電子事業
高機能ICパッケージ基板を製造・販売するイビデンの中核事業
| 期間 | 今期 | 前期 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 172,540百万円 | 113,547百万円 | ↑ |
| 営業利益(セグメント利益) | 50,028百万円 | 25,429百万円 | ↑ |
| 休止固定資産減価償却費(営業外費用) | 1,669百万円 | 1,935百万円 | ↓ |
事業詳細
電子事業はパッケージ基板の製造販売を行う報告セグメントであり、AIサーバー・汎用サーバー・パソコン向けの高機能ICパッケージ基板を主力製品とする。国内および海外(フィリピン等)の複数拠点でグローバル生産体制を構築。生成AI用サーバー向け及び汎用サーバー向けの需要が総じて堅調に推移し、2025年度に量産稼働を開始した大野工場の生産安定化と円安基調の為替効果も加わり、売上高・営業利益ともに大幅増加した。
直近の概況
AIサーバー向け需要堅調で売上・利益ともに大幅増加
当中間連結会計期間の電子事業売上高は172,540百万円(前年同期比52.0%増)、営業利益は50,028百万円(同96.7%増)となった。生成AI用サーバー向け及び汎用サーバー向けの高機能ICパッケージ基板需要が総じて堅調に推移したことに加え、大野工場の生産が安定推移し、円安基調の為替も増収に寄与した。さらに後発事象として、AIサーバー向け高機能ICパッケージ基板の生産能力増強を目的に河間事業場工場棟(Cell6)を中心とした約1,510億円の設備投資を決議し、2029年度からの順次稼働を計画している。
主要プロダクト
成長ドライバー
- 生成AI用サーバー向け高機能ICパッケージ基板の旺盛な需要継続
- データセンター向け汎用サーバー需要の堅調推移
- 大野工場の量産稼働安定化による生産能力向上
- 円安基調による為替の増収効果
- 河間事業場及び海外工場における約1,510億円の設備投資によるCPU向け高機能ICパッケージ基板の生産能力増強(2029年度以降稼働)
- AIの学習型から推論型・エージェントAIへの進化に伴う高機能ICパッケージ基板の需要拡大
リスク
- パソコン向け需要の低迷継続と競争環境のさらなる悪化
- 特定顧客(Intel・NVIDIA・AMD等)への売上集中リスク
- 大規模設備投資に伴う減価償却費の増加および休止固定資産減価償却費の継続的発生(当中間期:1,669百万円)
- 顧客の生産調整・在庫調整による受注変動リスク
- 米国関税政策変更を含む地政学リスクおよび半導体メーカー間の競争環境変化
- 中東情勢や中国経済成長減速等による世界経済の不安定・不透明な状況
セラミック事業
自動車排気系部品・特殊炭素製品を軸とする環境・素材セグメント
| 期間 | 今期 | 前期 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 46,156百万円 | 39,689百万円 | ↑ |
| 営業利益 | 5,391百万円 | 3,839百万円 | ↑ |
| 営業利益率 | 11.7% | 9.7% | ↑ |
事業詳細
環境関連セラミック製品(DPF・AFP)、特殊炭素製品(FGM)、ファインセラミックス製品、セラミックファイバーの製造販売を行う。主要顧客は自動車メーカー・半導体製造装置メーカー等。国内に加え、米国・メキシコ・ハンガリー・イタリア・韓国・中国など多国籍の製造拠点を有しグローバルに展開。2026年3月期よりEVバッテリー用安全部材(NEV)が技術開発本部から当セグメントへ事業移管された。
直近の概況
DPF・FGM・NEVが牽引し増収増益、AFPは資材高騰で減益。
2027年3月期中間期の売上高は46,156百万円(前年同期比16.3%増)、営業利益は5,391百万円(同40.4%増)となった。DPFは一時的な受注増加と円安により増収増益、AFPは自動車販売台数回復で増収も資材価格高騰により減益、FGMは半導体製造装置向け需要回復で増収増益、NEVは販売・生産数量増加で増収増益と、事業ごとに明暗が分かれる展開となった。
主要プロダクト
成長ドライバー
- 欧州・インド市場を中心とした自動車販売台数の回復に伴うDPF・AFP需要の取り込み
- 内燃機関向け製品の需要継続(EVシフト鈍化の恩恵)
- NEV(EVバッテリー用安全部材)の販売・生産数量拡大による増収増益
- 半導体市場の好調を受けたFGM(特殊炭素製品)の半導体製造装置向け需要の回復
- DPF・AFPにおける受注連動型の柔軟な生産体制構築によるコスト管理
- 円安基調による輸出関連製品の採算改善
リスク
- 中東情勢の混迷継続による自動車業界・サプライチェーンへの影響
- 中国経済成長の減速長期化によるDPF・AFP販売数量への影響
- 資材価格高騰によるAFP等の製造原価悪化(固定費・原材料コスト増)
- 半導体市場の需給変動によるFGM需要の不確実性
- 為替相場変動による採算への影響
- 金利・為替相場の変動や自然災害等、不安定かつ不透明な経営環境の継続
その他事業
建設・建材・サービス等を束ねる第3の収益の柱
| 期間 | 今期 | 前期 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 43,849百万円 | 42,248百万円 | ↑ |
| 営業利益 | 4,623百万円 | 3,250百万円 | ↑ |
| 営業利益率 | 10.5% | 7.7% | ↑ |
事業詳細
イビデングループの「その他」セグメントは、設備の設計・施工(建設部門)、住宅設備機器・メラミン化粧板(建材部門)、法面・造園工事(イビデングリーンテック)、合成樹脂加工(イビデン樹脂)、農畜水産物加工、情報サービス、石油製品販売、ヘルスケア事業など多岐にわたる事業を包含する。中期経営計画では電子・セラミックに次ぐ「第3の収益の柱」として位置づけ、コア事業の拡大と選択と集中を推進している。
直近の概況
大型物件施工と電子部品加工受注増で増収増益
当中間連結会計期間の売上高は438億49百万円(前年同期比3.8%増)、営業利益は46億23百万円(前年同期比42.2%増)となった。イビデングリーンテックにおける法面・造園事業の大型物件施工の堅調推移、イビデン樹脂における電子部品加工分野の受注増加が主な増益要因。前年同期に計上した遊休資産に係る減損損失506百万円は当期は発生していない。
主要プロダクト
成長ドライバー
- 法面・造園事業(グリーンテック)における大型物件施工の継続的な受注獲得
- 電子部品加工分野(イビデン樹脂)における受注増加
- ヘルスケア事業における大型受注の獲得と事業拡大
- 中期経営計画「MNS115Plan」に基づくコア事業の拡大と選択と集中の推進
- 国内グループ各社の独自競争力を活かした安定した事業運営との相乗効果
リスク
- 中東情勢等の地政学リスクに伴う建築資材納入の遅延による建設部門の売上減少
- 建築基準法改正による住宅着工遅れが建材部門の販売棟数を継続的に圧迫
- 住宅市場の構造的な着工件数減少トレンドによる建材需要の長期的縮小リスク
- 造園・法面工事における資材価格高騰による利益率悪化
- 多角的事業構成による経営資源の分散と各事業の競争環境変化への対応コスト
- 米国関税政策変更に端を発する景気先行き不透明感による建設・設備投資需要の減退リスク
最終更新: 2026年10月29日

