継続企業前提・債務超過
EMEA及びAmericasにおけるのれん減損損失396,074百万円の計上に伴い、個別財務諸表において関係会社株式評価損286,714百万円・貸倒引当金繰入額171,858百万円を計上した結果、当社単体で債務超過となり継続企業の前提に重要な疑義が生じている。グループ全体の資金繰りや多様な資金調達手段から事業継続性への懸念はないと判断しているが、中期経営計画に基づく不振ビジネスの見直しと経営基盤再構築によるバランスシート健全化が急務となっている。なお、2026年1月実施の固定資産譲渡により翌事業年度に固定資産売却益270億円の計上を見込んでいる。
競争力低下・市場シェア喪失
メディアプラットフォームなど巨大プレーヤーの台頭や、テクノロジー企業・コンサルティング企業によるAI等への巨額投資により、業界内外での競争環境が激化し、当社グループの相対的ポジションが低下するリスクがある。既存顧客の維持・新規顧客獲得に影響が出ることで、戦略目標・財務目標の未達、市場シェアの喪失、協賛権・放送権・コンテンツ価値の低下、財務上の損失につながる可能性がある。2025〜2027年の中期経営計画において競争優位性・収益性の回復を目標に掲げ、事業戦略のフォーカス・経営基盤再構築・不振ビジネスの見直しに取り組んでいる。
事業変革の遅延・失敗
2024年1月に導入した「One dentsu オペレーティング・モデル」による組織変革が想定どおりに進まない場合、業績に悪影響を及ぼす可能性がある。また、事業環境の急速な変化に構造改革が追いつかない場合、内部統制の脆弱化や管理体制の不備が顕在化するリスクがある。意思決定の迅速化・責任の明確化・権限委譲を可能にする簡素化された組織構造への変革を推進しているが、その実行リスクは継続的な課題となっている。
情報・サイバーセキュリティ
業務遂行過程で顧客の未公開情報を頻繁に受領する事業特性上、情報漏えいや外部サイバー攻撃・内部者による重大なビジネスシステム・データの機密性・完全性・可用性への脅威が生じた場合、運用・規制・財務・レピュテーション上の重大な問題が発生するリスクがある。国内・海外のネットワークセキュリティ部門を束ねるグループ・セキュリティ機能を設置し、進化する脅威の重大性を継続的に評価するとともに、情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格を取得して対応している。
個人情報・データガバナンス
パーソナルデータを活用したマーケティング・サービスを提供する中、個人情報保護法やEU一般データ保護規則(GDPR)等の法令・規制の改定により、データ利活用に制限が課された場合、一部サービスの提供が困難になる可能性がある。また、個人情報漏えい事故が発生した場合は信頼性の毀損と業績への悪影響が生じるリスクがある。グループ共通の「グローバルデータ保護原則」を制定し、各国法令・規制の改定に迅速に対応する体制を整備している。
人財獲得・育成・リテンション
「人が資本」を標榜する当社グループにとって、特に人財流動性の高い海外市場において必要な人財を十分に獲得・維持できない場合、顧客への高度なサービス提供が困難となり業績に悪影響を及ぼす可能性がある。毎年「People Discussion」を実施して人財の可視化と課題対応策を議論するとともに、採用業務のテクノロジー活用や上級職採用専門チームの設置により採用効率化を推進している。「dentsu Leadership Attributes」を人財マネジメントのバックボーンとして設定し、リーダーシップ育成投資も継続している。
コンプライアンス違反
故意または過失不注意による法規制・会社方針への違反が発生した場合、レピュテーションの低下と企業価値の著しい毀損につながるリスクがある。東京2020オリンピック・パラリンピック関連事案を受けて設置した「dentsu Japan改革委員会」の下で17施策を2024年12月に全て完了し、2025年1月からは「意識行動改革プロジェクト」としてインテグリティ最優先の組織風土定着と高水準のコンプライアンス徹底を推進している。
ブランド・レピュテーション毀損
ネガティブなメディア報道、ソーシャルメディア上のスキャンダル、広報上の失敗などによりブランドイメージが毀損した場合、クライアントからの信頼喪失・収益減少・従業員モチベーション低下・退職者増加・新規雇用困難などの悪影響が連鎖的に生じる可能性がある。2025年のリスク・レジスター更新において新たに認識されたリスクであり、その影響と対応策の検討を開始している。
景気変動・需要変動リスク
広告・マーケティング支出は景気動向に連動して増減しやすく、地政学リスクの顕在化やインフレ再燃懸念を含む世界経済の不確実性が当社グループの業績に直接影響する。また、生成AI活用やデジタルトランスフォーメーションなど顧客ニーズの高度化・複合化に適切に対応できない場合、中長期的な事業成長に悪影響を及ぼす可能性がある。グループ全体でデータ・テクノロジーを活用した顧客体験設計サービスへの対応力強化を進めている。
エンタープライズIT統合リスク
「One dentsu オペレーティング・モデル」の実現に向けたビジネス・オペレーションとエンタープライズ・テクノロジーの強化において、適切なテクノロジーソリューションへの投資が実行できない場合、またはグループとしてのITマネジメントが適切に実行できない場合、業務管理および事業成長に悪影響を及ぼす可能性がある。ITインフラへの投資と拡張を通じた俊敏で柔軟性のある組織の実現を目指しているが、グローバル規模での統合・導入には相応の実行リスクが伴う。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年4月27日

