事業内容
トビラシステムズは、独自の迷惑情報データベース(年間50億件以上の判定処理、電話番号565万件以上収録)を中核基盤として、セキュリティ事業とソリューション事業の2セグメントを展開する。セキュリティ事業ではソフトバンク・NTTドコモ・KDDIの主要3キャリアと提携し、モバイル・固定電話向け迷惑情報フィルタリングサービスを提供。
ソリューション事業では法人向けビジネスフォン「トビラフォン Biz」およびクラウドPBX「トビラフォン Cloud」を展開する。特殊詐欺被害の深刻化と政府の対策強化要請を追い風に、社会インフラとしての地位を確立しつつある。
ビジネスモデル
セキュリティ事業は通信キャリアとの定額または従量課金契約に基づき、オプションパック契約数・利用者数に応じた継続収益を得るストック型モデル。ソリューション事業は法人向けハードウェア販売とクラウドサービスのサブスクリプション収益で構成。
迷惑情報データベースは全サービス共通の中核基盤であり、利用者フィードバックがデータ精度を高める自己強化型の循環構造を持つ。
企業の強み
ソフトバンク・NTTドコモ・KDDIの国内主要3キャリア全社と提携し、各社のオプションパックにサービスを組み込む形で数千万規模の潜在ユーザーにリーチ。2025年10月期のキャリア3社合計売上高は1,662,709千円(全社売上の59.3%)に達し、安定的な収益基盤を形成している。
警察庁・各都道府県警察との覚書締結による公的機関連携、利用者フィードバック、独自調査活動を組み合わせた多層的なデータ収集体制を構築。電話番号565万件以上・迷惑電話番号約3万件をデータベース化し、機械学習による自動抽出と技術者による最終判断を組み合わせた高精度な判定システムを実現。
国内外14件の特許を取得。
2025年10月期のセキュリティ事業セグメント利益率は70.2%(売上高1,905百万円、セグメント利益1,338百万円)。データベースを基盤とするソフトウェアサービス主体のビジネスモデルにより、限界費用が低く高い収益性を維持。
営業活動によるキャッシュ・フローは1,752百万円と前期比34.2%増加し、強固なキャッシュ創出力を示している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2021期1,425百万円から2025期2,805百万円へ5期連続増収を達成し、2026年10月期中間期も前年同期比22.0%増の1,674百万円と成長が加速している。一方、営業利益は2025期899百万円をピークに、2026年10月期通期予想785百万円(前期比12.7%減)と減益局面に入っている。
中間期の販売費及び一般管理費が前年同期比42.3%増と急拡大しており、採用を中心とした人的投資および新規事業開発への戦略的投資が利益を圧迫している。外部要因として特殊詐欺被害の深刻化(2025年全国被害総額3,257億円、過去最悪)が需要を押し上げており、セキュリティ事業は前年同期比2.5%増と堅調に推移している。
成長戦略
迷惑情報データベース基盤の深化と法人向けDXサービス拡販で2028年10月期売上高6,000百万円を目指す
SMS自動送信機能等の機能拡張と、直販に加えた販売代理店経由の取次紹介活用により契約ID数の拡大を推進。2026年10月期中間期のソリューション事業全体で前年同期比69.0%増を達成しており、Cloud・Bizの両輪が貢献している。
カスタマーハラスメント対策商材としての需要拡大を背景に販売代理店との連携を強化。2026年2月には小規模事業者向け新プラン「トビラフォン Biz Lite」を投入し、対象市場を拡大。販売台数は順調に推移している。
迷惑情報データベースの提供先拡大(NTTタウンページ、KDDI Pontaパス、JCOMケーブルプラス電話等)と、一部キャリアとの価格条件引き上げ更改を実現。政府の詐欺対策強化を追い風に契約数・単価の両面で改善を図る。
中期経営計画2028の重点施策④として位置付け、新規事業開発への戦略的投資を継続中。具体的な収益貢献時期・規模は現時点で開示されていないが、全社費用増加の一因となっている。
採用を中心とした人的投資を継続し、2026年10月期中間期の販売費及び一般管理費は前年同期比42.3%増の635百万円に拡大。将来の成長基盤構築を優先する方針で、短期的な利益圧迫要因となっている。
最終更新: 2026年7月17日

