事業内容
旭有機材株式会社は1945年創業、旭化成グループの関連会社として宮崎県延岡市に本拠を置く東証プライム上場企業。管材システム事業(売上高構成比約60%)、樹脂事業(同約29%)、水処理・資源開発事業(同約11%)の3セグメントで構成される。
主力の管材システム事業では樹脂バルブ・配管材料を半導体製造装置・電子産業・化学プラント向けに国内外で販売し、半導体製造装置向け精密バルブ「ダイマトリックス」は米国・中国・韓国等グローバル市場に展開。樹脂事業では電子材料用フェノール樹脂・素形材用レジンコーテッドサンド・現場発泡断熱材を製造販売。
水処理・資源開発事業では水処理施設の設計・施工・維持管理と地熱・温泉掘削を手掛ける。子会社18社を含むグループ全体で売上高80,081百万円(2026年3月期)を計上する。
ビジネスモデル
自社開発の樹脂成形・精製・低メタル化等のコア技術を基盤に、半導体・電子産業・化学プラント等の専門性の高い用途向けに高付加価値製品を製造・販売する。単なる製品供給にとどまらず、設計・加工・施工を一体化したエンジニアリングサービスも提供し、顧客の課題解決を通じて継続的な取引関係を構築する。
海外は米国・中国・韓国・シンガポール・インド・メキシコ等に現地法人を展開し、グローバルな製造・販売網を持つ。
企業の強み
半導体製造装置向けダイマトリックス製品は、微細化対応のための発塵抑制(低パーティクル化)に関する独自設計手法・製造技術を継続開発し、複数の特許を登録済み。中国ローカルメーカー向け需要拡大を取り込み、国内・韓国でも需要回復の兆しが見られ、2026年3月期に前年同期比増収を達成した。
2026年3月期の研究開発費は1,653百万円、研究開発スタッフ117名を擁する。管材システム事業966百万円、樹脂事業604百万円を重点投下し、大口径バタフライバルブの耐酸性仕様追加、世界最高クラスの断熱性能を持つ現場発泡ウレタン新製品「BEXUR」の販売開始など、継続的な製品革新を実現している。
2026年3月期末の有利子負債残高は6,565百万円に対し、現金及び現金同等物は23,228百万円と実質無借金状態。純資産81,593百万円、自己資本比率は高水準を維持。中期経営計画期間中に約600億円の投資を自己資金と借入(D/Eレシオ0.5目安)で賄える財務余力を有する。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期64,732百万円→2024年3月期87,426百万円と急拡大したが、2025年3月期85,162百万円、2026年3月期80,081百万円と2期連続で減少。営業利益率は2024年3月期17.8%から2026年3月期9.5%へ急低下した。
外部要因として米国半導体工場建設案件の見直し・延期継続、中国内需低迷による設備投資の力強さ欠如が売上を押し下げた。内部要因として成長分野への先行投資に伴う労務費・減価償却費等の固定費増加が利益を圧迫。
加えて減損損失1,975百万円の特別損失計上により純利益は3,326百万円(前期比△56.4%)に落ち込んだ。2027年3月期は半導体需要改善・米国工場建設回復を前提に大幅回復を予想している。
成長戦略
海外・半導体関連を主軸に設備投資を加速し、グレートニッチトップ企業へ飛躍
AIデータセンター拡大を背景とした先端半導体需要の改善を受け、半導体製造装置向けダイマトリックス製品・配管エンジニアリングの供給体制を強化。2026年3月期は有形固定資産取得8,659百万円と前期比大幅増の設備投資を実施し、成長基盤を構築中。
中国・南通における電子材料製造の第二工場を建設中。FPD分野の旺盛な需要や後工程向け材料需要の拡大に対応するため、供給能力を増強し樹脂事業の収益改善を図る。
2026年3月期まで延期・見直しが続いた米国半導体工場建設案件が回復局面に入りつつあるとして、関連配管・エンジニアリング需要の裾野拡大を積極的に取り込む方針。Harrington Process Solutions LLCを通じた米国販売網を活用し、2026年3月期実績8,550百万円からの拡大を目指す。
2030年度まで1株当たり年間配当金を前年以上に維持する累進配当方針を継続。2027年3月期は130円(前期比+10円)への増配を予定。財務健全性(D/Eレシオ0.5以下)を考慮しながら6年間累計総還元性向50%を目安とする。
最終更新: 2026年7月19日

