事業内容
株式会社クイックは1980年創業の総合人材・情報サービス企業。人材紹介・派遣を中心とする人材サービス事業(売上高の約69%)を主軸に、求人広告代理のリクルーティング事業、北陸・新潟地域密着の地域情報サービス事業、人事ポータル「日本の人事部」を運営するHRプラットフォーム事業、米・欧・アジア7カ国で展開する海外事業の計5セグメントを有する。
看護・医療・建設・IT・製造業エンジニア等の特定領域に注力し、転職希望者と求人企業のマッチングを提供。東京証券取引所プライム市場上場。
ビジネスモデル
主力の人材紹介は採用成立時に求人企業から成功報酬(紹介手数料)を受領するモデル。人材派遣は派遣スタッフの稼働に応じた派遣料金収入。
リクルーティング事業はIndeed等アグリゲーション型求人メディアの広告代理手数料が主収益源。HRプラットフォーム事業は「日本の人事部」サイトへの広告掲載料とHRカンファレンス等イベントの講演枠販売で収益を得る。
地域情報サービス事業は生活情報誌への広告掲載料とポスティング配布料が収益基盤。
企業の強み
「看護roo!」ブランドによるTVCM・ウェブCM・SNSを活用したプロモーション強化で看護師紹介・派遣の登録者獲得を継続拡大。少子高齢化に伴う医療従事者不足を背景に看護師派遣ニーズが高水準で推移する中、介護施設・病院への営業強化と契約更新注力により堅調な収益基盤を構築している。
Indeed Japan社との販売代理店契約を毎年更新し(直近は2026年4月〜2027年3月)、アグリゲーション型求人サービスの取り扱いを主力商品として位置づける。リクルーティング事業・地域情報サービス事業の双方でIndeedを軸とした新規顧客開拓と高い既存顧客継続率を実現しており、求人広告代理における競争優位の源泉となっている。
2026年3月期末の有利子負債(借入金)残高は80百万円と実質無借金。自己資本比率は74.7%(前期71.0%から改善)、現金及び現金同等物残高は13,138百万円を確保。ROEは22.4%(前期比1.5ポイント改善)と資本効率も向上しており、投資余力と財務安定性を両立している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期23,591百万円から2026年3月期33,924百万円へ5期連続増収(CAGR約9.5%)。営業利益は2024年3月期4,965百万円をピークに2025年3月期4,533百万円へ先行投資で反落したが、2026年3月期は4,584百万円と微増回復。
純利益は投資有価証券売却益1,164百万円の計上により4,158百万円と過去最高水準。外部要因として有効求人倍率1.19倍・完全失業率2.6%という構造的人手不足が売上成長を下支えする一方、米国通商政策・中東情勢等の不透明感が製造業向け採用需要の先行きリスクとなっている。
2027年3月期会社予想は売上高34,800百万円(+2.6%)・営業利益4,110百万円(△10.3%)と増収営業減益を見込む。
成長戦略
人材紹介ブランド「アンドプロ」確立・リクルーティング拡販・海外展開加速
人材紹介事業の旗艦サービスブランド「アンドプロ」をリリースし、ブランディング・機能強化・コンテンツ拡充によるオーガニック集客体制を構築。コンサルタントの能力開発とAI活用による業務効率化を推進し、顧客企業・医療機関と登録者への提供価値向上を図る。
Indeed・求人ボックス等アグリゲーション型求人サービスを軸に、業界特化型・アルバイトパート採用特化型・社員領域メディアを組み合わせた総合提案を強化。外部パートナー活用による新規顧客開拓で取引社数の拡大を目指す。2026年3月期は同事業の営業利益が前期比+29.6%と高成長を達成。
看護学生向け就職サイト「看護roo!就活」への機能開発投資を継続し、就活セミナー実施校の開拓・掲載病院数の増加・医療機関との関係構築を推進。2026年3月期は掲載病院数が順調に増加し、合同説明会への集客施策も拡大した。
米国・メキシコ・英国・オランダ・ドイツ・ベトナム・タイの7カ国体制で展開。欧州域内の新規顧客開拓重点化・メキシコでの登録者獲得強化・米国での給与制度見直しによる定着率向上を推進。
2026年3月期は海外事業売上高2,557百万円(+6.1%)・営業利益169百万円(+25.4%)と増収増益。上海クイック有限公司は2025年12月に清算結了。
年間配当38円を下限とする新配当方針(2029年3月期まで配当性向70%との高い方を採用)を公表。加えて上限1,500,000株・1,000百万円の自己株式取得を決議(2026年5月〜10月)。資本効率向上と機動的な資本政策の遂行を明確化した。
最終更新: 2026年7月19日

