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ぴあ株式会社

4337東証プライムサービス業

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ぴあ株式会社4337

事業内容

ぴあ株式会社は1972年創業のエンタテインメント総合企業。「チケットぴあ」は1984年開始の日本初コンピュータオンラインチケット販売システムで、年間約160,000公演・総発券枚数約8,500万枚を誇る国内最大級の規模を持つ。

チケット流通を核に、コンテンツ制作(年間約700公演主催)、ヴェニューネットワーク(ぴあアリーナMM等)、メディア創出、ぴあコミュニティ(ぴあ会員約2,200万人・ぴあカード会員約39万人)の6領域を連携させ、作り手と受け手を一気通貫で結ぶ「感動のライフライン」プラットフォームの構築を目指している。連結子会社9社・持分法適用関連会社6社等で構成される。

ビジネスモデル

主収益源はチケット販売手数料(2024年10月に16年ぶり改定)と約45,000社の興行主催者向けソリューション提供。これに加え、自社主催イベント(年間約700公演)による興行収益、ぴあアリーナMM等の会場運営収益、ぴあカード年会費(4,180円・約39万人)による安定的な会員収益、出版・デジタルメディア収益、DMS事業・ホスピタリティ事業等の新規サービス収益が積み上がる多層構造。

大阪・関西万博や東京2025世界陸上等の国際大会チケッティング受託も重要な収益機会となっている。

企業の強み

「チケットぴあ」は年間約160,000公演・約8,500万枚の発券規模を持ち、全国約38,000カ所(セブン-イレブン・ファミリーマート含む)の購入・発券拠点を有する。ぴあ会員約2,200万人・ぴあカード会員約39万人という大規模な顧客基盤は、競合が短期間で模倣困難な参入障壁を形成している。

長野冬季五輪(1998年)以降、夏冬全オリンピック、ラグビーW杯2019、東京2020、大阪・関西万博(来場者2,500万人超)、東京2025世界陸上(約58万枚販売)と大型国際大会のチケッティング業務を一貫して受託・完遂してきた実績は、他社が容易に代替できない競争優位となっている。

年間約700公演の自社主催事業、1万人収容の「ぴあアリーナMM」(2020年開業)に加え、2026年には「東京建物ぴあシアター&カンファレンス」「Shibuya PIT ZERO」の運営も開始。豊洲PIT・仙台PITも含め、コンテンツ制作から会場運営まで垂直統合したバリューチェーンを自社内に保有している。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期は売上高55,330百万円(前期比+22.0%)、営業利益4,311百万円(同+63.6%)、親会社株主帰属当期純利益3,317百万円(同+108.4%)と全利益項目で過去最高を更新した。利益剰余金は前期の△874百万円から2,442百万円へ転換し累損を一掃、6期ぶりの復配(1株35円)も実現した。

自己資本比率も7.1%→9.2%へ改善しており、コロナ禍で毀損した財務基盤の回復は明確に確認できる段階に入った。

2027年3月期会社予想は売上高48,000百万円(前期比△13.2%)、営業利益2,500百万円(同△42.0%)と大幅な減収減益を見込む。大阪・関西万博・東京2025世界陸上という一時的収益増分の剥落に加え、次世代プラットフォーム開発・セキュリティ強化・ヴェニューネットワーク拡大・2028年本社移転準備等の投資コスト増が重なる。

新中期経営計画(2026〜2028年度)最終年度の営業利益目標は32億円であり、2026年3月期実績43億円を下回る水準に設定されている点は投資家が留意すべき事項である。

総資産117,249百万円に対し純資産は10,753百万円(自己資本比率9.2%)にとどまる。負債の大宗は買掛金67,814百万円と前受金9,180百万円であり、これらはチケット販売代金の預かり性質を持つため実質的な信用リスクは限定的との見方もある。

一方、長期借入金は15,814百万円(流動・固定合計)残存しており、新中期計画期間中の積極投資局面において財務レバレッジの動向は引き続き注視が必要である。インタレスト・カバレッジ・レシオは39.2倍と十分な水準を維持している。

成長戦略

「感動のライフライン事業」実現に向け2026〜2028年度を重点投資期間と位置づけ

自社主催・企画・運営イベントの増加とアリーナ・ホール運営ネットワークの拡充により、チケット手数料依存からの収益多様化を推進。2026年3月期は主催事業増加が過去最高益に貢献した。新中期計画でも引き続き拡大投資を継続する方針。

前中期経営計画でトライアルしてきたホスピタリティ事業・データマーケティング(DMS)事業・グローバル事業について、新中期計画期間中に黒字化を目指す。各事業の収益貢献が本格化すれば、基幹チケット事業への依存度低下につながる。

「感動のライフライン事業」を支える事業インフラ高度化として、次世代プラットフォームへのスムーズな移行・安定稼働を実現する。業務フロー見直し・セキュリティ強化・全社的AI活用による事業・サービス開発の進化を推進。システム開発・セキュリティ強化コストの増加が2027年3月期の減益要因の一つ。

2032年創業60周年を見据え、コンテンツ創出からコミュニティ醸成・チケッティング・プロモーション・アリーナ運営までを一気通貫に結ぶ事業モデルを構築。2032年度目標として営業利益60億円超・純資産250億円超・自己資本比率20%超(買掛金補正後30%超)・1株当たり配当100円の大台を掲げる。

2026年3月期に累損を一掃し1株35円の期末配当(配当性向16.2%)を実現、6期ぶりの復配を達成した。2027年3月期予想配当は1株30円(配当性向30.7%)。連結配当性向30%程度を目安とする方針を継続し、将来的には1株100円の大台を目指す方針を表明している。

最終更新: 2026年7月19日