事業内容
株式会社日本触媒は1941年創業の東証プライム上場化学メーカーで、子会社28社・関連会社等16社を含むグループを形成する。事業は「マテリアルズ事業」と「ソリューションズ事業」の2セグメントで構成される。
マテリアルズ事業ではアクリル酸・高吸水性樹脂(SAP)・酸化エチレン等を米国・ベルギー・インドネシア・中国・シンガポール等のグローバル拠点で製造販売する。ソリューションズ事業ではコンクリート混和剤用ポリマー・電子情報材料・ヨウ素化合物・電池材料・脱硝触媒等の高機能化学品を手掛ける。
主要顧客は衛生材料・建設・電子・自動車・エネルギー分野の産業用途に広がる。
ビジネスモデル
アクリル酸等の基幹製造技術を自社開発し、国内外の連結子会社に技術実施権を許諾しながらグローバル生産ネットワークを構築する。原料(ナフサ・プロピレン等)を調達し、アクリル酸・高吸水性樹脂・酸化エチレン等を製造・販売することで収益を得る。
ソリューションズ事業では電子材料・電池材料等の高機能品でスプレッド(原料コストと販売価格の差)拡大を追求し、収益性向上を図る構造である。研究開発費は年間16,820百万円を投じ、次世代製品の事業化を継続的に推進している。
企業の強み
米国・ベルギー・インドネシア・中国の4拠点で高吸水性樹脂を製造し、原料アクリル酸も自社グループで供給する垂直統合体制を持つ。当連結会計年度においても高吸水性樹脂の販売数量は増加し、価格下落局面でも増収を確保した。技術実施権許諾契約を通じた知的財産の活用も収益基盤を支えている。
研究開発スタッフはグループ全体で約870名(総従業員の約2割)に達し、当連結会計年度の研究開発費は16,820百万円。電池材料・核酸医薬品・水素触媒・バイオアクリル酸等の次世代領域に研究リソースを集中投入しており、複数のNEDO採択案件も獲得している。
アクリル酸製造技術を起点に、米国・ドイツ・シンガポール・インドネシア・韓国・ベルギー・中国の計7カ国以上の企業に技術実施権を許諾する広範な技術供与ネットワークを保有する。マテリアルズ・ソリューションズの2事業で製品群を多様化し、特定製品への依存度を分散している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026期は売上高399,898百万円・営業利益17,530百万円と前期比減収減益であったが、2027年3月期1Qは売上収益121,318百万円(+19.8%)、営業利益12,142百万円(+182.7%)、親会社所有者帰属四半期利益10,378百万円(+134.0%)と急回復。通期予想も売上収益455,000百万円(+13.8%)、営業利益21,000百万円(+19.8%)、当期利益20,500百万円(+22.3%)へ上方修正された。
市場環境として原料ナフサ価格・為替(円安)の影響も収益に寄与しているが、営業利益水準は依然2022期(29,062百万円)・2023期(23,528百万円)のピークには及ばず、回復途上にある。
成長戦略
ソリューションズ事業の電池材料等成長領域投資とマテリアルズ事業の収益基盤強化を両輪で推進
リチウムイオン電池用電解質等の製造設備投資を継続。ソリューションズ事業の持分法投資損益は前年同期503百万円から1,002百万円へ改善し、電池材料の製品販売構成改善も収益に寄与している。
マテリアルズ事業は1Q売上収益87,894百万円(前年同期比+25.9%)、営業利益8,414百万円(同2,330百万円から急拡大)と価格・数量両面で改善。通期売上収益予想は328,000百万円。
電子情報材料・脱硝触媒・電池材料等の高付加価値領域へのリソース配分を継続。1Qのソリューションズ事業営業利益は3,658百万円(前年同期1,856百万円)と改善傾向。
最終更新: 2026年8月7日

