事業内容
株式会社シーティーエスは「Construction Total Support service」を社名の由来とし、土木・建築会社を主要顧客として建設現場のデジタル化を支援する企業である。主力のDDS事業ではクラウドストレージ・クラウド映像・通信ネットワーク等を統合した「サイトアシストパッケージ(SAP)」を提供し、SMS事業ではGNSS等を活用したワンマン測量システムのレンタル・販売を展開する。
1972年の測量計測事業創業から半世紀を経て全国32支店体制を構築し、東証プライム市場に上場。建設業界の生産性向上・DX化という社会課題に対応する専門企業として事業を展開している。
ビジネスモデル
主力のDDS事業はクラウドサービスのサブスクリプションおよびICT機器のレンタルを中心とした継続課金型収益モデルを採用し、セグメント利益率32.0%(2026年3月期)を実現している。SMS事業も測量計測機器のレンタルを主軸とし、販売を補完的に組み合わせる。
レンタル資産の大半はリース調達により初期投資を抑制しつつ、現場単位取引から法人契約(BtoB)への移行を進めることで受注の安定性と収益性を高める構造を持つ。
企業の強み
2026年3月期のDDS事業売上高は7,510百万円、セグメント利益率32.0%と高水準を維持。全国32支店での独自セミナー・展示会活動を通じてSAPの認知拡大と新規顧客獲得を継続的に推進しており、地理的カバレッジと高収益事業の組み合わせが競合他社が短期間で模倣困難な競争優位を形成している。
クラウドストレージ・クラウド映像サービスを中心としたサブスクリプション収益が拡大し、現場単位取引の法人契約化(BtoB化)が進展。リピート率70.0%を維持しつつ、継続課金型収益が積み上がる構造により、2022年3月期から2026年3月期にかけて売上高・営業利益ともに5期連続増収増益を達成している。
2021年4月に開設した測量機器管理センターは世界トップクラスの管理水準を標榜し、高度化・多様化する測量機器の維持・管理において差別化を実現。SMS事業のレンタル競争力を支える自社固有のインフラとして機能しており、2026年3月期のSMS事業セグメント利益率は19.4%に達している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期は売上高12,747百万円(前期比7.8%増)、営業利益3,369百万円(同9.5%増)、親会社株主帰属当期純利益2,686百万円(同22.7%増)と5期連続の増収増益を達成。DDS事業(売上高7,510百万円、前期比8.9%増)とSMS事業(売上高3,870百万円、同10.4%増)が牽引し、その他セグメントのみ売上高1,367百万円(同3.7%減)・セグメント利益214百万円(同22.6%減)と苦戦。
市場環境として、国土強靭化計画に基づく公共投資の底堅さと民間投資の堅調推移が追い風となった一方、資材価格高騰・人手不足による工事件数の横ばい推移が成長の上限を制約している。販管費は人件費増・マーケティング費用増により3,179百万円(同6.0%増)と増加したが、売上総利益の伸び(6,548百万円、同7.8%増)が吸収し営業利益率は26.4%(前期26.0%から0.4pt改善)を確保した。
成長戦略
SAPによる建設ICT専門企業への転換と新中期計画(2027〜2029年3月期)の推進
クラウドストレージ・映像・通信・ディスプレイ等を統合したSAPを全国地場ゼネコン約2,600社および広域ゼネコン約100社に展開。2026年3月期のSAP売上高は2,795百万円。
新中期計画では2029年3月期に55億円(2026年3月期対比+96%)を目標とする。全国セミナーの拡充とBtoB取引化推進が主要施策。
ファイルフォース株式会社(持分法適用関連会社、2026年3月期に黒字化)へのAI実装を通じてSAPのコンテンツを高度化。独自性・専門技術を有する企業との連携深化および新たな企業との協業・投資も模索し、SAPの機能拡充と品質向上を図る。
簡易型河川監視カメラの入替・増設を起点に官公庁市場へ参入し、河川管理部署から道路・観光等への水平展開を図る。建設市場以外の顧客基盤多様化により、建設業界への高依存リスクを低減することが目的。
DDS事業で構築した顧客基盤を活用し、ワンマン測量システムのレンタルを中心に効率的な営業活動を展開。2026年3月期SMS売上高は3,870百万円(前期比10.4%増)と好調だったが、次期予想は3,750百万円(同3.1%減)と一時的な調整を見込む。
世界トップクラスの測量機器管理センターによる差別化を継続。
新中期経営計画の財務活動方針として「累進配当」継続を明記。2026年3月期年間配当29円から2027年3月期は30円へ増配予定(配当性向45.5%)。後発事象として上限500,000株・500百万円の自己株式取得(2026年5月〜12月)を決議し、資本効率の向上と機動的な資本政策を推進。
最終更新: 2026年7月19日

