株式会社クイック logo

株式会社クイック

4318東証プライムサービス業

株式会社クイック logo
株式会社クイック4318

事業内容

株式会社クイックは1980年創業の総合人材・情報サービス企業。人材紹介・派遣を中心とする人材サービス事業(売上高の約69%)を主軸に、求人広告代理のリクルーティング事業、北陸・新潟地域密着の地域情報サービス事業、人事ポータル「日本の人事部」を運営するHRプラットフォーム事業、米・欧・アジア7カ国で展開する海外事業の計5セグメントを有する。

看護・医療・建設・IT・製造業エンジニア等の特定領域に注力し、転職希望者と求人企業のマッチングを提供。東京証券取引所プライム市場上場。

ビジネスモデル

主力の人材紹介は採用成立時に求人企業から成功報酬(紹介手数料)を受領するモデル。人材派遣は派遣スタッフの稼働に応じた派遣料金収入。

リクルーティング事業はIndeed等アグリゲーション型求人メディアの広告代理手数料が主収益源。HRプラットフォーム事業は「日本の人事部」サイトへの広告掲載料とHRカンファレンス等イベントの講演枠販売で収益を得る。

地域情報サービス事業は生活情報誌への広告掲載料とポスティング配布料が収益基盤。

企業の強み

「看護roo!」ブランドによるTVCM・ウェブCM・SNSを活用したプロモーション強化で看護師紹介・派遣の登録者獲得を継続拡大。少子高齢化に伴う医療従事者不足を背景に看護師派遣ニーズが高水準で推移する中、介護施設・病院への営業強化と契約更新注力により堅調な収益基盤を構築している。

Indeed Japan社との販売代理店契約を毎年更新し(直近は2026年4月〜2027年3月)、アグリゲーション型求人サービスの取り扱いを主力商品として位置づける。リクルーティング事業・地域情報サービス事業の双方でIndeedを軸とした新規顧客開拓と高い既存顧客継続率を実現しており、求人広告代理における競争優位の源泉となっている。

2026年3月期末の有利子負債(借入金)残高は80百万円と実質無借金。自己資本比率は74.7%(前期71.0%から改善)、現金及び現金同等物残高は13,138百万円を確保。ROEは22.4%(前期比1.5ポイント改善)と資本効率も向上しており、投資余力と財務安定性を両立している。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の親会社株主帰属当期純利益は4,158百万円(前期比+16.1%)と大幅増益だが、特別利益に投資有価証券売却益1,164百万円(前期718百万円)が計上されており、経常利益ベースの増益率は+1.7%にとどまる。2027年3月期会社予想では純利益2,805百万円(前期比△32.5%)と大幅減益を見込んでおり、売却益剥落後の実力収益力を投資家は慎重に評価する必要がある。

2026年3月期の販売費及び一般管理費は18,004百万円(前期比+6.8%)と売上高増加率(+4.4%)を上回るペースで拡大し、営業利益率は13.5%(前期13.9%)に低下。2027年3月期会社予想では営業利益4,110百万円(前期比△10.3%)と減益を見込む。

採用・研修等の人的投資およびIT投資(「アンドプロ」ブランディング・ソフトウェア開発)の先行コストが当面の利益率を抑制する構図であり、投資回収の時間軸が株価評価の鍵となる。

2026年3月期の配当金総額は2,129百万円(配当性向50.8%)。さらに2029年3月期までの3年間は年間配当38円を下限とし、配当性向70%に基づく配当額との高い方を採用する新方針を公表。

加えて1,500,000株・上限1,000百万円の自己株式取得も決議した。株主還元姿勢は明確に強化されたが、2027年3月期予想純利益2,805百万円に配当性向70%を適用すると配当総額は約1,964百万円となり、フリーキャッシュフロー(営業CF2,727百万円-投資CF2,708百万円=19百万円)との対比では財務余力の消費ペースに注意が必要。

成長戦略

人材紹介ブランド「アンドプロ」確立・リクルーティング拡販・海外展開加速

人材紹介事業の旗艦サービスブランド「アンドプロ」をリリースし、ブランディング・機能強化・コンテンツ拡充によるオーガニック集客体制を構築。コンサルタントの能力開発とAI活用による業務効率化を推進し、顧客企業・医療機関と登録者への提供価値向上を図る。

Indeed・求人ボックス等アグリゲーション型求人サービスを軸に、業界特化型・アルバイトパート採用特化型・社員領域メディアを組み合わせた総合提案を強化。外部パートナー活用による新規顧客開拓で取引社数の拡大を目指す。2026年3月期は同事業の営業利益が前期比+29.6%と高成長を達成。

看護学生向け就職サイト「看護roo!就活」への機能開発投資を継続し、就活セミナー実施校の開拓・掲載病院数の増加・医療機関との関係構築を推進。2026年3月期は掲載病院数が順調に増加し、合同説明会への集客施策も拡大した。

米国・メキシコ・英国・オランダ・ドイツ・ベトナム・タイの7カ国体制で展開。欧州域内の新規顧客開拓重点化・メキシコでの登録者獲得強化・米国での給与制度見直しによる定着率向上を推進。

2026年3月期は海外事業売上高2,557百万円(+6.1%)・営業利益169百万円(+25.4%)と増収増益。上海クイック有限公司は2025年12月に清算結了。

年間配当38円を下限とする新配当方針(2029年3月期まで配当性向70%との高い方を採用)を公表。加えて上限1,500,000株・1,000百万円の自己株式取得を決議(2026年5月〜10月)。資本効率向上と機動的な資本政策の遂行を明確化した。

最終更新: 2026年7月19日