事業内容
株式会社BeeXは、企業の基幹システム(特にSAPシステム)をオンプレミスからパブリッククラウドへ移行するサービスを主軸とするクラウドソリューション専業企業。2016年設立、2022年東証グロース市場上場。
AWS・Azure・Google Cloudの3大クラウドを取り扱うマルチクラウド対応と、SAPシステムの深い専門知識を組み合わせた一気通貫サービスが特徴。主要顧客はSAPシステムを利用する大手・中堅企業であり、AGC株式会社(売上高の14.0%)など大手製造業を含む幅広い業種に対応。
クラウドインテグレーション(移行・構築)、MSP(運用保守)、クラウドライセンスリセール(ライセンス再販)の3サービスを展開する。
ビジネスモデル
クラウドインテグレーション(フロー売上)で新規顧客を獲得し、移行完了後にMSP(運用保守)とクラウドライセンスリセール(月額課金代行)というストック型収益へ転換する構造。2025年2月期の売上構成はクラウドライセンスリセール59.5%、クラウドインテグレーション30.7%、MSP9.8%。
ストック型2サービスが売上の約7割を占め、安定収益基盤を形成している。クラウドライセンスは外貨建て仕入を円建て請求書で顧客に提供する付加価値も提供。
企業の強み
2024年2月にAWSパートナーの最上位であるプレミアティアサービスパートナーを取得(日本15社目)。AWS認定資格取得数266件・取得者60名、Microsoft56件・15名、Google25件・8名、SAP79件・25名と、マルチクラウド×SAP双方に精通した認定技術者を多数保有し、競合との技術的差別化を実現している。
2016年の創業当初からSAPシステムのクラウド移行に特化し、コンサルティング・設計・構築・移行・運用保守まで一気通貫で提供できる体制を構築。SAP ERP6.0の標準サポート終了(2027年)・延長サポート終了(2030年)という業界全体の移行需要を直接取り込める希少なポジションにある。
MSP期末月顧客数は2021年2月期49社から2025年2月期90社へ拡大。クラウドライセンスリセールのアカウント数は2023年2月期第1四半期260個から2025年2月期第4四半期700個へ約2.7倍に増加。
ストック型2サービスの売上合計は6,416百万円(売上高の約69%)に達し、安定収益基盤が着実に拡大している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
過去5期の売上高は2022期4,355百万円→2026期10,626百万円と年平均25%超の高成長を継続。2027年2月期第1四半期累計も売上高3,002百万円(前年同四半期比18.3%増)と成長軌道を維持している。
一方、利益面では2026期に営業利益が593百万円(前期比9.7%減)と初の減益に転じ、2027年2月期第1四半期累計も営業利益122百万円(同18.7%減)と悪化が継続。売上原価の増加(外部開発リソース活用による業務委託費増・ライセンス仕入高増)および販管費の増加(人件費・採用費増)が主因。
外部環境としてDX・AI需要は底堅いが、クラウドライセンスリセールへの売上構成シフトが粗利率を構造的に押し下げている。総資産5,812百万円、自己資本比率53.1%と財務健全性は維持。
成長戦略
ストック収益拡大・SAP移行需要取込・AI案件獲得・人的資本投資の4軸で中期成長を追求
新規契約数の順調な増加と既存大型契約の利用料増加を背景に、AWS・Azure等のリセール収益を積み上げる。2027年2月期第1四半期累計で前年同四半期比31.9%増を達成しており、ストック型収益基盤の中核として機能している。
SAP ERP6.0の標準サポート終了(2027年)・延長サポート終了(2030年)に向けた移行需要を取り込む。第1四半期はプロジェクト開始時期の下期ずれにより前年同四半期比3.3%減となったが、引合いは増加基調にあると説明されている。
成長分野であるAI・データ分析案件の獲得を進め、クラウドインテグレーションの収益多様化を図る。第1四半期においてもAI・データ分析案件の獲得実績が確認されており、中小規模案件とともに積み上げを継続している。
販売部門の人件費・採用費を積極的に投下し、中長期的な受注拡大基盤を構築する。2027年2月期第1四半期累計の販管費は前年同四半期比27.5%増と先行投資フェーズにあり、短期的には利益を圧迫するが、将来の売上拡大への布石と位置づけられている。
最終更新: 2026年7月17日

