事業内容
新日本理化株式会社は1919年創業の化学品メーカーで、天然油脂を原料とする脂肪酸・高級アルコール・界面活性剤と、石油化学製品を原料とする可塑剤・機能製品・樹脂添加剤を主力とする。当社および子会社6社・関連会社3社で構成されるグループを形成し、国内工場(京都・徳島・千葉)での製造に加え、マレーシアの関連会社からの仕入販売も行う。
主要顧客はトイレタリー・建材・自動車・電子材料メーカーなど幅広い産業に及ぶ。2022年にはスタンダード市場へ移行し、現在は次世代半導体・環境対応分野でのグローバルニッチトップを目指す構造改革期にある。
ビジネスモデル
天然油脂・石油化学原料を調達し、自社工場および子会社で製造した化学品を国内外の産業顧客へ直接販売する製造販売モデル。汎用品が売上の主体を占めるが、海外廉価品との競合激化を受け、高耐候性可塑剤・医薬品原料・化粧品素材・半導体材料向け高機能製品へのシフトを推進。
研究開発費919百万円(2026年3月期)を投じ、バイオマス由来製品や光学材料など差別化製品の早期事業化を図ることで、利益率の改善を目指す。
企業の強み
リカナチュラ®アルカン製造用独自触媒の開発が第76回大阪工研協会工業技術賞を受賞し、PLA向けRiKACRYSTA®に続き4年連続受賞を達成。北陸先端科学技術大学院大学・大阪公立大学など6大学との共同研究を通じ、機能発現解明と物性評価技術を高めるオープンイノベーション体制を構築している。
RiKACRYSTA®・RiKANATURA®・グリーンサイザー®・RiKAiJAST®・リカシッド®など複数の登録商標製品群を保有し、知的財産戦略部が権利保護と活用を一体的に推進。知財情報と市場情報を融合した分析により顧客提案力を強化しており、競合他社が短期間で模倣困難な無形資産基盤を形成している。
2026年3月期末の自己資本比率は48.9%、純資産は20,987百万円。現金及び現金同等物残高は5,532百万円(前期比2,752百万円増)で、営業キャッシュ・フローは1,643百万円のプラスに転換。
有利子負債残高7,402百万円に対し現金残高が相応の水準を維持しており、構造改革投資を自己資金で賄える財務基盤を有する。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022期32,358百万円→2026期32,105百万円と5期間を通じて横ばい圏で推移。営業利益は2023期に△439百万円の赤字に落ち込んだ後、2024期361百万円→2025期829百万円と急回復したが、2026期は576百万円に再び低下した。
外部要因としてナフサ価格高騰・アジア廉価品流入・トランプ関税による自動車向け需要減が収益を圧迫。一方、投資有価証券売却益824百万円の計上により当期純利益は597百万円と前期比増加。
営業CFは1,643百万円のプラスに転換し、現金残高は5,532百万円に積み上がった。
成長戦略
高機能・環境貢献製品へのポートフォリオ転換とグローバルニッチトップ戦略による高収益化
前期に酸無水物・可塑剤製品の生産終了を決定し、当期に堺工場の閉鎖を決定。工場閉鎖損失504百万円を計上済みで、生産効率向上と固定費削減による収益構造改善を目指す。
脱炭素社会の実現に向けバイオマス由来原料を活用した新製品シリーズの開発・市場展開を積極推進。環境規制強化という外部要因を追い風に、汎用品からの収益構造転換を図る。
樹脂成型における生産効率向上に寄与するRiKACRYSTA®の自動車部品での採用が進展。高付加価値製品比率の向上により、汎用品競合による収益圧迫を補完する役割を担う。
2026年3月期に2社を新規連結(連結範囲の重要な変更)。欧米市場への直接展開により、地政学リスク分散と海外売上基盤の構築を図る。新規連結に伴う現金増加632百万円を確認。
2030年に向けた経営ビジョン「Be the best SPICE!」のもと、次世代半導体・環境対応分野での先端領域グローバルニッチトップ戦略を推進。DXによる業務革新・知財戦略高度化・人財育成を並行して推進し、高収益事業構造への転換を加速させる。
最終更新: 2026年7月19日

