事業内容
三和油化工業は1970年創業の環境関連事業専業グループ(連結子会社8社)。「環境ニーズを創造する」をコンセプトに、製造業顧客の工場から排出される廃溶剤・廃酸・有用金属等の産業廃棄物を収集し、蒸留・溶媒抽出・中和等の化学的手法で中間処分・再資源化するリユース事業・リサイクル事業を中核に、化学品製造販売(自動車・エレクトロニクス向け)、自動車向け油剤・洗浄剤、PCB含有廃棄物処理等のエンジニアリング事業の計5事業を展開。
製品製造・販売から使用済廃棄物の再資源化・物流・品質保証までを一気通貫で対応するサーキュラーエコノミー型ビジネスモデルが特徴。主要顧客は自動車・半導体・電子部品等の製造業。
愛知・茨城・和歌山・大阪に工場6拠点、全国4営業所を展開し、従業員469名体制で事業を運営している。
ビジネスモデル
収益は「処理費売上」(産業廃棄物の収集・中間処分に係る役務収入)と「一般売上」(再生製品・化学品・油剤等の製品販売収入)の二本柱で構成される。2026年3月期の処理費売上は5,524百万円、一般売上は14,739百万円。
廃棄物を引き取る際に処理費を受領しつつ、再資源化した再生品を販売することで二重に収益を得る構造が利益率の安定に寄与している。CMSによるグループ資金の一元管理で資金効率も最適化している。
企業の強み
製品の製造・販売から使用済廃棄物の収集・中間処分・再資源化・物流・品質保証までを自社グループ内で完結できる垂直統合体制を保有。蒸留・溶媒抽出・中和・混練等の多様な化学的処理技術と、ISO9001・ISO14001・ISO45001の各認証取得による品質・環境・安全管理体制が競合との差別化要因となっている。
産業廃棄物を引き取る際に処理費収入を得ながら、再資源化した再生品を販売することで一つの廃棄物から二重に収益を獲得できる独自のビジネス構造を持つ。2026年3月期の売上総利益率は28.4%(売上総利益5,752百万円÷売上高20,263百万円)に達しており、この二重収益モデルが利益率の下支えとなっている。
2018年のサンワ南海リサイクル設立(和歌山)、2019年のサンワ境リサイクル設立、2024年のサンワマテリアルソリューションズ設立(北九州)、2025年10月のエー・アンド・エイチ・ジャパン子会社化(大阪・貴金属リサイクル)と、M&A・合弁・自社設立を組み合わせた拠点拡充を継続的に実行してきた実績を持つ。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022期15,538百万円→2023期17,367百万円とピークを付けた後、2024期15,633百万円・2025期16,040百万円と低迷が続いたが、2026期は20,263百万円(前期比26.3%増)と急回復。営業利益も2025期836百万円の底から1,543百万円(同84.6%増)へ大幅改善し、営業利益率は5.2%→7.6%に上昇した。
回復の主因はエー・アンド・エイチ・ジャパン子会社化によるリユース事業拡大(売上高7,239百万円、前期比82.2%増)とPCB処理案件増加によるエンジニアリング事業拡大(1,559百万円、同63.7%増)。一方、化学品事業はエレクトロニクス向け需要が計画未達(+1.0%増)、自動車事業は製品販売苦戦(▲1.3%)と外部環境の影響を受けた事業も残る。
ROE8.4%(前期4.9%)、EPS248.16円(前期136.98円)と株主還元指標も改善した。
成長戦略
半導体・電池向け再資源化拠点の整備とM&Aによる事業領域拡大でグランドビジョン2030を実現
子会社サンワマテリアルソリューションズ株式会社が北九州市に再資源化工場を建設中。半導体・電池・電子部品等エレクトロニクス分野の成長に伴い増加が見込まれる使用済化学薬品の再資源化需要を取り込む。建設仮勘定は3,218百万円に達しており、投資は本格化している。
2025年10月に大阪市の金属リサイクル会社を700百万円で完全子会社化。貴金属・レアメタルの分離・回収精製技術と自社の収集・販売ネットワークを融合し、エレクトロニクス分野の国内資源循環ニーズに対応。
2026年3月期下期6ヶ月の寄与でリユース事業売上高が82.2%増となり、通期寄与が見込まれる2027年3月期以降の貢献拡大が期待される。
PCB含有廃棄物処理で培ったノウハウを活かし、今後増加が見込まれる化学プラント等の改廃ニーズを取り込む。2026年3月期はPCB処理期限到来案件の獲得増加により売上高1,559百万円(前期比63.7%増)を達成。大型解体案件の着手時期ずれ込みもあり、継続的な案件獲得が課題。
事業成長に伴うリソース補完を目的として、M&Aや業務提携を積極的に推進する方針を明示。エー・アンド・エイチ・ジャパン子会社化はその実績の一つ。中東情勢緊迫化を背景とした資源調達リスク対応やESG/SDGs強化の観点から、国内資源循環ニーズへの対応を加速させる。
最終更新: 2026年7月19日

