事業内容
株式会社ヴィッツは1997年設立、名古屋を拠点とする組込みソフトウェア専業企業。自動車・産業機器向け制御ソフトウェア受託開発・SESを主軸とするソフトウェア事業(売上高3,983百万円)を中核に、子会社テスコ株式会社によるX線CT装置の製造・販売・保守を担うセンシング事業(862百万円)、子会社リザーブマートによる自治体向けクラウド型施設予約システムのその他事業(12百万円)の3セグメントで構成。
主要顧客はアイシン・ソフトウェア、レーザーテック、SCオートモーティブエンジニアリング、トヨタ自動車など自動車・半導体検査装置メーカー。機能安全・サイバーセキュリティ・AIセーフティ・シミュレーション技術を強みとし、Society 5.0実現に向けた基盤技術を提供する。
東京証券取引所スタンダード市場上場。
ビジネスモデル
主収益はSES(ソフトウェア・エンジニアリング・サービス)および制御ソフトウェア受託開発による労働対価型売上。これに加え、機能安全・セキュリティコンサルティング、デジタルツインプラットフォーム「SF Twin」・交通シミュレーション「WARXSS」等の自社製品販売、AIセーフティガイドライン提供など知財・製品収益の比率拡大を推進。
センシング事業ではX線CT装置の製造・販売・保守サービスによる収益、その他事業ではストック型の施設予約システム利用料収益を積み上げる多層的な収益構造を構築している。
企業の強み
2010年にIEC 61508 SIL-3ソフトウェア開発プロセス認証を国内初取得、2012年にISO 26262 ASIL-Dを世界初取得。サイバーセキュリティ規格IEC 62443対応実績も保有。これらの認証・実績が自動車・産業機器メーカーからの高付加価値案件獲得の参入障壁となっている。
2025年8月期末の受注残高はソフトウェア事業811百万円(前期末比196.2%増)、センシング事業426百万円を含む合計1,260百万円。受注高も全社4,924百万円(前期比127.0%増)と高水準で推移しており、次期以降の売上計上に対する可視性が高い。
2022年スクデット・ソフトウェア取得、2023年クリスタライト設立・イーガー取得、2024年テスコ取得(センシング事業開始)、2025年リザーブマート取得と毎期M&Aを実行。2025年8月期売上高4,857百万円は2021年8月期2,199百万円の約2.2倍に拡大。
後発事象としてアグコントロールシステム子会社化(2026年3月)も決議済み。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年8月期第3四半期累計(9ヶ月)の売上高は4,297百万円(前年同期比+16.7%)、営業利益586百万円(同+25.8%)、経常利益606百万円(同+25.0%)、親会社株主帰属四半期純利益411百万円(同+22.4%)。ソフトウェア事業が売上高3,594百万円(同+25.8%)・セグメント利益544百万円(同+47.8%)と牽引する一方、センシング事業は大型案件の納期ずれにより売上高615百万円(同▲25.4%)と大幅減収。
通期予想は売上高5,650百万円(前期比+16.3%)・営業利益633百万円(同+11.7%)に修正済み。過去5期の売上高推移(2021期2,199百万円→2025期4,857百万円)と比較すると成長軌道は継続しているが、EV需要減退という外部要因が第4四半期以降の不透明要因として残存する。
成長戦略
SDV・AIセーフティ・非破壊検査の技術融合と知財収益化により次世代収益基盤を構築
Software Defined Vehicle(SDV)対応を目的としたセグメント統合と技術融合を推進。AIを自律化システムに安全搭載するAIセーフティコンサルティングや機能安全・セキュリティ分野での受注拡大を図る。
2026年8月期第3四半期累計でシミュレータ・仮想空間技術・セキュリティ・セーフティの売上が好調に推移しており、戦略の実効性が確認されている。
2026年3月に連結子会社化したAG社(農業向けレーザー・GPS技術マシンコントロール装置)と既存のRM社(クラウド型施設予約システム)を「その他」セグメントとして育成。AG社は5〜8月が閑散期であり、第4四半期以降の本格的な収益貢献が期待される。
現時点では一時費用(アドバイザリー費用等)の影響でセグメント損失(16百万円)を計上中。
受注価額の継続的な見直しと高利益率案件の選別強化により、売上総利益率の改善を図る。2026年8月期第3四半期累計においてソフトウェア事業のセグメント利益率が15.1%に達しており、人件費・外注費上昇という逆風下でも利益率改善が実現されている。
国の成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)に係る補助金収入を活用し、研究開発投資を継続。2026年8月期第3四半期累計の補助金収入は14百万円(前年同期比+49%)と増加しており、経常利益の補完要因として機能している。
最終更新: 2026年7月17日

