事業内容
積水樹脂株式会社は、公共分野(防音壁材・交通安全製品・防護柵・人工芝等)と民間分野(メッシュフェンス・梱包資材・アグリ製品・アルミ樹脂積層複合板等)の2セグメントを軸に、製造・加工・販売・施工工事を一体的に展開する総合メーカーである。国内16社・海外16社・関連会社3社を含む計36社のグループ体制を持ち、欧州(WEMASグループ)・東南アジア(タイ・フィリピン等)にも生産・販売拠点を有する。
主要顧客は国・地方自治体・高速道路会社等の公共機関から、物流・食品・農業・建設等の民間企業まで幅広い。
ビジネスモデル
公共分野では道路・交通インフラ向け製品の製造販売と施工工事を組み合わせ、公共投資予算を安定的に取り込む。民間分野では梱包・住建・アグリ等の多品種製品を幅広い産業向けに供給する。
主として見込み生産方式を採用し、グループ内の製造・物流・販売機能を分担することで効率的な収益創出を図る。EBITDAを重要指標に位置付け、M&A後ののれん償却を吸収しながらキャッシュ創出力を維持する構造となっている。
企業の強み
売上高78,163百万円のうち公共分野41,589百万円・民間分野36,573百万円と両セグメントがほぼ均等に貢献。公共投資の変動を民間需要で補完できる構造を持ち、2026期は両セグメントともに増収を達成した。単一市場依存リスクを構造的に低減している。
2024年1月にWEMASグループ(欧州仮設型交通安全製品)、2024年12月に理研興業株式会社(防雪・防風対策製品)を連結化。WEMASはのれん償却額を上回る利益を創出し、理研興業も利益面でのれん償却額超過を達成するなど、M&A後の早期収益貢献が実績として確認されている。
2026期の研究開発費は1,339百万円。防音技術・複合押出成形・RFID電波制御・IoTセンサ・次世代交通安全施設(スマートポール用LED情報板「オプトマーカーCONNECT」)など多岐にわたる技術開発を継続し、ラグビー用人工芝が「World Rugby認定」を取得するなど製品競争力の裏付けとなる実績を積み上げている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2024年3月期の62,790百万円を底に2期連続増収となり、2026年3月期は78,163百万円と過去最高水準を更新。理研興業の連結子会社化(防雪・防風対策製品)と既存事業の堅調推移が寄与した。
営業利益は5,685百万円(前期比13.4%増)と2期ぶりの増益に転じ、EBITDAも9,718百万円(同13.6%増)と改善。ただし、外部要因として原油由来原材料の調達コスト上昇懸念や公共投資予算の縮小傾向が一部事業に影響しており、人財・成長投資の継続とのれん償却負担(1,487百万円)が利益率の本格回復を制約している。
営業CFは7,994百万円と前期(6,211百万円)から改善し、キャッシュ創出力も向上している。
成長戦略
M&A・海外展開・次世代技術・サステナビリティ製品の四軸で2030年ビジョンを実現
理研興業(防雪・防風対策製品)・WEMASグループ(欧州仮設型交通安全製品)の連結子会社化を完了し、いずれものれん償却額を上回る利益を創出。引き続き買収先とのシナジー深化と次なるM&A機会の探索を推進する。
欧州ではWEMASグループの仮設型交通安全製品が堅調推移。東南アジアを含むグローバル展開を戦略的に加速し、海外売上高(2026年3月期:欧州12,265百万円、その他2,139百万円)の拡大を図る。
遠隔操作対応LED表示板「オプトマーカーICOT」によるインフラ遠隔監視・防災DXや、自動運転を見据えた実証実験への参画、物流・店舗管理分野でのRFID電波制御技術の確立に注力。付加価値向上と新規需要の取り込みを目指す。
将来性が高いフィルム型ペロブスカイト太陽電池の普及を支える設置技術について、公共分野から民間分野へと広がる多様な事業基盤と結び付け、社会課題解決型ビジネスの付加価値向上と事業拡大につなげる方針を表明。
北海道を重点戦略地域と位置付け、防雪・防風対策製品(理研興業)や交通安全製品等の地域特性に合った製品群を活用したビジネス拡大を推進。地域密着型の営業体制強化と新規物件獲得を目指す。
最終更新: 2026年7月19日

