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株式会社日本触媒

4114東証プライム化学

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事業内容

株式会社日本触媒は1941年創業の東証プライム上場化学メーカーで、子会社28社・関連会社等16社を含むグループを形成する。事業は「マテリアルズ事業」と「ソリューションズ事業」の2セグメントで構成される。

マテリアルズ事業ではアクリル酸・高吸水性樹脂(SAP)・酸化エチレン等を米国・ベルギー・インドネシア・中国・シンガポール等のグローバル拠点で製造販売する。ソリューションズ事業ではコンクリート混和剤用ポリマー・電子情報材料・ヨウ素化合物・電池材料・脱硝触媒等の高機能化学品を手掛ける。

主要顧客は衛生材料・建設・電子・自動車・エネルギー分野の産業用途に広がる。

ビジネスモデル

アクリル酸等の基幹製造技術を自社開発し、国内外の連結子会社に技術実施権を許諾しながらグローバル生産ネットワークを構築する。原料(ナフサ・プロピレン等)を調達し、アクリル酸・高吸水性樹脂・酸化エチレン等を製造・販売することで収益を得る。

ソリューションズ事業では電子材料・電池材料等の高機能品でスプレッド(原料コストと販売価格の差)拡大を追求し、収益性向上を図る構造である。研究開発費は年間16,820百万円を投じ、次世代製品の事業化を継続的に推進している。

企業の強み

米国・ベルギー・インドネシア・中国の4拠点で高吸水性樹脂を製造し、原料アクリル酸も自社グループで供給する垂直統合体制を持つ。当連結会計年度においても高吸水性樹脂の販売数量は増加し、価格下落局面でも増収を確保した。技術実施権許諾契約を通じた知的財産の活用も収益基盤を支えている。

研究開発スタッフはグループ全体で約870名(総従業員の約2割)に達し、当連結会計年度の研究開発費は16,820百万円。電池材料・核酸医薬品・水素触媒・バイオアクリル酸等の次世代領域に研究リソースを集中投入しており、複数のNEDO採択案件も獲得している。

アクリル酸製造技術を起点に、米国・ドイツ・シンガポール・インドネシア・韓国・ベルギー・中国の計7カ国以上の企業に技術実施権を許諾する広範な技術供与ネットワークを保有する。マテリアルズ・ソリューションズの2事業で製品群を多様化し、特定製品への依存度を分散している。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期のマテリアルズ事業は売上収益278,810百万円(前期比5.2%減)、営業利益10,234百万円(同20.7%減)と大幅減益。製品海外市況・原料価格の下落に伴うスプレッド縮小に加え、前期の在庫評価差益が差損に転じたことが響いた。

国産ナフサ価格は75,600円/klから65,200円/klへ下落したが、製品価格も連動して下落しており、原料安が必ずしも利益改善に直結しない構造が露呈している。

2027年3月期の連結業績予想は中東情勢の緊迫化を理由に現時点で未定とされており、次期配当予想も未定。原材料の供給状況やコストへの影響が合理的に算出困難な状況は、投資家にとって業績の視界不良を意味する。

一方で、数量・スプレッドの維持拡大やコスト削減への取り組みは継続されており、地政学リスクが緩和された際の業績回復ポテンシャルは残存している。

ソリューションズ事業は2026年3月期に営業利益が前期比27.1%増と急回復し、イーテック連結化も寄与。リチウムイオン電池用電解質製造設備への建設投資が進行中であり、有形固定資産・無形資産の増加額はソリューションズ事業で26,373百万円と前期比大幅増。

ただし持分法適用会社への減損損失計上(ソリューションズ事業で1,480百万円)が示すように、成長投資に伴うリスクも顕在化しており、投資回収の進捗が中長期評価の焦点となる。

成長戦略

ソリューションズ事業へのリソース集中と電池材料等成長領域への積極投資

新中期経営計画においてソリューションズ事業の利益拡大を最重要戦略に位置付け。2026年3月期に営業利益が前期比27.1%増の6,503百万円と急回復し、電子情報材料・脱硝触媒の数量増・新規ポリマー上市・ヨウ素化合物の価格上昇等が寄与。イーテック連結化による事業規模拡大も実現。

電池材料事業の拡大に向けてリチウムイオン電池用電解質製造設備を建設中。2026年3月期の投資活動CFにおいて有形固定資産取得49,013百万円(前期比大幅増)の主要因の一つ。ソリューションズ事業の有形固定資産・無形資産増加額は26,373百万円に達し、成長投資が本格化している。

高吸水性樹脂の販売数量増加(グローバル拠点での生産拡大)や製造固定費削減を通じた収益力強化を推進。2026年3月期は高吸水性樹脂が増収となったものの、製造固定費増加・スプレッド縮小により営業利益は前期比20.7%減と苦戦。数量・スプレッドの維持拡大が引き続き課題。

2024年5月公表の株主還元方針変更に基づき、配当性向100%またはDOE2.0%のいずれか大きい金額を目安に配当を実施。2026年3月期は年間配当113円(配当性向100.8%)、自己株式取得70億円(3,807,800株)を実施し、総還元性向141.6%を達成。

最終更新: 2026年7月19日