事業内容
ニチバン株式会社は1918年創業の粘着製品専業メーカーで、粘着技術・高分子技術を基盤に布・紙・セロファン・プラスチックをベースとした医薬品、各種感圧性粘着テープ、接着剤および関連機械器具を製造販売する。事業はメディカル事業(絆創膏・鎮痛消炎剤・医療材料等)とテープ事業(セロテープ®・産業用テープ・文具用テープ等)の2セグメントで構成される。
国内ではドラッグストア・医療機関・産業界を主要顧客とし、海外ではタイ・ドイツの販売子会社を通じてアジア・欧州市場へ展開する。東証プライム上場企業であり、2026期売上高は50,470百万円。
ビジネスモデル
自社および製造子会社(ニチバンメディカル、ニチバンテクノ、ニチバンプリント)で製品を製造し、国内はヘルスケア・医療材・工業品・ステーショナリー・ECの各フィールドで販売する。海外はNICHIBAN (THAILAND)とNICHIBAN EUROPE GmbHが販売を担う。
高粗利のメディカル事業が収益の柱であり、テープ事業は価格改定とローコストオペレーションで収益改善を図る構造。
企業の強み
1918年創業以来、粘着技術・高分子技術を蓄積し、「セロテープ®」「ロイヒ™」「ケアリーヴ™」等の国内認知度の高いブランドを保有する。工業品フィールドでは環境配慮型製品として企業・自治体への採用が拡大しており、ブランド力が競合との差別化に寄与している。
2026期メディカル事業のセグメント利益は6,325百万円、利益率は約25.4%と高水準を維持する。グローバルフィールド売上高は前年同期比13.4%増の2,796百万円を達成し、韓国での「ロイヒつぼ膏™コインプラスター」上市等が寄与。
医療材フィールドでは「サージフィット™」が国立大学病院・急性期病院での採用を拡大している。
2026期末の自己資本比率は65.9%(前期比2.0ポイント上昇)、借入金残高は2,000百万円と財務健全性が高い。現金及び現金同等物は13,512百万円を保有し、30億円の貸出コミットメント契約も締結。設備投資2,977百万円を全額自己資金で賄っており、財務的な柔軟性を維持している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期43,134百万円から2026年3月期50,470百万円へ5期連続増収(2026年3月期前期比2.0%増)。一方、営業利益は2025年3月期に2,586百万円と過去5期最高を記録した後、2026年3月期は2,270百万円(同12.2%減)に反落。
ヘルスケアフィールドにおける高粗利製品の売上減少と原材料高騰による売上原価増加(34,555百万円→35,445百万円)が主因。外部要因として地政学リスクや為替変動・エネルギー価格高止まりが継続しており、売上高営業利益率は5.2%から4.5%に低下した。
2027年3月期は売上高52,000百万円・営業利益3,600百万円(前期比58.5%増)を会社予想として開示。
成長戦略
事業ポートフォリオ再構築・グローバル企業化・人的資本経営の3テーマで2030 VISION実現へ
安城工場・埼玉工場における生産設備の撤去工事を2026年4月以降に実施し、グループ全体での最適生産体制構築と生産分担再編を推進。2026年3月期に工場再編費用183百万円を計上済み。2027年3月期にも撤去工事関連費用510百万円の特別損失計上を見込む。
アジア・欧州を重点地域として販売3拠点の成長を追求。2026年3月期のグローバルフィールド売上高は5,420百万円(前期比4.3%増)。
韓国での「ロイヒつぼ膏TMコインプラスター」上市がメディカルグローバル売上高を前期比13.4%増に押し上げた。グループ全体のグローバル企業化に向けた機能拡充を継続中。
事業戦略本部のもとコンシューマー営業統括本部・医療材営業統括部・工業品営業統括部・グローバル事業本部を設置し、販路別の営業推進体制を強化。ケアリーヴTMシリーズのテレビCM等を活用した積極的PR活動や、サージフィットTMの国立大学病院・急性期病院への採用拡大を推進中。
ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進、自律的人財育成、従業員の健康とエンゲージメント向上を目的とした新人事制度を導入。2026年4月1日付で組織改定および取締役・執行役員の異動を実施済み。
最終更新: 2026年7月19日

