMOとして上流工程に関与することで案件の大型化が進展。2026年3月期のソフトウェアテスト事業外部顧客売上高は10,173百万円(前期比12.1%増)と堅調に拡大しており、参入障壁の高い領域での競争優位が収益基盤を支えている。
独自のテスト進行基準「QUINTEE®」を基盤とする生成AIテスト設計ツール「TestScape」の社内正式運用を開始し、顧客案件への展開も拡大。AI仕様書インスペクションツール「QuintSpect」もβ版リリース後に改良を継続。
3か年累計12億円の開発投資計画のもと、人に依存しないビジネスモデルへの転換を推進している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022期6,707百万円→2026期11,940百万円と5期で約1.8倍に拡大。ただし成長率は2023期34.3%→2024期14.4%→2025期4.2%→2026期10.6%と変動が大きい。
営業利益は2023期970百万円をピークに2024期841百万円へ落ち込み、2025期927百万円に回復後、2026期は924百万円と横ばい。生成AIテストツール開発投資・販管費増加が利益成長を抑制しており、外部環境としてDX需要拡大が売上を支える一方、人件費上昇・投資コスト増が収益性の改善を阻んでいる。
2027期予想は売上高14,160百万円・営業利益970百万円と増収増益を見込む。
成長戦略
生成AIテストツール開発投資とエンタープライズ拡大・M&Aによる多角化を3か年で推進
3か年で生成AIテストツール開発投資12億円を計画。TestScapeは社内正式運用を開始し顧客案件での利用も拡大。QuintSpectはβ版リリース後改良継続中。ツールによる生産性向上と差別化で「人に依存しない」ビジネスモデルへの転換を目指す。
金融・基幹システム・大規模マイグレーション案件等、参入障壁が高く案件規模の大きいエンタープライズ系領域に注力。PMO・QMOとしての上流工程関与により案件大型化と利益率向上を図り、後発事業者との価格競争を回避する。2026期外部顧客売上高は前期比12.1%増と成果が顕在化。
新中期経営計画で3か年25億円のM&A等BS戦略投資を計画。持株会社体制によるグループガバナンス向上と多角化型事業ポートフォリオ構築で外部環境への耐性を高める。
2026年7月には子会社再編(吸収合併・吸収分割)を実施予定で、株式会社シンフォーを「バルテス・ソリューションズ&AI株式会社」に商号変更しグループ連携を強化。
T-DASH・PrimeWAF・QualityTracker・Qbook・バルカレ・バルデミー等のプロダクト・サービス群を拡大し、人月型収益依存からの脱却を図る。将来的にはツールサービスを通じた業界全体への品質管理技術普及と、グループ生産性の飛躍的向上を目標とする。
最終更新: 2026年7月19日

