事業内容
児玉化学工業は1952年創業のプラスチック成形加工メーカーを起源とし、2025年4月にメプロホールディングスを買収することで樹脂成形・鋳鍛造・粉末冶金の3事業を擁する総合部品メーカーへと変貌した。主要製品は自動車用インストルメントパネル・フロントグリル等の樹脂内外装部品、アルミダイカスト製エンジン・トランスミッション部品、鍛造シャフト・ハブ部品、焼結含油軸受・軟磁性材コア等多岐にわたる。
主要顧客は本田技研工業株式会社(売上高比率15.7%)、Thai Honda Co., Ltd.(同15.0%)、林テレンプ株式会社(同3.0%)等で、国内外の自動車メーカーを中心に供給する。連結子会社14社を含むグループで日本・タイ・マレーシア・中国・米国等に生産拠点を持つ。
ビジネスモデル
当社グループは受注生産方式を採用し、顧客の設計仕様に基づき樹脂成形・鋳鍛造・粉末冶金の各工程で部品を製造・納入する。売上高82,707百万円のうち鋳鍛造事業が48,641百万円(約58.8%)と最大で、次いで粉末冶金事業17,498百万円(約21.2%)、樹脂成形事業16,578百万円(約20.0%)となる。
製品価格改定や操業コスト低減により利益を確保する構造で、設備投資は内部留保を超える分を外部借入で賄う方針をとる。
企業の強み
2025年4月のメプロホールディングス買収により、樹脂成形に加えアルミダイカスト・鍛造・粉末冶金の金属加工技術を一挙に取得。売上高は前期比422.1%増の82,707百万円、総資産は67,111百万円(前期比530億16百万円増)へ拡大し、自己資本比率も28.8%から42.3%へ改善した。
繊維強化コンポジット材(ガラス・カーボンファイバー)を用いた板金の樹脂化工法を独自開発し、大手自動車メーカーへの採用・実用化を達成している。鋳鍛造事業ではFSW(摩擦攪拌接合)技術と真空鋳造を融合したEV用電装ケースの量産化技術を確立し、他社が模倣困難な高効率ラインを構築している。
当連結会計年度において本田技研工業株式会社向け売上高12,956百万円(比率15.7%)、Thai Honda Co., Ltd.向け12,395百万円(同15.0%)と、ホンダグループ合計で売上高の約30.7%を占める。二輪・四輪・ハイブリッド車向けに幅広い部品を供給しており、主要顧客との継続的な取引関係が安定した受注基盤を形成している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期の連結売上高は82,708百万円(前期15,842百万円)、営業利益2,680百万円(前期162百万円)と、メプロホールディングスの子会社化による連結範囲拡大が業績を大幅に押し上げた。当期純利益は23,534百万円と2期連続赤字から大幅黒字転換したが、その大部分は負ののれん発生益22,598百万円によるものである。
営業利益率は3.2%と低水準にとどまり、減価償却費4,350百万円・支払利息432百万円・減損損失1,867百万円等の固定費負担が重い。外部環境として自動車生産台数の動向・樹脂原材料価格・為替レートが収益に直接影響する構造は変わらない。
成長戦略
メプロ買収による樹脂×金属複合技術融合とモビリティ依存低減に向けた新市場開拓
メプロホールディングスの連結子会社化により売上高が約5.2倍に拡大し、樹脂成形に金属加工技術が加わった。連結の範囲の変更を伴う子会社株式取得収入11,040百万円を計上し、統合効果が財務数値に反映された。今後は統合シナジーの実現と固定費の効率化が課題となる。
国内乗用車向けメイン車種の生産台数伸長および新型モデルの量産開始により、モビリティ事業の売上拡大を図る。林テレンプ向け売上高は前期1,115百万円から当期2,328百万円へ拡大しており、主要顧客との取引深化が進んでいる。ただし顧客集中リスクの管理も並行して必要となる。
住宅設備・家電部品・食品容器等のリビングスペース事業(売上高4,264百万円、セグメント利益339百万円)およびエンタメ・物流資材向けアドバンスド&エッセンシャル事業(売上高488百万円)を育成し、自動車市況への依存度を低減する。タイ・ベトナム拠点での家電部品需要回復も寄与が期待される。
最終更新: 2026年7月19日

