事業内容
株式会社電通グループは、1901年創業の日本最大手広告会社を源流とし、現在は日本・Americas・EMEA・APACの4地域で広告、デジタルマーケティング、CXM(顧客体験管理)、BX/DXコンサルティング、スポーツ&エンターテインメントなど多様なコミュニケーションサービスを提供する純粋持株会社。国内では電通・電通デジタル・電通総研等、海外ではMerkle・Carat・iProspect等の主要ブランドを傘下に持ち、グローバルクライアントから各国ローカル企業まで幅広い顧客基盤を有する。
売上総利益は1,197,530百万円(2025年度)。
ビジネスモデル
クライアント企業に対し、メディアプランニング・バイイング、クリエイティブ制作、デジタルマーケティング、データ活用型CXM、BX/DXコンサルティングを統合的に提供する「Integrated Growth Solutions(IGS)」を核とする。収益は媒体取扱手数料、制作フィー、コンサルティングフィー等で構成。
日本事業が売上総利益の40%超を占め、海外3地域(Americas・EMEA・APAC)が残余を担う地域分散型収益構造を持つ。
企業の強み
日本セグメントは売上総利益495,592百万円(前期比6.2%増)、調整後営業利益121,105百万円(同6.1%増)を達成し、売上総利益で5年連続・調整後営業利益で2年連続の過去最高を更新。インターネット広告・BX・DX領域の成長が牽引し、オペレーティング・マージン24.4%を維持している。
海外3地域(Americas・EMEA・APAC)のメディア事業は2025年度において2年連続でプラスのオーガニック成長を実現。さらに2025年度はリージョン単位でも全地域がプラス成長となり、新規メディア案件のネットウィンも上期・下期ともにプラスを継続した。
格付投資情報センター(R&I)より長期格付AA-・短期格付a-1+を取得。極度額1,000億円のコミットメントライン設定に加え、社債・コマーシャルペーパー・債権流動化等の多様な調達手段を確保。2025年度末の現金及び現金同等物残高は295,183百万円を維持している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
過去5期の年間業績は売上高が微増基調(2021期1,085,592百万円→2025期1,435,245百万円)の一方、営業利益・当期利益は大幅悪化(2024期営業利益△124,992百万円、2025期△289,212百万円)とのれん減損が財務を直撃してきた。2026年12月期第1四半期は収益357,129百万円(前年同期比3.5%増)、売上総利益295,064百万円(同2.7%増)、調整後営業利益37,812百万円(同11.5%増)と恒常的収益力は改善傾向。
ただし営業利益64,958百万円の大幅増は電通銀座ビル譲渡益(29,678百万円)という一時要因が主因。売上総利益のオーガニック成長率は0.8%にとどまり、外部要因として円安が円換算業績を下支えしている構図は変わらない。
通期では調整後営業利益166,300百万円(前期比3.6%減)を予想しており、構造的な収益回復には引き続き時間を要する見通し。
成長戦略
不振ビジネス見直し・資産売却・日米重点投資による収益性と競争優位性の回復
インターネット広告・テレビ広告を中心としたマーケティング事業の成長に加え、DX・BX領域を拡大。販管費抑制によりオペレーティング・マージン30.8%(前年同期29.0%)を実現し、国内収益基盤を強化している。
電通銀座ビル譲渡(固定資産除売却益29,678百万円)を2026年第1四半期に実施し、親会社帰属持分を374,849百万円から417,230百万円へ増加。資産効率の改善と財務健全化を推進している。
Americasのオーガニック成長率△3.0%、APACの△7.5%と主要海外セグメントが低迷。米国CXM事業(Merkle)の回復と不振ビジネスの見直しを進めているが、2026年第1四半期時点では改善途上にある。
コスト管理強化と一部市場(英国・スペイン・ポーランド)でのプラスオーガニック成長により、調整後営業利益が前年同期の損失1,554百万円から利益2,547百万円へ黒字転換。オペレーティング・マージンは3.9%まで改善した。
グループ全体で販管費抑制を継続し、2026年第1四半期の調整後営業利益は前年同期比11.5%増の37,812百万円、オペレーティング・マージンは12.8%(前年同期11.8%から100bps改善)を達成。構造改革費用は3,581百万円を計上し、継続的な体質改善を推進している。
最終更新: 2026年7月17日

