事業内容
ウイングアーク1st株式会社は、「データエンパワーメント事業」を単一セグメントとして展開する国内ソフトウェア企業。帳票市場シェア65.1%を誇る「SVF」と電子文書管理「invoiceAgent」を核とした帳票・文書管理ソリューション(BDS)と、BI・データ分析基盤「Dr.Sum」「MotionBoard」を中心としたデータエンパワーメントソリューション(DE)の2軸で、大企業・官公庁・自治体を主要顧客として企業のDXを支援する。
連結子会社7社・持分法適用会社1社で構成され、国内を主戦場としつつシンガポール・オーストラリア・中国にも拠点を持つ。2026年2月期の売上収益は30,946百万円。
ビジネスモデル
621社(2025年2月期末)のSIerパートナーを通じた間接販売を主軸とし、ソフトウェアライセンス・保守サポート・クラウドサービス・サブスクリプションの4区分で収益を得る。継続契約を前提とするリカーリングレベニューは2025年2月期に17,494百万円(リカーリング比率60.9%)に達し、契約継続率93.7%の高水準が収益の安定性を担保する。
クラウドシフトの加速により、クラウド収益は前期比22.5%増の5,245百万円と拡大中。
企業の強み
主力製品「SVF」は帳票運用製品市場でシェア65.1%(デロイト トーマツ ミック経済研究所調べ、2020年度実績)を有し、大企業・官公庁の基幹システムに深く組み込まれている。帳票出力の85%がデジタル化済みであり、システム変更コストの高さが強固な参入障壁を形成している。
「SVF」「invoiceAgent」「Dr.Sum」「MotionBoard」の保守契約における契約継続率は2025年2月期93.7%と高水準を維持。リカーリングレベニューは2021年2月期11,318百万円から2025年2月期17,494百万円へ5期連続で拡大し、業績の安定性と予見性を高めている。
大企業・官公庁向け大型案件を得意とするSIerから地方拠点SIer、クラウドSIerまで621社(2025年2月期末)と契約し、日本全国のシステム開発案件をカバー。間接販売モデルにより営業コストを抑制しつつ継続的な案件創出を実現しており、2021年2月期の486社から着実に拡大している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2022期から2026期にかけて売上高は19,833百万円→30,946百万円と5期連続増収、営業利益も5,986百万円→8,990百万円と拡大基調を維持。2027年2月期第1四半期(2026年3月〜5月)は売上収益7,806百万円(前年同期比6.7%増)、営業利益2,167百万円(同3.3%増)、EBITDA2,565百万円(同4.0%増)、親会社帰属四半期利益1,559百万円(同6.3%増)と全指標で増収増益を達成。
外部要因として企業向けIT市場の堅調な成長(2026年前年比6.0%増見込み)と国内パブリッククラウド市場の高成長(同20.4%増見込み)が追い風。ただし四半期包括利益は投資有価証券の公正価値評価損(1,258百万円)により339百万円(前年同期比84.6%減)と大幅減少。
営業CFは4,084百万円(前年同期1,916百万円)と大幅改善し、現金残高は15,320百万円に増加。通期予想(売上34,300百万円・営業利益10,600百万円)は修正なし。
成長戦略
クラウドシフト加速・公共領域進出・生成AI搭載・自己株式取得による企業価値向上
クラウド収益は2027年2月期第1四半期に1,999百万円(前年同期比37.9%増)と高成長を維持。帳票クラウド需要の旺盛さとペーパーレス化による電子帳票管理需要の増加が牽引。通期でのクラウド収益拡大が売上成長の主軸。
ウイングアークNEX株式会社の連結と公共ソリューション「Govlong」の本格売上計上により、自治体・官公庁市場への展開が加速。Dr.Sumサブスクリプションが前年同期比133.9%増、SVFサブスクリプションが同36.6%増と急拡大しており、ガバメントクラウド移行・情報システム標準化需要を取り込んでいる。
「dejiren AI」とNTTデータ・ビズインテグラルのERPとのデータ連携コネクタ提供(2026年6月開始)、SVF ArchiveのMCP対応(2026年6月20日開始)、サイバートラスト社との協業によるデジタルトラスト基盤構築など、AI時代に対応した製品・パートナーシップ戦略を推進。
2026年7月14日取締役会決議により、上限1,200,000株(発行済株式総数の3.45%)・取得価額上限30億円の自己株式取得を2026年8月〜2027年5月に実施予定。現株価水準を企業価値に対し不十分と経営陣が認識し、資本効率向上と中長期的な企業価値向上を目的とする。
最終更新: 2026年7月17日

