事業内容
丸尾カルシウム株式会社は1926年創業の炭酸カルシウム専業メーカーで、化合炭酸カルシウム(軽質・膠質)および重質炭酸カルシウムを製造・販売する。当社グループは本社(兵庫県神戸市)・土山工場・土浦工場のほか、子会社の九州カルシウム株式会社(重質炭酸カルシウム製造)、丸尾(上海)貿易有限公司(中国向け販売)で構成される。
主要用途は合成樹脂(売上高の約42%)、塗料(約20%)、輸出(約15%)、食品・飼料、ゴムなど多岐にわたり、特定顧客への依存度が低い分散した顧客基盤を有する。東京証券取引所スタンダード市場上場。
ビジネスモデル
売上高12,639百万円のうち、グループ内製造品(製品)が5,663百万円(44.8%)、グループ外購入品(商品)が6,975百万円(55.2%)を占める。自社製造と外部仕入を組み合わせることで品揃えを拡充し、合成樹脂・塗料・ゴム・食品等の多様な産業顧客に供給する。
収益は販売価格の見直しと製造工程の合理化による原価削減で改善を図る構造。
企業の強み
1926年創業で2026年に創立100周年を迎える。中央研究所(1983年設置)を中心に研究開発スタッフ30名(全従業員の12.6%)を擁し、当連結会計年度の研究開発費は322百万円。炭酸カルシウム粒子の界面制御技術・粒子形状精密制御など長年蓄積した固有技術を保有する。
用途別売上高は合成樹脂5,298百万円、塗料2,478百万円、輸出1,889百万円、食品・飼料722百万円、ゴム798百万円と幅広く分散。単一顧客の売上比率が10%を超える先がなく、特定顧客・用途への依存リスクが低い販売構造を実現している。
2026年3月期の営業活動によるキャッシュフローは959百万円(減価償却費588百万円を含む)。純資産は10,291百万円、総資産17,134百万円に対し自己資本比率は約60%と財務健全性が高い。自己資金と金融機関借入を組み合わせた安定した資金調達体制を維持している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期11,567百万円から2024年3月期12,889百万円まで拡大後、2025・2026年3月期は12,800百万円台・12,600百万円台と横ばい圏で推移。営業利益は2022年3月期138百万円→2023年3月期34百万円→2024年3月期137百万円→2025年3月期6百万円と乱高下した後、2026年3月期は85百万円に回復。
価格改定と製造工程見直しによる売上原価削減(前期10,681百万円→当期10,444百万円)が寄与した。外部要因として原材料・物流コスト高騰が継続する中、住宅関連・海外向け売上の減少が売上高の下押し要因となった。
営業活動キャッシュ・フローは959百万円と前期246百万円から大幅改善し、キャッシュ創出力は回復している。
成長戦略
AI活用による生産革新・カーボンニュートラル対応・M&Aによる新市場開拓を三本柱とする
原材料・物流コスト高騰に対応した販売価格の継続的見直しと、製造工程の抜本的見直しによる原価削減を推進。2026年3月期に売上総利益率17.4%(前期16.8%)へ改善し、営業利益85百万円を確保。2027年3月期も継続実施予定。
AI技術を活用した生産プロセスの最適化・効率化を中長期戦略として推進。生産コスト削減と品質安定化を通じた収益性向上を目指す。現時点では具体的な数値目標・進捗の開示は限定的。
炭酸カルシウムの新規用途開拓および新市場参入を目的としたM&A・業務提携を中長期戦略として位置づける。合成樹脂向け(2026年3月期前年比101.6%)・ゴム向け(同101.2%)等の成長用途への注力も継続。
投資有価証券(主に政策保有株式)の売却を通じた資本効率の改善を推進。2026年3月期に売却益75百万円を計上。残高4,721百万円と依然大きく、継続的な売却余地がある。
最終更新: 2026年7月19日

