事業内容
ENECHANGE株式会社は「エネルギーの未来をつくる」をミッションに掲げ、エネルギー流通プラットフォーム事業を展開する。主力事業は二本柱で構成される。
第一に、家庭向け「エネチェンジ Home 電気・ガス比較」と法人向け「エネチェンジ Biz 電力最適診断」を通じた電力・ガス切替支援。第二に、電力・ガス事業者向けにクラウド型デジタルソリューション「エネチェンジ Utility」等を提供するSaaS・システム開発。
主要顧客は家庭・法人の電力需要家(プラットフォーム利用は無償)と、提携電力・ガス会社(収益源)、SaaS導入事業者(2026年3月末時点42社)。持分法適用関連会社ミライズエネチェンジを通じたEV充電インフラ事業も展開する。
ビジネスモデル
電力・ガス切替支援では、ユーザーが切替を実施すると提携電力・ガス会社から毎月の電力代・ガス代に料率を乗じたストック型継続報酬を受領する仕組みで、累積契約数に比例して収益が積み上がる。SaaS・システム開発では、電力・ガス事業者から月額ライセンス料(保守運用費含む)を継続的に受領するほか、初期導入・カスタマイズ時の一時報酬も得る。
2026年3月期の売上高6,697百万円のうち電力切替支援が5,116百万円(76%)、SaaS・システム開発が1,137百万円(17%)を占める。
企業の強み
2026年3月末時点で家庭向け継続ユーザー数270,278件、法人向け継続拠点数17,718件を保有。電力・ガス利用は長期継続性の高いインフラであり、切替後も毎月の電力代に連動した継続報酬が積み上がる構造。累積申込数の増大とともに収益基盤が拡大するストック型モデルが確立されている。
電力・ガス事業者向けSaaS「エネチェンジ Utility」は2026年3月末時点で42社に導入済み。切替プラットフォームを通じて蓄積した大量のユーザーデータ・電力使用データを活用した業界特化型システムを提供しており、競合が短期間で模倣困難な独自データ資産と専門性を有する。
特定の電力・ガス会社に属さない中立的立場でサービスを提供することで、複数の電力・ガス会社との戦略的業務提携を実現。料金メニューの複雑化(市場連動型・完全固定型・独自燃料費調整等)が進む中、中立的な比較・解説機能の市場プレゼンスが向上しており、提携事業者数・取得データ量の拡大に繋がっている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2021期3,018百万円→2023期4,379百万円→2025期6,716百万円(15ヶ月)→2026期6,697百万円と拡大基調が続く一方、2026期は前期比微減(前期は15ヶ月変則決算のため単純比較不可)。営業利益は2021期41百万円→2022期△1,122百万円→2023期△2,125百万円→2025期△3,631百万円と赤字拡大が続いたが、2026期は592百万円と黒字転換。
EV充電事業の合弁移管による先行投資負担解消が主因で、売上原価・販管費が大幅圧縮された。外部要因として、中東情勢等を背景とした電力料金への関心の高まりが電力切替支援の需要を下支えした。
持分法損失728百万円が経常損失148百万円の要因となっており、本業の収益力と連結損益の乖離が課題として残る。
成長戦略
電力切替支援の収益の質向上と新電力向け基幹システムによるストック収益構築
AI検索最適化(AIO)強化・検索エンジン非依存の集客チャネル開拓・「エネチェンジ Home 引越しWeb簡単サポート」の新サービス提供により、獲得件数の伸長と並行して継続性・獲得効率を重視した収益の質向上を追求。送客単価向上とLTV最大化を目指す。
法人向け継続拠点数は17,718件と増加。多様な価格フォーミュラ(市場連動型・完全固定型・独自燃料費調整等)への対応力を強みに新規獲得を推進。SFA・CRM活用による解約率低減とストック収益積み上げで強固な収益基盤を構築する。
小売電気事業者向け基幹システムをライセンスモデルで展開し、導入後の運用保守等を通じたストック型収益の新たな柱として構築。AI活用による開発効率向上とAIネイティブなソリューション設計で付加価値を高め、業界標準プラットフォームとしての普及を目指す。
新電力各社における電源調達最適化や非化石証書等の環境価値調達支援といった川上領域への機能提供ニーズが高まっており、当社の事業領域を拡大する新たな収益機会として位置付ける。中期経営計画期間(2026年3月期〜2028年3月期)での展開を予定。
最終更新: 2026年7月19日

