事業内容
株式会社トリケミカル研究所は1978年創業の半導体等製造用高純度化学化合物の専業メーカーである。CVD材料・ドライエッチング材料・拡散材料の3カテゴリを中心に、半導体ウェハプロセスの多岐にわたる工程向け材料を供給する。
主要顧客はTOPCO Scientific Co., Ltd.(売上高比22.2%)、日本エア・リキード(同14.5%)、Changxin Xinqiao Memory Technologies(同10.8%)等の半導体関連企業。国内の上野原・南アルプス事業所に加え、台湾子会社・韓国合弁・中国合弁・中国子会社を含む6社体制でアジア主要半導体市場をカバーする。
半導体微細化に伴う材料変遷に対し、材料工学・応用化学の観点から新材料の開発・提案を継続的に行うことを事業の根幹としている。
ビジネスモデル
顧客の製造プロセス変更ニーズに先行して新材料を開発・提案し、認証取得後に量産供給する「開発提案型」の収益モデルを採る。受託合成・受託実験・特殊容器設計等の付帯サービスで差別化を図り、単純な材料販売に留まらない高付加価値化を実現。
2026年1月期の売上高営業利益率は24.7%と高水準を維持しており、韓国合弁SK Tri Chem Co., Ltd.からの持分法投資利益も経常利益を押し上げる構造となっている。
企業の強み
2026年1月期の売上高営業利益率は24.7%(営業利益5,902百万円)と、中期経営計画目標の25%程度に近い水準を達成。2022年1月期25.7%、2023年1月期25.4%と一貫して高収益体質を維持しており、販売価格改定やコスト管理の徹底が奏功している。
日本(上野原・南アルプス)、台湾(三化電子材料股份有限公司・銅鑼工場)、韓国(SK Tri Chem Co., Ltd.)、中国(安徳拓化(安徽)電子材料有限公司・上海特李化学科技有限公司)の4極体制を構築。主要半導体製造国に生産・販売拠点を持ち、顧客ニーズへの迅速な対応と市場拡大を同時に実現している。
韓国合弁SK Tri Chem Co., Ltd.からの持分法による投資利益が営業外収益の主要項目を構成し、2026年1月期の経常利益7,090百万円は営業利益5,902百万円を大幅に上回る。持分法投資利益が実質的な収益バッファーとして機能し、財務安定性を高めている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2024年1月期11,246百万円を底に、2025年1月期18,906百万円、2026年1月期23,883百万円と急回復し、2027年1月期は通期予想27,000百万円(前期比+13.1%)。2027年1月期第1四半期は売上高7,488百万円(前年同期比+14.0%)、営業利益2,069百万円(同+20.8%)と好調。
外部要因として、生成AI普及に伴うデータセンター投資拡大・先端ロジック・メモリ向け投資意欲の堅調が需要を下支えしている。一方、通期の経常利益・当期純利益は前期比減益予想であり、為替差益(当1Q:142百万円)の持続性や中国顧客の在庫積み増し効果の剥落リスクが下期の焦点となる。
成長戦略
中期経営計画で2029年1月期売上高317億円・営業利益86.5億円を目指し4極体制を強化
新規エッチング材料等の生産拠点として南アルプス事業所の生産体制構築に注力。2027年1月期第1四半期に有形固定資産取得2,423百万円を実行し、設備増強を加速。生成AI向け新規材料や既存製品の需要増に対応する生産・品質管理体制の継続的強化を推進。
台湾向け売上高は2027年1月期第1四半期に2,460百万円(前年同期比約44%増)と急拡大しており、現地生産体制の増強が成長を支えている。先端ロジック向け需要の取り込みを継続。
中国向け売上高は2027年1月期第1四半期に3,019百万円(売上高比40.3%)と最大地域を維持。地政学リスクに備えた顧客の在庫積み増し需要も取り込みつつ、現地生産による安定供給体制の確立を目指す。
持分法適用会社であるSK Tri Chem Co., Ltd.からの投資利益は2027年1月期第1四半期に295百万円を計上。韓国向け売上高も691百万円(前年同期比約20%増)と拡大しており、グループ連携による収益貢献が継続している。
最終更新: 2026年7月17日

