事業内容
野村総合研究所(NRI)は1965年に国内・民間初の総合シンクタンクとして設立され、1988年に野村コンピュータシステムと合併して現在の形態となった。コンサルティング、金融ITソリューション、産業ITソリューション、IT基盤サービスの4セグメントを展開し、政策提言・戦略コンサルティングから証券・保険・銀行等の金融業向けシステム、流通・製造・公共向けITソリューション、データセンター・クラウド・セキュリティまで一貫して提供する。
野村ホールディングスを主要顧客の一つとしつつ、幅広い産業・公共分野に顧客基盤を持ち、売上収益814,708百万円(2026年3月期)を誇る。
ビジネスモデル
NRIはコンサルティングとITソリューションが並走して顧客に継続的価値を創出する「コンソリューション」モデルを核とする。収益はシステム開発・製品販売(263,133百万円)、運用サービス(337,847百万円)、コンサルティングサービス(176,701百万円)、商品販売(37,025百万円)で構成され、ストック性の高い運用サービスが全体の約41%を占める。
共同利用型システムの運用料収入が安定収益基盤を形成し、開発案件の活況が上乗せ収益をもたらす構造となっている。
企業の強み
証券・保険・銀行向けに「STAR」シリーズ等の共同利用型システムを長年運営し、金融ITソリューションセグメントの売上収益は405,152百万円、営業利益率18.3%を達成。受注残高276,930百万円(前年度比10.8%増)と高い受注積み上げが安定収益を支えている。
コンサルティングセグメントの営業利益率28.0%という高収益性は、戦略立案から実行支援・システム構築・運用まで一貫提供できる「コンソリューション」モデルの競争優位を示す。2026年3月期の受注高は全社計856,846百万円(前年度比7.9%増)と良好な受注環境が継続している。
運用サービス収益337,847百万円が全売上の約41%を占め、営業活動によるキャッシュ・フローは147,641百万円(前年度比13.4%増)を確保。ネットD/Eレシオ0.05倍と財務健全性も高く、R&I「AA-」・S&P「A」の高格付を維持している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上収益は611,634百万円(2022年3月期)から814,708百万円(2026年3月期)へ5期連続増収。しかし2026年3月期の営業利益は58,273百万円(前期134,907百万円から56.8%減)、親会社帰属当期利益は15,257百万円(同83.7%減)と大幅に悪化。
主因は豪州・北米事業ののれん等減損損失97,586百万円の計上。一方、減損・固定資産減損等の一時的要因を除いた事業利益は156,673百万円(前期比16.3%増)と国内事業の収益性向上を示す。
EBITDAマージンは25.6%(前期24.5%)と改善。外部要因として、DX関連IT投資の活況が国内事業の増収・増益を牽引した一方、為替変動や海外市場の競争激化が豪州・北米事業の業績悪化に影響した。
営業活動によるキャッシュ・フローは147,641百万円と高水準を維持しており、キャッシュ創出力は毀損していない。
成長戦略
中計2028でコア深化・DX3.0・世界3極展開を推進し2029年3月期ROE25%水準を目指す
金融IT・産業ITにおけるコンサルティングとITソリューションの一体提供を深化させ、共同利用型プラットフォームの拡大とAI活用による抜本的な生産革新を推進。2026年3月期は金融ITソリューションが営業利益74,255百万円(前期比20.6%増)と好調。
業務プロセス変革(DX1.0)・ビジネスモデル変革(DX2.0)に加え、企業・産業を超えた社会インパクト(DX3.0)に挑戦。AI活用によるビジネスモデル創出からシステム構築・運用高度化まで総合支援。研究開発費は2027年3月期に8,000百万円(前期比47.8%増)を計画。
豪州NRI Australia LimitedはSQA Holdco Pty Ltdを子会社化し経営統合を実施。ただし、コンサルティング・マネージドサービス事業の受注減により76,998百万円ののれん等減損損失を計上。
北米Core BTS, Inc.もクラウドコンサルティング事業の業績悪化で19,910百万円の減損を計上。中計2028で事業計画を見直し、立て直しを図る。
連結配当性向40%を目安に増配を継続。2026年3月期年間配当77円(前期63円)、2027年3月期は84円を予定。後発事象として2026年4月24日取締役会で上限21,000,000株・70,000百万円の自己株式取得を決議。ROE25%水準の目標達成に向けた機動的な資本政策を推進。
最終更新: 2026年7月19日

