事業内容
住友ベークライトは1955年設立の機能性化学材料メーカーで、子会社48社・関連会社5社を擁するグローバルグループ(2026年3月末)。事業は「半導体関連材料」「高機能プラスチック」「クオリティオブライフ関連製品」の3セグメントで構成され、売上収益319,867百万円(2026年3月期)を計上する。
半導体封止材・感光性材料・ボンディングペースト・基板材料を中心に半導体サプライチェーンへ深く組み込まれる一方、医療機器・医薬品包装・防水シート・航空機部品など生活・産業インフラを支える多様な製品群を展開。アジア・欧米に生産・研究拠点を持ち、ICT・モビリティ・ヘルスケアを戦略3領域として研究開発費13,300百万円を投じる。
ビジネスモデル
自社開発の機能性樹脂・フィルム・医療材料を製造し、半導体メーカー・自動車部品メーカー・医療機器メーカー等に販売するB2B型ビジネスモデル。ニッチ市場でのトップシェア獲得を中期方針に掲げ、高付加価値品への販売シフトと販売価格適正化で収益構造を改善。
設備投資枠500億円・戦略的投資枠500億円・成長投資枠200億円(中期3年間)を設定し、M&Aと自社投資を組み合わせて事業ポートフォリオを継続的に拡充する。
企業の強み
封止材・感光性材料・ボンディングペースト・基板材料LαZ®と半導体製造工程を横断する製品群を保有。2026年3月期の半導体関連材料セグメントは売上収益106,396百万円・事業利益率19.5%を達成し、前期比16.5%増収・15.2%増益を記録。
中国・台湾・シンガポール等に生産・研究拠点を持ち、グローバル供給体制を構築している。
2026年3月期末時点で親会社所有者帰属持分比率70%超、ネットキャッシュ900億円超のプラスを維持。資産合計484,167百万円に対し負債合計133,521百万円と低レバレッジ。
自己資金を主体に設備投資19,276百万円を実施しつつ、M&A(ポリカーボネート事業・京セラケミカル事業承継)を機動的に実行できる財務余力を保持している。
先端材料研究所・バイオサイエンス研究所・製品別5研究所に加え、米国Promerus LLCを含む国内外の研究拠点を展開。2026年3月期の研究開発費は13,300百万円で、AI向けPDMSフリーエポキシ封止材・パワー半導体向け高熱伝導基板材料など計18製品を開発・上市。
水素製造用アニオン交換膜の量産準備プロジェクトも発足し、次世代素材への布石を打っている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上収益は2022年3月期263,114百万円から2026年3月期319,867百万円へ5期連続増収(年平均成長率約5%)。営業利益は2025年3月期に北米減損・拠点集約費用で24,792百万円に落ち込んだが、2026年3月期はこれらの特殊費用剥落と半導体関連材料の旺盛需要(外部要因として中国AI関連・メモリ回復)が重なり35,478百万円へ大幅回復。
親会社帰属当期利益も28,014百万円(前期比45.3%増)と過去5期で最高水準。事業利益率は10.8%に改善。
2027年3月期は売上収益337,000百万円・事業利益38,000百万円・当期利益28,500百万円を予想。
成長戦略
ニッチ&トップシェア戦略のもと半導体・医療・環境領域へ集中投資しポートフォリオを高度化
LαZ®シリーズのAIサーバー向けパワーデバイス採用拡大、ボンディングペーストの東南アジア高密度パッケージ向け展開、感光性材料のパワー半導体用途拡販を推進。中国新工場・台湾新ラインを活用した供給体制最適化により、旺盛な需要に対応。
2026年3月期に売上収益106,396百万円・事業利益率19.5%を達成。
北米拠点での不採算製品撤退・国内生産拠点集約を実施し、固定費削減と高付加価値製品へのシフトを推進。2026年3月期に事業利益6,224百万円(前期比18.4%増)を達成し、構造改革の効果が数値に表れ始めた。航空機部品は顧客生産数量回復で受注増加。
医療機器(マイクロ能動カテーテル・胸部ステントグラフト)の国内外販売伸長、フィルム・シートの医薬品包装・半導体生産用途拡大、事業譲渡を受けた中空ポリカーボネートを含む建材需要の取り込みを推進。販売価格適正化と生産拠点再編による固定費削減で事業利益9.5%増を達成。
2024年度スタートの中期計画最終年度として、各事業部での製品ポートフォリオ変革と買収事業(京セラケミカル事業等)のシナジー早期実現を目指す。2026年3月期ののれんは3,216百万円(前期1,494百万円)に増加しており、買収効果の取り込みが進行中。
最終更新: 2026年7月19日

