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株式会社 アテクト

4241東証スタンダード化学

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株式会社 アテクト4241

事業内容

株式会社アテクトは、滋賀県東近江市に本社を置く東証スタンダード上場の製造業グループ。連結子会社3社(㈱アテクトエンジニアリング、㈱アテクトコリア、安泰科科技股份有限公司)を擁し、「樹脂特性及び生体物質の制御」をコア技術として3事業を展開する。

①FPD駆動用LSI向けスペーサーテープを製造・販売する半導体資材事業(売上高1,165百万円)、②食品・医薬品・化粧品メーカー等向けに微生物検査用培地・容器類を製造・販売する衛生検査器材事業(同1,928百万円)、③粉末射出成形(PIM)技術による自動車・産業機器向け金属・セラミックス精密部品を製造・販売するPIM事業(同263百万円)の3セグメントで構成される。主要顧客は電子部品メーカー、食品メーカー、臨床検査会社、製薬会社等に及ぶ。

ビジネスモデル

各事業とも原則として製品を顧客に直接販売する製造直販型を採用。半導体資材事業は日韓二拠点生産体制でスペーサーテープを製造し電子部品メーカーへ直販。

衛生検査器材事業は自社製造品と仕入商品を組み合わせ食品・医薬品・病院等へ直販。PIM事業は粉末射出成形による難加工材の精密部品を自動車・産業機器メーカーへ直販する。

3事業の収益分散により特定市場への依存を緩和する構造を持つ。

企業の強み

衛生検査器材事業の売上高は2026年3月期に1,928百万円と前期比4.8%増となり、創業以来過去最高を連続更新。同事業の営業利益は232百万円(前期比72.5%増)で、セグメント営業利益率は約12%に達する。

食品業界の検査部門人手不足を背景に簡易型微生物検出用培地市場が年々拡大する中、自社開発製品『aS-Medium』の製品ライン拡充(大腸菌群検出用『CC』追加)により新規需要を取り込む製品開発力が収益基盤を支えている。

半導体資材事業では日本と韓国(㈱アテクトコリア)の二拠点生産体制を構築しており、液晶パネルメーカーの稼働変動や地政学リスクに対する供給安定性を確保している。2026年3月期の販売数量は6,653万mと安定推移し、受注高は前期比108.6%増の1,175百万円、受注残高も前期比107.8%を維持。

二拠点体制は競合が短期間で模倣困難な自社固有のサプライチェーン優位性を形成している。

PIM事業の売上高は2026年3月期に263百万円(前期比23.3%増)と創業以来過去最高を更新。自動車用ターボ部品・CMOSセンサー用セラミックス部品・ベアリング用部品等の受注が通期で堅調に継続した。

営業損失は129百万円(前期145百万円)と縮小傾向にあり、歩留まり向上・原価低減・生産効率化への取り組みが着実に改善に貢献していることが有報に記載されている。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の営業利益は204百万円(前期比154.0%増)と大幅に回復し、営業利益率も2.5%から6.1%へ改善した。衛生検査器材事業の営業利益232百万円(前期比72.5%増)と半導体資材事業の102百万円(同21.3%増)が牽引した。

一方でPIM事業は依然として129百万円の営業損失を計上しており、黒字化の道筋は未だ不透明。PIM事業の損失が解消されれば全社収益性は一段と改善する余地があるが、量産技術の構築には時間を要する見通しである。

2027年3月期の連結業績予想は売上高3,600百万円(前期比7.2%増)、営業利益210百万円(同2.5%増)、当期純利益120百万円(同15.3%減)と増収ながら減益を見込む。純利益の減少は法人税等の正常化が主因と推察される。

外部要因として米国通商政策の不透明感・中東情勢による原材料価格高騰・エネルギーコスト上昇が引き続き利益圧迫要因となる見通しであり、半導体資材事業のPETフィルム高止まりや衛生検査器材事業の資材コスト動向が業績達成の鍵を握る。

2026年3月期末の総資産4,695百万円に対し、短期借入金500百万円・1年内返済予定長期借入金672百万円・長期借入金1,067百万円と有利子負債残高は合計2,239百万円と高水準にある。自己資本比率は38.9%(前期36.6%)と改善傾向にあるものの、営業キャッシュフロー273百万円に対して財務活動による支出(借入返済等)が121百万円と資金繰りは引き続き注視が必要。

現金及び現金同等物の期末残高は315百万円と前期比20百万円増加しており、当面の流動性は確保されている。

成長戦略

衛生検査器材の新製品拡充・FPD以外への販売開拓・PIM黒字化を3本柱に成長を追求

一般細菌群検出用『AC』に続き大腸菌群検出用『CC』の販売を開始。食品業界の検査部門人手不足を背景に簡易型培地市場は年々拡大しており、用途別・菌種別の製品開発と販売強化を継続することで衛生検査器材事業の売上基盤をさらに拡大する。

液晶パネル需要の在庫調整による波に備え、FPD(フラットパネルディスプレイ)業界以外への販売開拓に取り組む。コストパフォーマンスの高いスペーサーテープの開発活動を含む原価低減と、日韓二拠点の人員配置最適化により中長期的な売上回復と収益改善を目指す。

歩留まり向上・原価低減・生産効率化への取り組みにより2026年3月期の営業損失は145百万円から129百万円へ縮小。改善活動の習慣化を全工程に根付かせることを重点課題とし、自動車用ターボ部品・産業機器向け高機能部品の安定受注を背景に黒字化に向けた基盤強化を継続する。

最終更新: 2026年7月19日