事業内容
モビルス株式会社は「CX-Branding Tech.」を掲げ、コンタクトセンターのデジタル変革を支援するSaaS専業企業。チャット・ボイスボット等のノンボイスチャネル拡充(モビシリーズ)、生成AIを活用したオペレータ支援(MooAシリーズ)、AIエージェントによる完全自動応答(vottia社maestra)という3層のソリューション群を展開する。
金融機関・大手メーカー・官公庁・自治体など大規模コンタクトセンターを主要顧客とし、直販・代理店・OEMの3チャネルを通じてサービスを提供。2025年8月期の売上高は1,854百万円、SaaSサービスが売上高の74%を占めるサブスクリプション型収益構造を確立している。
ビジネスモデル
主収益はSaaSサービスの月額・年額利用料(サブスクリプション)と従量課金で構成され、2025年8月期のサブスクリプション売上高は1,364,377千円(売上高比74%)。これに加え、導入支援・カスタマイズ開発・コンサルティング等のプロフェッショナルサービス(490,360千円)が収益を補完する。
直販・代理店(40社超)・OEM(テクマトリックス、トランス・コスモス、富士通)の3チャネルで顧客基盤を拡大し、アップセル・クロスセルにより契約当たり平均単価を継続的に引き上げる構造。
企業の強み
リリース前段階からメガバンクをはじめとした大企業がプロダクト仕様検討に参画する共同開発プロセスを採用。数百席規模の大規模チャットセンターに対応し、金融・メーカー・インフラ・官公庁など多業種での導入実績を有する。
2025年8月期末の契約数322件、契約当たり平均単価295千円(前期比+55千円)と大型化が進行中。
BPO企業・システムインテグレータ・AI企業など40社超と販売代理店契約を締結。BPO市場シェアトップ10社のうち8社がセールスパートナー。テクマトリックス・トランス・コスモス・富士通の3社にはOEM供給を行い、直接アクセスが困難な業界・地域への販路を確保している。
2025年8月期第4四半期の直近12ヶ月平均解約率は0.63%と低水準で推移し、前四半期(0.72%)からさらに改善。コンタクトセンター運営ノウハウを持つ専門チームによるカスタマーサクセス活動(KPI可視化・PDCA支援・プロンプトチューニング等)が顧客定着を支えている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年8月期第3四半期累計(連結)は売上高1,565百万円(前年同期比+18.5%)と成長を継続。SaaSサービス1,147百万円(+14.4%)、プロフェッショナルサービス418百万円(+31.4%)と両サービスが拡大。
一方、販売費及び一般管理費が1,066百万円(前年同期比+226百万円)へ膨張し、営業損失77百万円(前年同期は営業利益44百万円)、経常損失91百万円、親会社株主帰属四半期純損失34百万円と損益が悪化。EBITDAも122百万円(前年同期比△28.3%)と減少。
個別ベースでは営業利益33百万円の黒字を維持しており、連結赤字は子会社投資フェーズの影響が主因。過去5期の推移では2023・2024期に大幅赤字を計上後、2025期に黒字転換を果たしたが、2026期は連結ベースで再び赤字局面となっている。
外部環境として国内企業の人手不足・コスト削減圧力によるコンタクトセンター自動化需要は継続的に拡大しており、売上成長の追い風となっている。
成長戦略
ARR拡大・生成AI製品収益化・AIエージェント新領域開拓の3軸で中長期成長を追求
代理店経由のチャットソリューション拡販を加速し、ARR成長を牽引。2026年8月期第3四半期末の代理店ARRは507,348千円と前年同期比+26.4%増と最も高い成長率を示しており、間接販売チャネルの拡充が主要な成長エンジンとなっている。
オペレーター支援AI「MooA」の導入に伴う複数のカスタマイズ開発案件がプロフェッショナルサービス売上に寄与し、同サービスは前年同期比+31.4%の高成長を達成。有償カスタマーサクセス案件の獲得増加も加わり、SaaS以外の収益源として確立しつつある。
子会社vottia社が開発するAIエージェント「maestra」を通じ、消費者向け自動応答領域への新規展開を推進。現時点では先行投資フェーズにあり、連結ベースの損失拡大要因となっているが、中長期的な新市場獲得を目指す戦略的投資と位置付けられる。
新規案件の大型化と既存顧客への追加購入促進により、契約当たり平均単価は325千円(前年同期比+38千円増)と継続上昇。契約数が微減する中でもARRを維持・拡大するための重要施策として機能しており、顧客深耕営業の成果が数値に表れている。
最終更新: 2026年7月17日

