事業内容
イーソル株式会社は1975年設立の組込みソフトウェア専業グループ。自社製リアルタイムOS(RTOS)からミドルウェア、プラットフォーム、アプリケーション、開発ツールまでの全階層を統合提供する「フルスタックエンジニアリング」を核心とする。
主要顧客はデンソー(売上高比15.0%)、ソニー(同12.3%)、本田技研工業(同7.8%)等の大手メーカー。連結子会社にイーソルトリニティ(開発ツール・教育)、eSOL Europe S.A.S.(欧州)、KMCホールディングス(京都マイクロコンピュータ)を擁し、自動車SDV需要を主軸に産業横断的な組込みソフトウェア市場を対象とする。
サブ事業として食肉・物流向けハードウェアのセンシングソリューション事業も展開する。
ビジネスモデル
収益の主軸はエンジニアリングサービス(2025年12月期売上高9,873百万円、組込みソフトウェア事業の約86%)で、顧客製品の企画段階から量産まで長期継続取引が特徴。自社製RTOSは開発ライセンス・ロイヤリティ・保守ライセンスの三層収益モデルを持ち、量産ロイヤリティが安定的なストック収益を形成。
開発ツール・コンサルティング・教育も提供し、顧客の開発プロセス全体に深く組み込まれることで高い顧客粘着性を実現している。
企業の強み
国内組込みソフトウェア企業の中で、自社製RTOSおよびツール等のソフトウェア製品開発力とエンジニアリングサービスの両方を提供できるユニークなポジションを有する。AUTOSAR OS、マルチコア対応eMCOS等の自社IP資産が高付加価値案件獲得の基盤となっている。
デンソー(売上高比15.0%)、ソニー(同12.3%)、本田技研工業(同7.8%)等の大手メーカーとの直接取引が多く、取引期間が非常に長い。2025年12月期の組込みソフトウェア事業受注残高は1,698百万円(前期比21.7%増)に達し、翌期以降の売上貢献が見込まれる。
自動車・医療分野で需要が高まる機能安全規格の認証取得を推進しており、参入障壁の高い高付加価値案件の獲得を進めている。ハードウェアとソフトウェア両面の知見が必要な組込み領域の特性が、技術知見のない企業に対する参入障壁として機能している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
過去5期の売上高は2021年12月期8,938百万円から2025年12月期12,130百万円へ約36%増と成長基調を維持。利益面は2022年12月期・2023年12月期に赤字・低利益が続いた後、2024年12月期に営業利益1,113百万円と急回復したが、2025年12月期は815百万円に反落した。
2026年12月期第1四半期は営業利益200百万円(前年同期比24.4%増)、純利益236百万円(同110.7%増)と明確な回復を示した。ソフトウェア製商品の急拡大(前年同期比111.6%増)と助成金収入(34百万円)・保険解約返戻金(26百万円)等の営業外収益増加が経常利益の大幅改善(同56.9%増)に寄与。
SDV開発加速という外部要因が組込みソフトウェア需要を押し上げており、通期予想(営業利益1,093百万円、前期比34.1%増)の達成に向けた進捗は順調と判断される。
成長戦略
SDV需要取込・フルスタック深化・KMC統合・中期計画「eSOL Reborn 2030」による事業拡大
自動車市場のソフトウェアファースト化を背景に、次世代SDV開発向けフルスタックエンジニアリングの提供を強化。2026年12月期第1四半期のソフトウェア製商品売上高が前年同期比111.6%増と急拡大しており、需要取り込みが数値に表れている。
自動車・医療分野を中心に機能安全規格(ISO 26262等)の認証取得を継続推進し、競合参入が困難な高付加価値領域での受注拡大を図る。認証実績の蓄積が差別化要因として機能し、利益率改善にも寄与する。
KMCホールディングスの連結により事業領域・顧客基盤を拡充。のれん償却額は2026年12月期第1四半期に11百万円計上されており、統合コストを上回る収益貢献の実現が課題。エンジニアリングサービスの顧客基盤拡大に寄与することが期待される。
食肉市場・倉庫物流業界向けに車載プリンタ・ハンディターミナルの拡販を推進。2026年12月期第1四半期は売上高96百万円(前年同期比29.1%減)、セグメント損失21百万円と損失が拡大しており、ハードウェアエンジニアリングサービスの回復が急務。
2030年に向けた中期経営計画のもと、フルスタックエンジニアリングの深化・製品ラインアップ拡充・グローバル展開を推進。2026年12月期通期予想(売上高14,731百万円、営業利益1,093百万円)は前期比それぞれ21.4%増・34.1%増と高成長を見込む。
最終更新: 2026年7月17日

